静かに嗤う
いつも通り店を営業する4人。
その裏で傍観者と白夜が話す。
なゆたはカラスを使って何をするのか────
カラン
とドアが開く。
ニコはいつもの笑顔。
「いらっしゃいませ!」
一つ目の妖怪がやってくる。
「いつものください」
「はぁい!いつものですね。最近、来てませんでしたけど忙しかったです?」
普通の接客。変わらぬ店。
「最近、色々なところで妖怪が人間に殺されてるんだよ。あんたらも気をつけな」
「…ご忠告ありがとうございます。それはいい事を聞きました」
ニコが目線を送る。ヤマトはその一瞬を見逃さない。
「ところでニコちゃん。今日はいつもと違う服なんだね」
「そうなんですよぉ!どうです?似合ってます?」
ニコはふわりと回り全身を見せた。
「似合っとる似合っとる。なゆたちゃんもおめかしして可愛らしいねぇ」
端に座るなゆたは普段通り、酒を飲む。
「はい、じいさん。いつものね」
ヤマトがコトッとグラスを置く。
「ありがとう、ヤマトくん。ここはいいねぇ。ワシらみたいな弱い妖怪にとってここは安心できる場所じゃ」
優しく笑う一つ目。
空気が軽い。
だがその中で森に隠れる影。
なゆたはそっと息を殺し立ち上がる。
「なゆた、どうした?」
「トイレ」
トイレに向かう途中、窓からカラスがこちらを見る。腕を伸ばすとそこに止まる。
「…主様には内緒にできる?うん、いい子だね。行っといで」
その言葉と共に外に飛び立つ。
(一瞬、カラスの気配…?いや、気のせいか…)
サクヤは気にせずグラスを磨く。
「こんばんは、九尾さん」
「おやおや、これはなんでしたっけ?最近、物忘れが酷くて」
「傍観者ですかね?」
「そうやったそうやった」
ニコニコと笑う傍観者。白夜は目を細めジッと見つめる。
「お願いした術は貼ってくれましたか?」
「その術でなにをするつもりか聞いても?」
「忌み子を捕らえます」
耳が動く。
「……へぇ、そりゃあまたなんで?」
「知りたがりですね。僕と九尾さんの仲です。術をかけてくれたお礼に教えて差し上げます。忌み子の鬼、なゆたを捕まえて世界平和。とでも言いましょうか」
白夜は黙る。
「暴走し、あの国を壊せば貴方が新しく作り変えれる。悪い話ではないでしょう?」
「夢みたいな話やねぇ」
口を裾で隠し笑う。
「そうなった場合、あの半妖はどうなるんや?」
「あの暴走は脅威です。最悪、死んでもらいましょうか」
「…そうかえ」
ポツリと低い声。
「なぁ、傍観者はん」
「はい」
「あんた、相当に焦っとるんとちゃう?」
傍観者は眉を顰める。
「どうして?」
「いや、なんとなくそう思っただけや…」
白夜はふと向かいの木を見る。
「さてと、準備も整ったところで行くんやろ?あの半妖たちの元に」
「えぇ。邪魔はしないでくださいね」
返事をする代わりにヒラヒラと手を振る。
傍観者は踵を返し店に向かう。
「なゆた戻ってきた。これ運んで」
「…はーい」
まるでボクも働くの?と言わんばかりの顔。
「お待たせしました…」
グラスを置き、また定位置に着く。外の満月を見つめ、笑うはずのないなゆたは静かに
笑った。
「人間って、
本当
馬鹿だなぁ」
ここまで読んでくださりありがとうございます。
自分もなゆたに「いい子」って言われたい…っ!!!
てか、従業員が働かず座って酒飲むって何事だよ




