↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
106/178

夜はいつだって味方をする

作戦を考えるなゆたたち。

その作戦内容とは────

「黄泉の状態は」


「まだ目覚めません。あの犬の半妖…侮れませんね」


「あんな真っ直ぐな奴ほど、人の心に土足でズカズカ入る」


暗い部屋。

如月と柊は鎖に繋がれ眠っている黄泉を見下ろす。


「本当にこれで半妖の王は来るんですか?」


「必ず来る」


「…その理由を聞いても?」


如月は笑う。


「あの犬っころはなにより黄泉に忠誠を誓っていた。生きていたと知ればあの犬は必ず来る。そして」

「見た感じだと忌み子はあの犬に依存しておる」


「犬の半妖の能力を封じたのはここに来させるひとつの理由ですか?」


「理由に過ぎん。あれは前菜だ」

「メインディッシュはこれからだろう?なぁ、黄泉」


◇◆◇◆


「…っ!」


「なゆた、動きが落ちとる。長期戦になるかもしれへんからまだ動けるように体力保存しながら戦え」

「ヤマト、力任せに進みすぎや。周りの状況みて進むか判断しぃや」

「ニコちゃん、スピードは強いが見切られたら終わりや。まだ走れるはずやで」

「サクヤくんは状況を見すぎている。羽があるなら高くから助走つけて一気に首を狙った方がええ」


あの強さを見た。


あの圧を知った。


4人は朝から晩まで鍛錬に打ち込む。


「相手の武器と戦闘スタイルはわかっとるはずや。そこからどうやって隙を狙うか、そこだけを考えて攻撃しろ」


白夜は4人の鍛錬を見る。

的確なアドバイス

異常なほどの観察力


「なぁ!ちょっと休憩しないか?」


「あかん。戦いに休憩もクソもないやろ」


「ちょっと…さすがに疲れたわ…」


「わかった。ちょっとだけ休憩しよか」


術を解くと異型は消える。


あの手紙を見なければ今頃こんな鍛錬はしていないだろう。


カラスが店から持ってきたひとつの手紙。


『あまりにも弱すぎる。黄泉が起きたらまた殺しに行く』


そう書かれた手紙は4人のやる気を一気に上げる。


「ふざけた手紙を置かれたものだ」


サクヤは紙を握りつぶす。


「だが、事実でもある」


クロガネの言葉による重い空気。

誰も反論出来ない。


一歩間違えれば全滅していたかもしれない。


「じゃあ、もっと強くなって次は勝たなきゃだな」

「やられた分、倍にして返す」


ヤマトは大剣を肩に担ぐ。


「黄泉を連れ戻して、あの組織を潰す」


「簡単に言うわね…」


ニコはため息をつきながら立ち上がる。


「でもまぁ、嫌いじゃないわよ。ヤマトのそういう単純なところは」


「それは褒めてんの?貶してんの?どっち?」


「褒めてんのよ」


白夜は腕を組み、眉を顰める。


「やけど、勢いだけやったら次はほんまに死ぬで」


「そう、だけど…どうすんのよ」


「あいつらはお前らより実力も経験も上や。真正面から戦って勝てる相手やない」


白夜は振り向き、なゆたを見る。


「せやから、王」

「お前ならどうする?」

「お前がどう動くかで全部変わる」


視線が集まる。


「そうだね…けど、白夜。ひとつ間違ってるよ」


「間違っとる?」


なゆたは目を細め欺くかのように笑う。


「あいつは…あの隊長は本気を出していなかった。それはボクも同じこと。本気を出したら一瞬で終わっちゃう」

「それに、」


なゆたは顔をヤマトに向ける。


「ボクらの大事な人がなぜ敵側にいるのか明確にさせなくちゃいけない」

「ボクらは半妖。でも妖怪だ。妖怪は妖怪らしく陰湿に動けばいい」

「夜はいつだってボクらの味方をする。影から攻め込むのがボクらのやり方」


その言葉に白夜は声が詰まる。


「そうだよなぁ、なゆた。俺たちは妖怪でもあり人間でもある。あいつらと違うのは俺らが妖怪になれるってことだ」

「あっちが正義の人間なら俺たちは妖怪として正義のヒーローを殺す悪役になればいい」


白夜は突然笑い出す。


「あっはははは!!なんやそれ!ほんま、理解できひんわ。けど、」

「理解できひんからおもろくて飽きひんわ。この百鬼夜は」


サクヤが顎に手を置き悩む。


「サクヤ、何悩んでいるのよ」


「作戦だ。どう向かうかが問題」


「作戦ならある」


なゆたが前に出る。

振り向き全員の顔を見る。


「ボク一人で乗り込む」


「……は?」


その言葉にヤマトは真剣な表情に戻った。


「それはダメだ」


「最後まで聞いて」


「相手は、ヤマトが感情で動くタイプだと思ってたら…黄泉を取り返しに必ず来ると頭に置いてるとしたら。だったらその考えに乗ればいい」

「だからあえてボク1人で行く。そして───」



「みんなちゃんとカゲから見守っていてね」

ここまで見てくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。