狐の嘘
柊を追いかける白夜とクロガネ。
剣術が使えないと言われていた白夜はどう戦うのか
「まってや〜クロガネはん〜」
「あのメガネの男が逃げた。追いかけるぞ」
「ひぇ〜…」
白夜とクロガネは逃げた柊を追う。
「狐、場所わかるんだろう。案内しろ」
「みんな俺の扱い雑すぎひん〜?こっちやで」
「どこ行くんですか」
後ろから声。
振り返ると柊が立っている。
「…貴様、今こっちって言ってなかったか?」
「いやぁ〜、狐にもこんな日はあるですよぉ…あはっ」
クロガネはため息をつきながらハンマーを取り出す。
「いいんですか?僕を殺せばこの組織の秘密…わからずに終わりますよ」
「殺す?殺すなんて言ってへんよ?さて、俺と騙し合いしようや、傍観者…いや、柊」
「九尾さん、僕を操った罪は重い。僕はあなたたちを殺すつもりです…っ!」
柊は札を取り出し、
帳が落ちる
「あんなひょろひょろの人間がどうやって戦うんだ」
「なんか切り札あるんやろ。札だけに。なんちゃって」
「なぜ貴様と合わないのかハッキリわかった。貴様の調子についていけないからだ」
「えー?なんでやー!もっと盛り上がろーや!ほら!笑って笑って!」
柊はまた札を出す。
「随分と余裕そうですね。ほら、出番ですよ」
札から大量の異型。クロガネはハンマーを握り地面が抉れるぐらい強く踏み込む。
「そっちは任せましたわ、クロガネはん。俺は…」
「やはりあなたはこっちに来ると思いましたよ。九尾さん」
「俺にはなに出してくれるん?楽しみやわぁ」
「あなたにはこれをプレゼントしましょう」
札から現れたのはクロガネより大きい異型。
「わー…それは聞いてへんのやけどぉ…」
「あなたが剣術を使えないのは把握済みです」
「そぉかいな」
白夜は白い刀を出す。
そして、黄色の目が光り笑う。
「ほな、行かせてもらうで」
踏み込み、敵の下に潜る。刀を持ち替え振り上げる。
「ちと硬いか…せやけど」
「遊んでたら玩具はいつか壊れる。どんだけ持つか楽しみやなぁ」
敵の攻撃を軽々交わし一つ一つ傷をつける。
「ばか、な……剣術は使えないはずでは…」
「あー、それなぁ…」
白夜はニヤッと笑い、刀を肩に担ぐ。
「なゆたとかヤマトに比べたら使えへんっていうか劣るだけやで?」
あの2人の剣術は化け物以上…
「また騙したな…」
「言うてるやん。あの2人に比べたら劣るってだけ。それ以外やったら全然使えるで?あ、また早とちりした感じか?」
「お前だけは許さない!!!絶対殺して後悔させてやる!!!」
「本性現しよったな。死んだら後悔もクソもないやん。おもろいわぁ」
ケラケラと笑うも確実に傷をつけていく。
「なら、もう1体なら?」
同じ異型がもう1匹。
「…同じことや」
白夜の手から狐火。強く握り、消したと思えば札が出てくる。
「どっちの札が優秀か試そうや。なぁ、柊」
「望むところだ!!!」
白夜は走り出し異型の上に立つ。
「異型に札は…」
「コイツらやない」
白夜は札を刀に貼り、思い切り突き立て刺す。
「弱すぎる」
すぐにもう1体の異型も切り、灰となって消える。
「で、次はあんたさんが相手やろ?」
剣先を向ける。
揺らぐことない眼差し。
「……っ、なぜ僕の情報が間違っていた…?」
「あっ!それ?!それはぁ…」
白夜はニコニコと笑い楽しそうにクルクルと回る。
が、
刀を地面に突き刺し見下ろす。
「俺が嘘の情報流したからに決まっとるやろ。半分嘘。半分本当。あいつらが強くなってんのはホンマやし、個人の弱点もホンマもん。違うのはなゆた1人で来ることと日、だけや」
「どうやって情報流したかは内緒で」
「なぜ…」
「あんたらだっていきなり奇襲してきたやろ?そのお返しや」
「クロガネはん終わりました〜?」
クロガネを見ると敵はどこにもなく退屈そうに座る姿。
「なぁ、柊」
柊は、名前を呼ばれ白夜の顔を見る。
「あ、俺の顔見たな」
耳鳴り
「この組織の──」
次の瞬間、
柊は懐からナイフを取り出し、自分の首に刺した。
「なっ…」
「させ、ませんよ。クソ狐…」
血が吹き出る。
そのまま倒れ込み動かない。
「何が起こった」
クロガネは白夜に近づき柊を見る。
「情報を聞き出すんじゃなかったのか」
「自害したわ…くっそやられた…」
白夜は唇を強く噛み、血が出る。
「死んだもんはしゃーない。死者を蘇らすなんてそんな汚いことできひんからな」
帳が消える。
「狐ー!副将ー!」
後ろからニコの声。振り返るとサクヤもいる。
「あの2人は?」
「先に行った。こいつは自害。情報を聞き出せんかった」
「私たちは祢々切丸を探しに行きましょ。あの2人なら敵の隊長は任せてもいいはず」
4人は祢々切丸を探しに走る。
が、
異型が次々現れる。
「あいつ、死ぬ前に札を貼っていたか…めんどくさいな」
サクヤが武器を構える。
「倒しながら進めばええ。ほな、行くで」
「まさか、奇襲返しをされるとは思ってもいなかった」
「追い詰めたぞおっさん。覚悟しろよ」
「赤夜叉め」
「よく知ってるんだな俺の事」
如月は刀を取り出す。
「来るぞ、なゆた」
身構えると如月は笑う。
「何がおかしい」
「来い、黄泉」
如月の後ろから暗い紫の瞳をした男、黄泉が現れる。
「あの赤夜叉を殺せ」
「仰せのままに」
ヤマトは戸惑うことなく、笑う。
「待ってたぜ、黄泉!!」
凄まじい刃がぶつかる音。
なゆたは横から如月目掛けて走る。
「俺の相手は貴様か、忌み子の王」
「そうだよ。だから、覚悟して」
地面が揺れるほど強く如月はなゆたに向かって剣を振る。
「次は迷わない…」
赤い瞳はただ黄泉だけを捉える。
ここまで見てくださりありがとうございます。
白夜って実は強いんです




