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夜の幕開け

遂に百鬼夜VS特務退魔課の戦いが幕開けする。

あの日の光景を未だに覚えている。


赤い空


人間と妖怪の死体。


血を流して倒れている弟。


「あなたは本当に愚かですね」


柊は眠る黄泉の隣に行く。


「取り返し守りたいものはあなたが壊しているんですよ。黄泉」


黒い感情。それを隠し黄泉の道を欺く。

全部あの半妖のせい。


「このままあなたを殺してしまいたい」


その時、ドアが開く。


「柊さん、隊長からです」


「これは有馬さん。どうしたんです?」


「あの忌み子たち…えーっと、なんだっけ…そうそう。百鬼夜の行動パターンを分析して欲しいって」


「わかりました。すぐ取り掛かります」


柊はパソコンに向かいキーボードを叩く。

有馬はチラッと黄泉を見る。


「これどうやったんですか?」


「どうとは?」


「どうやって復活させたんですか?」


「それは…」

「奇跡を味方につけただけです」


目線は向かずただパソコンに打ち込む。


「…便利な言葉ですね」


そう呟き、有馬は座る。


「行かないんですか?」


「すぐ欲しいから待ってますよ。あ、簡単な箇条書きでいいですよ。その方が副隊長は飽きずに見てくれます。あの人、長い文章とか嫌いなので」


「白雪さんらしいですね」


有馬はポケットからゲーム機を取り出し操作する。


やられる敵


経験値が上がる


「いつだって勝つのは正義のヒーロー。妖怪はいつだって悪。その事実は覆せない」


有馬の目は光る。


暗く


深く


「できましたよ」


「わぁ!早い!さすがですね柊さん。どれどれ?」


そこには、


・まだ乗り込んでは来ない→半妖の王が不完全


・犬神の半妖は感情で動く→煽れば煽るほど感情が高ぶって攻撃パターンが単純になる可能性あり


・猫又の半妖のスピード→見切ってしまえば簡単。複数で行けば戸惑うのでは?


・八咫烏の半妖の観察力→悟られないように連続攻撃がいいのでは。考える暇を無くす


・九尾の術→なんの術式を使うか未だに不明。剣術は無いため懐に入れば簡単に殺せる


・黒鎧のパワー→パワーはあるがスピードは無い。スピード戦で戦うと有利。九尾とタックを組んでる可能性あり


・敵は全員で押しかかってくる。一人では来れない


「分かりやすいですねこれ!すごい!」


「あくまで予想なので違う可能性があります。その可能性を…」


「柊さんがそう書いたならそうに決まってる。あなたの脳で僕たちは負け無し。感謝してますよ、柊さん」


紙を持ちヒラヒラと部屋から出る。

その瞬間、柊は笑った。


「本当におもしろい」


有馬は如月の元に行き、紙を渡す。


「ふーむ…思ってた通りだったな」


「あの人の頭覗いてみたいですよね〜」


「はっはっはっ!覗いたところでワシらには到底理解できん」


「忌み子たちが来るのがいつなのか…備えておかなくちゃ」


「勝つのは我々だ。必ず、妖共を──」


「失礼します!」


「なんだ」


部隊の1人が敬礼をし慌てた様子で入ってくる。


「現れました…忌み子が…王なゆたが一人で!!」


如月と有馬は目を見開く。


馬鹿な…まだ1週間も経っていない。

しかも1人でやってきた?ありえん。必ず妖気は溢れるもの。

考えても仕方あるまい。


「今行くぞ」


その場を後にし、入口の方に向かう。

そこにはのっぺらぼうの黒いお面を付けただ立っているなゆたの姿。


「1人か?部下はどうした」


「……」


黙るなゆたに如月は笑う。


「またお前の単独行動か?」


「またってことはずっと見ていたってことでいいね。じゃあ、もう返すよこれ」


なゆたの手から1羽のカラス。

血が出た痕跡があるが乾いている。


「これで行動見てたんでしょ?いやらしいね」


「返してくれてありがとう。忌み子なゆた」


「忌み子、か。黄泉を返してほしいんだけど」


「それはできん。あいつは大事な仲間だ」


なゆたは首を傾げる。


「とてもそうには見えないけど。仲間の価値観が違うのかな。じゃあ、別のこと聞いていい?」


「なんだ?」


「ボクたち妖怪を狙うのはなぜ?」


如月は笑う。


「それは妖は悪だからだ。古くより人間を及ぼし、恐れられてきた。だが、我々は力を手に入れた」


「祢々切丸。でしょ」


「そうだ」


なゆたは周りを見渡す。


警戒する目


軽蔑の目


そんな目がなゆたを刺す。


「それどこにあるの?」


「自分で探してみてはどうだ?それより、」

「一人で来たらまた仲間が心配するんじゃないのか?」


なゆたは目を細める。


「みんなちゃんと約束守ってるよ」


「……約束?」


「みんな、影から見守っててえらいね」


なゆたは腕を上げる。


そして、


ヒュッと音を立てて前に出した。


その瞬間、足元の影が揺れる。


「転送術式」


どこからか白夜の声。


それと同時に


ヤマト

ニコ

サクヤ

クロガネ


4人が現れる。


「よぉ、おっさん」


「さて、悪役は悪役らしく奇襲でもしましょうか」


「任務を遂行する」


「王のご命令で死んでもらうぞ」


如月の目が開く。


「有馬くん───」


振り返ると有馬の背中から刀。血が垂れ落ちる。


「たい、ちょ…っ」


その後ろには柊が笑って立っている。

そして柊は魂が抜け落ちたかのように倒れ、影から


九尾


「やぁ。隊長はん。この前のお返しや。敷地内ちと傍観者使って見させてもらったで」


「さぁ、戦闘開始だよ。みんな」


武器を持ち一斉に飛びかかる。


夜は影の味方をする。だから、影になれば夜は味方になる。


なゆたの目は静かに輝きを放ち、大鎌を振り上げ、


開幕する。

ここまで見てくださりありがとうございます。


ついに戦いが始まりました。

いや、白夜の登場カッコよすぎるだろうて

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