大きな人物
4人は店に行く。
「ここがリンネの通ってる店か!良いところだ」
「この人、声でかすぎない…?」
「まじで耳が痛いわ…」
ニコと白夜は大きな男を見る。
「俺の名前は酒田!よろしくな!少年少女!」
「私はニコ。こっちの金髪は白夜よ」
「よろしゅう」
「おー!いい名前だな。特に少女よ。良い体つきをしておる」
「おーい?酒田はん、それセクハラやで?」
ペースが酒田に持っていかれる。リンネは横で気にせずお茶を飲んでいた。
「2人は仕事仲間でしたっけ?」
「そう。酒田さんはボクの上司」
「リンネちゃんってなんの仕事してはんの?」
気になっていたが誰も踏み込めなかった話題。
「…人助けみたいなこと。ほぼボランティアみたいな。この人が実際何やってるかボクも知らない」
「人助け?」
「子供からお年寄りの世話、家事代行に人探し。そんな感じ」
「へぇ…すごいことやってはるんやな」
リンネはただお茶を飲む。
「それより…リンネ」
「ん?」
「お前のその首の痕はなんだ??」
「これ?キスマークって言うんだってさ」
酒田はリンネの肩に手を置く。
「そんな子に育てた覚えはないぞ?!どこのどいつにやられた!!」
「キスマーク…?」
白夜は首を傾げる。
「そうだ!見ろこれを!!!」
パーカーのチャックを開け襟を下げる。
「わー、ほんまやー…これはまたくっきりな」
「どこの男だそいつは!!」
リンネはめんどくさそうに耳を押さえる。
「うるさいな…酒田さんには関係ないでしょ」
「関係あるに決まっとるだろ!!言いなさい誰なんだ!!」
肩を組み顔を近づける。
ニコが止めようとした瞬間、
「俺だけど」
後ろから声。
それは
低く、
冷たく、
重い声。
「ヤ、ヤマト…おかえりなさい」
「ただいま。で、誰なんだそのおっさん」
鋭い目線は酒田に向けられる。
「俺は酒田だ。貴様か、うちのリンネを汚したのは」
「汚した?うちのリンネ?何言ってんの?俺はリンネの彼氏だから汚すもなにもねぇと思うんだけど」
ヤマトは一歩一歩大きく強く踏み込み、酒田の腕を持ち上げる。
「いいから…俺の女から手ェ退けよ」
鋭い声が響く。
酒田はニヤッとしたかと思えば大きく口を開け笑った。
「あっはっはっはっ!!!まさか俺の腕を片手で持ち上げれるやつがいるとは!!相当、鍛えてんのか?」
「…あ?」
「俺はリンネの上司であり、親代わりをしている。娘にキスマークなんてあったら父親は気にするだろうよ!!!少年!あっはっはっ!!!」
バシバシとヤマトの腕を叩く。
「ちち、おや…?」
次の瞬間、ヤマトは光の速さで土手座をする。
「お義父様、この度は大変失礼な態度を取ってしまい申し訳ございません。リンネさんとお付き合いさせていただいてるヤマトと申します。お義父様に失礼を働きました。お詫びとして小指を詰めます」
「あっはっはっ!なかなか面白い男だ!良い男を捕まえたな!リンネ!」
リンネはめんどくさそうに息を吐く。
「ここは酒屋と聞いた。まだ営業はしてないのか?」
「今から準備してあと1時間ほどで開店ですが、待たれます?」
ニコはリンネの飲み干したコップを洗いながら問う。
「そうだなぁ…せっかく来たし待たせてもらおうか!」
大きな体が目立つ。
「あれ本当にリンネちゃんのお父さん…?全っ然似てないのだけど…」
「いや、親代わりって言っとったし血は繋がってないんやろ…にしても陽気なオッサンや」
ヒソヒソと話すニコと白夜。目線を向けるとヤマトと酒田が話している。
「ところで、ヤマトと言ったな。お前はリンネのどこに惚れた?」
「存在です。詳しく話せば日が回りますが大丈夫ですか?」
「相当惚れとることだけはわかった。リンネは可愛いからな!!」
「国宝に選ばれてもいいぐらい可愛いです」
ヤマトの真剣な眼差しにリンネは呆れる。
リンネの話題で息が合う2人を放置しニコの元に向かった。
「あの2人と居たら恥ずかしいからなにか手伝わせて」
「その方がいいわね…机を拭くのお願いしてもいいかしら?」
「うん。任せて」
リンネは無駄なく丁寧に拭きあげる。
チラッとヤマトに目を向ける。
「俺はリンネの彼氏…」
リンネは嬉しそうに目を細めた。




