朱色の海と空を航る豚(ORCAでもなく…)
いつかの水軍はHISTORY
「何時が朝かは あなたが決めて」
不思議な言葉を伝えるホソミ。
受けているイズヤは
すれ違わないように伝える。
「君が生きているのが朝だ」
Δ
「ああ、なんで そんなことになるのかな…」
イリヤはイリオモテヤマネコじゃなくて近くの猫さんを抱っこしている…
「いえ、これがぼくの指すおにぎりですが…」
イズヤの指示したおにぎりは たしかに個性的だった。形がこう
ぐにゃっと…
「なんか ひわいなものを連想させる…」
イリヤが苦虫をつぶしたような顔で言う…
「ひどいですね せっかく自炊したのに」
「それが自炊と呼べるかね…呆れてものも云えん…」
じゃあ 黙っといてくださいとは言えないイズヤ。
いちおうイリヤは先輩。会社で言うなら上役である
「もし SNSしてたらあたしの投稿をリポストするんだよ」
イリヤが言う
イズヤは
「…照れますよ。いやだなあ 先輩」と こたえる
「馬鹿者。こっちは命がけで文章を考えているのだ。三行におさめるのにどれだけ苦労していると思っている!!」
「…のりがわかんねえわ…あんたの…」
小さな声で思いを口にしているイズヤ。
最近AIイラストを始めたイズヤは
眠かった。正直イリヤの話など入ってこない…。
夢中になると見境の無い危険さがあるイズヤは
だから ホソミと出会った。あるいは共鳴できているとしたなら
そこしか 理由がない…
落ち着きのない、ある意味ではこの世界に本当は要らない存在。
そして なぜだか 二人は同性だった。
ただ二人で食い違う部分もある
しょーもねえ話だが
イズヤはレッドブル派
ホソミはモンスター派だった
ほんとうに たった それだけのこと…
イズヤはもてるタイプ、ではない
某夏彦なら大柄の警察官 と同じとすら
つまり 素人を抱かない…
テイストは昏くないが リア充と呼ばれる女性とは一切体を重ねたことが無い
オタクの玄人としか 寝ない、のである。
そしてイズヤは加虐趣味がない。そこに美を見出す人を否定する気はないけれど
加虐趣味がしっくりくるタイプではない…。
わかりやすくいえば 女装少年に暴力をふるいたくない…。
それしかはっきりしない。
奇遇なものでネット空間をうろつけば イズヤほど変な人間でも
同じ匂いの人間がいる。相手の年齢も性別もわからないこともとても多い…。
イズヤは年齢と性別はさらしている。
理由は特に無かった…。
ネット上でうそをつく心理 それはなんだろうか…
好きな人に対しては嘘をつきたい…
あるいは どれが 本当のことなのか 皮肉でもホラーでも哲学者でもなく
—わからないよ、っていう 心境 なのか…。
好きっていう感情はよくわからなかった
技術が低いほうが技術が高い法に惚れる
そして それが若い異性ならば、交際したいと思う。
しかし 若い異性と交際することの「難しさ」はわかるが
そこに「価値」を見いだせないイズヤ。
口が悪い15歳より 変な30歳の女性のほうが色っぽく見える。
つまり イズヤは 性格、人柄だけではなく 趣味が「普通」とは少し違う。
和服を着た 病んだ甘い声の女性なのか
たぶんかわいいフードを着た 病んだ甘い声の女性なのか
いや
「結局、声質とトーンかい…」
と小学生のメガネ男子にもつっこまれそうな イズヤだった。
イズヤはふと思った
「ホソミ、君の声、録音してネットにのせたら 迷惑だよね」
「は…まあ 気持ちよくは無いね…っていうか 自由にしゃべれなくなるし…」
それはそうである
不特定多数が聴いている環境ならば 話している内容はかなり恣意的にならざる得ない。
そう それもまた恣意的、という表現になる…。
自由に、表現できるから恣意的になる、ばかりではない。
もてない思想のうつくしい人が好き
イズヤにはそういう傾向がある…
軍用ナイフも含めてかわいい装飾品のように愛でてしまうホソミは
もてる思想とは とても 言えない個体…。
体格も せめとうけにおいても… 自分が「おとこ」なのに
彼のサヤになりたい… そうイズヤは思う。ホソミと言う少年に対して…。
そして
もし今彼と今生の別れがあっても
自分が彼の「鞘」であったことは
自分の遺伝子はきっと一生憶えているだろうな…。
だから 記憶力は果てない、いいのである…
それはみんな そうなのだ…
つごうよく取りだせる記憶力をもちあわせては いないだけだ…
タイムラグとは…
ホームセンターのタイムでラグジュアリーを意識する若者、という
意味では無い。 いろんな個性がひっそりと今日も咲いている。
ありきたりの一般人として…。
ミステリ、ヒステリック、青い…生物を抱く非生物。




