↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
118/181

その声は

「でも、まぁ、焦ってもどうか出来るわけやない。手がかりを探せばええ」


「能力…」


「能力?」


ギュッと握る手が強くなる。


「祢々切丸に能力を宿す…」


「そ、れは…だれが」


目を伏せ首を振る。


「わからない…でも、声が聞こえた。皆は能力をどうやって出しているの?」


なゆたは無意識に出している。

自我を持っていない。


「それは…使おう思って使っとるからなぁ…俺にもやり方が分からん」


「そっか…」


小さく呟く。


終わったのに終わっていない。


ヤマトの能力を戻す


目的の出発地点


なゆたの能力


問題点が多すぎる。


「なぁ、なゆた」


横を見る。月に照らされる金髪が揺れる。


「ゆっくり1つずつ解決してけばええ。ヤマトの能力がなくたってヤマトが居らんくなるわけやない。焦ったところでどうもできん」


「…うん」


「さてと、考えてもしゃーない。また遅くまで起きとったら朝起きれんとちゃうん」


「……起きるし」


「なゆたってほんまなんでそんな意地っ張りなん…?」


「うるさい…バカ狐」


「あー!!!ヤマトの影響やろ!!そんなとこ兄ちゃんに似んくてええねん!ほら!寝ろ!クソガキ!!」


白夜はうるさい。

前会った時はもっと静かだったのに…


「おやすみ、白夜」


「おー、おやすみさん」


自室に戻り壁に祢々切丸を置く。




"いつかこの国は赤い空に覆われ1人の化け物が暴れるだろう"

"妖怪の王、お前が生きていればこの祢々切丸で止めろ"


知らない声。

顔がぼやけて見えない。

君は誰。

あの大きな鬼は…


"あの化け物は──"


「なゆた!」


「…っ」


目を開ける。外が明るい。

目の前にはヤマト。

焦った顔で見ている。


「…どうし、たの」


「起こしに来たら魘されてたから焦った…」


ゆっくり身体を起こし祢々切丸を見る。


「おはよう、嫌な夢でも見たか?」


「お、はよ…わからない」


布団を握る。

汗かいてるのは自分でもわかる。


化け物…

それは誰を指して…


「ボクの、こと…」


「え?」


「なんでもない。顔洗ってくる」


どこか思い詰めた顔。

声をかける前になゆたは部屋の外に出る。


あれは人間だった。

人間と妖怪の前王…

ボクの父。

赤い空…化け物…

誰でもないボクのことを話していた。

ボクが暴走するのは生まれた時からわかっていた?


「なにか…どこかに…」


濡れた顔を拭き、居間に行く。


「おっはよー!ヒメ!よく眠れた?」


「おはようなゆた。ご飯運んでくれ」


いつもの朝。


そんな朝になゆたはどこか安心する。


安心するのにどこかザワつく。


「今行く」


今は見ないふりをしたい。


壊したくない。


この日常がいつまでもずっと、続けばいいのに…


なゆたとヤマトは静かに食事をする。


「なぁニコちゃん…あまりにも暗すぎひん?」


「本当に…この2人なんで変なとこで似るのかしら…」


「そりゃあ、兄妹やからやろ…」


ヒソヒソとニコと白夜が話す。そんなことは気にもせず2人は食べ続ける。


ヤマトもなゆたもどこか淀んだ空気。

ニコはため息をつく。


「ねぇ、今日って休みよね?だいぶ暑くなってきたし」

「ちょっと気晴らしに付き合って」


圧をかけて笑うニコにただ頷くことしか出来ない。

嫌な予感がする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。