光を見た
ヤマトは黄泉と王に連れられ城の中へ。
そこで出会った光とは
城の中は広く天井も高い。それなのに鬼の王は今にも頭がつきそうだ。
「なぁ…お前の父ちゃんあまりにもデカ過ぎないか?」
「すごいよねぇ。俺もあんだけ大きくなれたらなって思っているんだ」
「いや…その顔であんだけデカかったら怖すぎだろ…」
ヒソヒソと話しながらついて行く。
連れてかれたのは王座。
王はそこに座る。
「さて、名はなんと言う?」
端にはたくさんの兵士。
「ヤマトだ」
怯えることなく答える。
「あいつ王になんて口を…」
「無礼者が…」
ヤマトは眉を顰める。
大剣を取り出そうとすると王の手が上がる。
「静まらんか。さて、ヤマト。お前を連れてきたのには2つの選択肢があるからだ」
「…選択肢…?」
「息子、黄泉とその妹、なゆた。その2人の側近として仕えてほしい」
「は…?なんで俺が…」
王は優しく笑う。
「お前の才能は死なれちゃ困る」
死ぬ…?どういうことだ…?
「お前は幾つもの村を滅ぼした。こちらとしてはそれは死罪に値する。だが、その剣さばき、誰かから教わった訳でもなくその強さ」
「ぜひ、2人を守る盾となり鉾となって欲しい」
「…それ選択肢1つしかねぇじゃねぇか」
「はっはっは!ヤマト。お前は半妖だったな」
王を睨みつける。ザワつく兵士。
「だったらなんだ」
「娘のなゆたも半妖だ。そして、黄泉は妖力がゼロに等しい。俺は半妖だからという偏見はない。どうだヤマト。お前の命、あの2人のために使ってくれないか?」
大きい存在なのにどこか小さく見える。
それは、王なのに半妖を生み出してしまったこと。
自分の母親と一緒なのに全く違う。
でも、そんな真剣に真っ直ぐ見つめられたのは何年ぶりだ…?
"ヤマト!王の側近なんてなかなか慣れっこないよ!誰かを守るヤマトカッコイイんだろうなぁ"
睦月が俺の中で笑う。
ヤマトは目を閉じ跪く。
「先程の御無礼、お許しください。拾われたこの身、救われた命。全力でお守りさせてください」
この人たちになら俺は命を預けていい。
そう本能が呟く。
信じていいと。
けど、完全な光はまだ掴めていない。
あの方に出会うまでは
「そんでさー!俺の妹、ちょー可愛いんだよ!ヤマトに会って欲しくて!」
「わかりましたって…何回言ってるんです、か…」
目の前に現れる小さな女の子。
大きな目に小さな口。
肩までのふわふわな銀髪は風に揺れる。
「妹のなゆただ」
ヤマトは跪き、頭を下げる。
「初めまして。なゆた様。今日より貴女に仕えるヤマトと申します」
恥ずかしそうに黄泉の後ろに隠れる姿。だが目線は外さない。
「挨拶できるかい?なゆた」
「は、初めまして…なゆたです…よろしく…ヤマト」
顔を赤くして泳ぐ目。恥ずかしそうに差し出す手をそっと包む。
光が差す。
"俺はもう必要ないね。しっかり生きるんだ、ヤマト"
その声とともにヤマトの中で睦月は走り去る。
なゆたは腰にかかる剣を見て興味を示す。
「ヤマト、剣使える…?」
「…?使えますよ?」
「じゃ、じゃあ、ボクに剣術教えて…!」
ヤマトは笑う。
「えぇ!もちろんです姫様!」
光を手にするには守らなくては。
どんな手を使ってもこの幸せを守りたい。
なのに、
赤い空は、
黒い瞳は、
俺たちを嘲笑い、
また俺から光を奪った。
ここまで見てくださりありがとうございます。
幼きなゆたはいつ見ても可愛いですね




