【揺花草子。】[#5237] イミテーション。
Bさん「ねえねえ、阿部(本物)さん。」
Aさん「(本物)さんって何!!?
ぼくの偽物がいるとでも言うの!!?」
Cさん「逆に言えば阿部さんが本物だとどうして言い切れるのかしら?」
Aさん「何ですか哲学ですか?」
Bさん「これは今ぼくらの目の前にいる阿部さんが本物の阿部さんかどうか
値踏みすると言うニュアンスも込められているんだよ。」
Aさん「どう言う事だよ。」
Cさん「と言うのも、ごく最近私たちは
阿部さんの偽物とでも言うべき存在に出くわしたからよ。」
Aさん「えっ・・・何ですそれ?
ぼくに良く似た人をどこかで見かけたって言うんですか?」
Bさん「あのね、ある休日、場所は某ショッピングモール。
『あれこんなところに阿部さんが?』って思ったの。」
Aさん「ショッピングモール・・・。
まあ確かに普段行く場所ではないね・・・。」
Cさん「それでも家族連れのお子さんたちを値踏みするように
きょろきょろしながら1人で歩いている素振りでもあるなら
ああ安定の阿部さんだわとも思うところだけれどもね。」
Aさん「ぼくの事普段からそんな事してると思ってるんですか?」
Bさん「でもその阿部さんと思しき人物、ソロ活動ではなくて、
なんと楚々とした美女と仲睦まじそうに並んで歩いていた。
これはいよいよおかしいぞと思ったね。」
Aさん「何でだよ!!
楚々とした美女と連れ合う事がないと何で言い切れるんだよ!!!」
Cさん「もしそうだとしたら何らかの対価のやり取り、
具体的には金銭の授受が介在するタイプのやつを疑うべきよね。」
Aさん「普通に恋人とかそう言う風には思ってくれないんですか?」
Bさん「まあとにかくこれは異常事態だと。
何らかの事件性を疑ったぼくらはその阿部(推定偽物)さんを
尾行する事にしたんだよ。」
Aさん「推定偽物さんって。偽物なら別に良いだろ。」
Cさん「そこは推定無罪とは行かないわけ。
もしかしたら阿部さんが手酷い詐欺に遭ってしまうんじゃないか、
逆に楚々とした美女が阿部さんに酷い目に遭わされるんじゃないか、
これは私たちが止めなければと言う使命感に駆られたわけよ。」
Aさん「何でそんな。放っといてくれれば良いじゃないですか。
と言うかぼくと見紛うほどその人はぼくに似てたって事ですか?」
Bさん「別に似てはなかったよ。」
Cさん「似てはなかったわね。」
Aさん「えっ何どう言う事です?
ぼくとは似ても似つかぬ別人をあなたたちは
ぼくと誤認しかけたと言う事ですか?」
Bさん「結論から言えばそうなる。
その人は身長180cmを優に超えがっしりとしたスポーツマン体型だったし
やや浅黒の爽やかイケメンだったよ。」
Aさん「全然違うじゃん!!
ぼくに似ても似つかないじゃん!!!」
Bさん「阿部さんなら楚々とした美女を陥れるために
シークレットブーツでかさ上げしたり
スポーツマン体型の肉襦袢を着込んだり
爽やかイケメンのフェイスマスクぐらい
用意しそうだなと思ったからさ。」
Aさん「意味が分からなすぎる!!!!!」
変装の才能がある。




