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友の助言

ゲームに没頭し気づけば外は暗くなっていた。


「もうこんな時間か。リンネ、そろそろ店に行くけど…って…」


座ったまま寝るリンネ。今にも倒れそうになるのを支える。


「このまま帰るのも可哀想だよな」


リンネをベッドに寝かし横に座り、首に見える赤い痕をそっとなぞる。


「今日は帰んなくていいか…」


窓に映る月は大きく、部屋を照らす。

最小限の家具。無駄な物は無く綺麗に整えられている。


静かな部屋にヤマトもまぶたが落ちる。


気づけば白い空間。


「なんだ…ここ…」


「やぁ!ヤマト!」


目の前に現れる人物。ヤマトは目を見開く。


「なん、で…黄泉が…」


「随分と久々だね。元気にしてた?」


目の前には優しい顔をした黄泉が立っていた。


「これは…」


「これは夢だよ。君たちは本当に俺の事が大好きなんだね」


君"たち"?


「君たちって…」


「ところで、もう呼び捨ては定着してくれたのかい?」


「あ、いや…すみません…」


「あっはは!いいよ。ヤマトは俺の大事な友達だからね」

「少し、座って話そうか」


黄泉は座り、ヤマトも目の前に座る。


「あの子は本当に強くなった」

「戦闘でも覚悟を決めるのも」


「あの子って誰だ?ずっと声がするんだ。けど、俺は思い出せない」


「だろうね。それはあの子が望んだことだから」


あの子?俺はゆっくり思い出すって…


「ずっとヤマトを見てきたんだけどさ、ほんと昔から大胆だよね。まさか、付き合うなんて」


「リンネのことか…?」


黄泉は微笑む。


「リンネ…リンネか…輪廻転生…もしくは…そうか、知ってたのか…あの子は」


「リンネのこと知っているのか?…あれ」


黄泉をジッと見つめる。眉を下げて首を傾げる黄泉は少し困った顔をした。


「リンネと黄泉…似てる、よな…」


「そうかな?リンネのほうが可愛い顔してるけど」


「それは本当にそう」

「同じ髪色…雰囲気…リンネって何者なんだ…?」


「何者とは?」


リンネの行動を振り返る。


あまりにも世間知らずなところ。


恋愛を理解していないところ。


詳細を知らない仕事。


一人暮らし。


盲目にリンネを見ていたがふと冷静になるとリンネのことがわからなかった。


「ヤマト、リンネは何者でもないよ。君が1番大切にしたいと思ってる人物だ。それに変わりはない」

「けど、このまま進めば破滅に繋がる。友達の恋を応援したいけど、俺には出来ない」


「どういう…」


「君たちは今後、その関係について壁に当たる。その時、どうしたいかちゃんと考えなくちゃ」

「今が幸せであればあるほど後からが辛い」


「黄泉…何言ってるか理解できてねぇ…」


「そうだろうね。白夜との戦いも無いことになり、特務退魔課も4人で壊滅させた。大妖怪、ぬらりひょんは誰が首を取った?」

「ねぇ、殺された俺が蘇り、操られてた時…」

「誰が俺を切った?」


「誰って…あれ…誰だ…?ちがう、あの時は如月と俺の戦いに巻き込まれた記憶が…」

「俺がぬらりひょんと大天狗の首を取ったはずなのに…違和感を感じる」


「あの子は凄い。国で1番を誇った術師の俺を越してしまった。しかも、不完全だった俺の術を完成させ自分のものにまでしてしまう…羨ましいな」


「なぁ…!あの子って誰なんだ?俺のことを"兄ちゃん"って呼ぶんだ…俺に妹がいたのか?」


「…それは、自分で見つけなくちゃ。ヒントは出す。妖怪の国に戻り半妖の王と話しをしてごらん」


半妖の王なゆた…けど、そいつは…


「そいつは話さねぇし顔も姿もわからない。鬼の子供ってだけで」


「あっははは!子供かぁ!ヤマトは背が大きすぎるんだよ。小さい子はみんな子供な訳じゃないからね?」


「…リンネは過去を思い出すなって強く言うんだ」


「ヤマト。君はどんな状況でも前を見て進める男だ。だからきっと大丈夫だよ」

「さてと、」


黄泉は立ち上がる。


「俺はそろそろ行こうかな。たくさん話せてよかった」


「もう行くのか?」


「あぁ。時間だよヤマト。起きて、」

「あの子を…なゆたを助けてやってくれ」


目を覚ます。

月は無くなり太陽もまだ昇っていない。


「あ、れ…」


頬を伝う涙。


「俺は何の夢を見て…」


黄泉に会う夢を見た。

けど、何を話していたのか覚えていない。

隣には眠るリンネ。


「妖怪の…国…」


会話を覚えていない。


だけど、


故郷に帰らないと行けない。


そんな気がした。

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