きみのウクレレ
ひび割れない
「価値ってなんすかね」
イズヤが興味無さそうな声でイリヤに声をかける
「ん…知らん。適当に転がってる石に絵を描いて、それを売れるか」
「無理だろ」
「いや アートの世界なら。あるいはアイドルの世界なら わからんぞ」
にやりとするイリヤ。
「そりゃまあ 左うちわなことですね」
「まー だからこそ プロと呼ばれる芸術家は
ほんの一握りなんだろ 漫画家も 声友もふくめて」
「なるほど。盛り上がりがすごくて。一種の宗教みたいですよね」
「いやあ そりゃ無いだろう…まあお金を使いすぎる人たちは多くいるな…」
静かな愛だけを望んでいる自分はきらびやかな花はいらない。
しかしホソミの髪に重ねる茨の冠がないと 彼の痛みが色づかない。
この世界が悲しむだろう。
愛とは何ですか
それは数学の授業のテーマ。アートスクールのたしなみ☩
大きな庭園には 怜悧な薔薇もあれば 霊性を感じさせる白いお花も存在するのだろう
非科学と断じたところでひとのこころには ふたができない
咲いた思いを文字列にしたら 非科学的だと笑われたらむしろ むきになるのは当然だった…
壊せよ産めよ
この世を価値で埋めよ
だからぼくはミニマリストになりました
それはわかる
でもイズヤはくだらないがらくたを拾い集めて人知れず抱きしめる人たちと近い感性なのかなと自己分析した。
どうしたところで年長者にはかなわない
自分たちは感謝しているのである
なんだかんだで許されていた
治安が悪くない日本。自分は雑魚なのに治安の悪い国の人とリンクするイズヤは目を細める。
「ああ、なんだか 風がしみる季節になったなあ…」
ずっと幸せなら ずっと平和なら。それは少しだけ寂しい世界観だった。
軽い そして 重い




