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祢々切丸

ずっと探していた祢々切丸。

その刀が今、なゆたの手に───


新章の幕開けが始まる

なゆたの手には『祢々切丸』


ずっと探していた


ずっと壊したかった


でも、なんで壊したかった…?

なんでボクらは初めから祢々切丸を求めていた?


「なゆた」


呼ばれ顔をあげる。


「祢々切丸はどうやって使うの?」


「わからない…」


誰も教えてくれない。

能力を戻す使い方をわからない。


「兄様…」


「…」


ヤマトはなゆたの肩に手を置く。


「そのうち使い方が見つかるはずだ。慌てるな」


「…うん」


「とりあえず、疲れた…ニコの能力で傷は癒えても精神はまだ治っていない」

「寝て起きてからまた考えればいい」


サクヤを先頭に自室に戻る。


「祢々切丸…」


なゆたは窓を開け、屋根の上で寝転がる。


いつからボクらは探していた…?

そもそも記憶を無くした後、なにしてた?


「また、分からないに戻っている…」


ふと蘇る。


「兄様はなにか、知ってたのかな…」


黄泉を、兄を2回も殺してしまった。

だが、不思議と冷静。

祢々切丸を上げ、見上げる。


「これは誰の物でどうして妖怪の国にあると思ったんだろう…そもそも誰が封印した?」


考えても答えは出てこない。

起き上がり、両手で持つ。

鞘から抜き出す。


「それにしても大きいな…ボクより大きい?少し重い」


「あんな大きな鎌を振り回すなゆたが重いなんてな」


後ろから声がする。


「…白夜」


「やぁ!今日もええ感じに月が輝いとるわ」


白夜は当たり前かのように隣に座る。


「思っていた刀と全然違う」


「確かにでかいなぁ…でも、実際はもっとデカイで」


「…?どういう」


「これ折られとる」


確かに刃先がない。


「じゃあ、無駄だったってこと…?」


「そんなことあらへんで。祢々切丸って何か知ってるか?」


なゆたは首を横に振る。

白夜は祢々切丸を目を細め、そっと触れる。


"白夜、2人に内緒で剣術を教えてあげるよ"

"この国に大きな刀が封印されてるんだってさ"


忘れていた黄泉との記憶が蘇る。


「祢々切丸は本来、全長324cmある。でも今はその半分がない」

「祢々切丸はな、ひとりで勝手に動いたんや」


「ひとりで…?」


「そ、ひとりで勝手に動き、妖を殺した。その場所が"ねねが尺"っちゅう場所。せやから妖刀祢々切丸と名前が着いた」

「本で読んだ程度やから本当か知らへんけど」


白夜の目が鋭くなる。


「けど、妖刀なのは変わりない」


「それがなんで妖怪の国に?」


「むかーーし、俺らが生まれるもっと前や。ある陰陽師が妖怪を静めるためって幼い頃聞いたわ。それも本当か知らんけど」


「……本当か知らないことだらけ」


白夜は笑い、なゆたの頭に手を置く。


「俺は狐やからね」


「嘘と狐はなんの関係があるの?白夜は白夜だよ。たくさん助けてくれてありがとう」


風に揺れる銀髪は昔を思い出させる。


「変わったって思ったけど、やっぱ変わってへんなぁ」

「助けられたのは俺も一緒や」


なゆたは祢々切丸を見る。


その瞬間、


なにかが流れる。


誰かの記憶


"能力を宿せ"

"妖共よ。人間を襲わないと約束してくれるなら、殺しはしない"

"祢々切丸を、ここに封印する。自分の国で静かに暮らせ"


「…だれ」


「なゆた?」


白夜が覗き込む。

なゆたの目はじっと祢々切丸を見つめる。


「のう、りょく…」


知らないはずなのに、


知るはずないのに、


何かを思い出しそう。

ここまで見てくださりありがとうございます。


新章が始まりました。


祢々切丸の話は本当です。

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