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愛

白雪VSニコ

女の戦いが始まる───

「まだヤマトのこと諦めてなかったの?」


「運命だもの。そう簡単に諦められないよ」


お互い睨み合い様子を伺う。


「さっきも見たでしょ?普通の兄妹はキスなんてしない。けど、あの子達にとってそれは"普通"なの」

「まだわからない?共依存ってやつよ」


「私にとっては普通じゃない。共依存が兄妹に向くのは愛を知らないから」


その言葉でニコは足を止める。


「そう…あの子達は愛を知らない。けど、兄妹愛は誰よりも強いわよ」

「貴女にはもっといい男性が見つかるはずよ。可愛いもの」


「可愛い?それは当たり前でしょ。それを武器にどれだけ戦えるか…お姉さんならよく分かるよね。私たち、似てるもの」


「けど、あなたは表面は可愛くても内面は…ねぇ…」


挑発するように笑う。

相手は斧を握りしめ踏み込む。


「女は内面より顔を優先されるの!!可愛くなければ内面も見てもらえないよ!!」


ニコは振ってきた斧を爪で防ぐ。


「その通り。だから女は楽しいの。追いかけるんじゃなくて追いかけられる女になったら?」


ニコの爪が白雪の腹に浅く傷をつける。


「あなた顔は可愛いから顔は傷つけないであげる。その代わり首から下は必要ないわよね?」


「調子に乗るな!!」

「半妖のくせに愛の何がわかるって言うの」


「半妖だから愛を求めて愛を知るの」


ニコの爪が相手の左腕を切り落とす。


「半妖だから嫌われて石を投げられて川に落とされた。それでも愛してくれた人はたくさんいるわ」


「よくも…よくも私の体を…ひっ」


ニコは目の前に爪を突き刺す。


「愛を知らないのはあなたの方ではなくって?女はね、追いかけたら終わりよ。主導権を握るの。どう男を転がすか…どう好きになってもらえるか。そのためには愛を知る」


「もういい…お遊びはここまでだよお姉さん」


突き出された爪を片手で斧を回し弾く。


「ヤマトくんとの運命は本物だった…あの忌み子が邪魔なの。あの忌み子さえ居なければヤマトくんは私に振り向いてた…」

「浮気するなら浮気できないように躾ける。他の女を見るなら眼球をくり抜く。私にとっての愛はこれが答えなの」


「そう…愛に答えなんてないわ。あなたが答えと言うなら答えなんでしょうけど…」

「あなた今とっても可愛くない」


(片手を失っているのに泣きも叫びもしない…それどころかパワーが強い。何者なのこの子)


「お姉さん腰引いてるよ?!怖気付いちゃった?勝った方が美しいんでしょ?お姉さんそのままだと醜いままだよ」


「今までなゆたのような子を見てきたからあなたのタイプは正直、掴めないわ…そうね、もう女子トークはお終いにしようかしら」


ニコは爪を自分の腹に刺す。


「…は?もしかしてお姉さん、勝てないからって自害するの?」


「…っ、いいえ。女の子らしくお人形遊びに付き合ってあげるの」


何回も


何回も


何回も


血を吐いても


ニコは手を止めない。


「さてと…」


桃色の尾はゆらりと揺れる。


「私、猫又なのよね。けど半妖だから普段、尾は1つ」

「そろそろちゃんと妖怪の怖さを思い知らせなきゃ」


次の瞬間、


ニコの尾が2つに変わる。


「さぁ、一緒に踊ってくれるかしら?お嬢さん」


その言葉と共に目の前から消える。


「…っ、消えた…!けど、」


横か後ろを警戒すれば…


「残念♡」


ニコは懐に潜っている。


「まず…っ」


深く


深く


切り込む。


くるりと回り、爪についた血を振り払う。


「よくも…っ」


「私は立場が違えばあなたのこと好きになっていたわ。けど残念。立場が違うことを…運命が悪かったことを恨んでちょうだい」


首を切る。


吹き出す血。


白雪は倒れ込む。


「なん、で…」


ニコは爪を消し、白雪に近づく。


「なんで…私は…だれからも愛されな、いの…」


その言葉にニコはしゃがみ込む。


「あなたのせいじゃない。それは世界があなたを見る目がなかっただけ」


「可愛くならなきゃ…また、いじめられ、て…」

「もっ、と…誰かから…」


ニコは白雪の手を握る。

優しく笑い、


「私があなたを愛すわ。バーで出会って今こうやって戦ってあなたという人間を少し知った。少し知れば相手のことは好きか嫌いか判断できる」

「その中で私はあなたのことを好きになったわ。白雪ちゃん」


「名前…」


息が浅い。体が寒い。


「ニコよ」


「ニコ、ちゃん…一緒に買い物したら楽し、かったんだろうなぁ…」


「…いつか一緒に行きましょ」


白雪は静かに目を閉じ、微笑みながら眠りについた。


「悪者も…楽ではないわね…」


「ニコ…!」


サクヤの声がし、振り向く。


「大丈夫か。その怪我…」


「大したことじゃないわ。そっちは終わったの?」


「あぁ…」


敵の手を握るニコを見て口を閉ざす。


「行きましょうか」


「まて」


サクヤは白雪を優しく抱え、部屋の隅に置く。


「…優しいのね」


「お前が手を握っていたってことは少し思いがあったってことだろう。けど、こいつは」


「わかってるわ。ヤマトの能力を奪いなゆたを殺そうとした変わっているけど普通の女の子よ」


「…行くぞ」


「えぇ」


歩き出し振り向く。

綺麗な顔は安らかに眠る。

ニコは目を擦り、前に進んだ。

ここまで見てくださりありがとうございます。


ニコってめちゃくちゃいい子なんですよ

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