宇宙よりもギターの冷たさ。
いつかあなたの家に転がっていた楽器たち
ほんとの心の闇をおぬしはしっておるか
イズヤは膝を曲げて 青色の影の下、夕方屋外でしょんぼりもえもえしておったとさ…
「いえ。そんなもんは 興味ねえっすわ…」
ためいきまじりに 老人に対応したイズヤ。
「そりゃ 健全じゃのお…」
老人は老獪そうに、ではなく 気さくに笑ってくれる
「そうなんすよ…彼ともたいして色気ある暮らしぶりじゃない…」
「あっそう…いいんじゃないの。」
老人が答える
なんのつながりもない老人とイズヤは 暗くなる前の空の下
くだらない対談をする。音は少ない。
「おじさんはなにがたのしいんですか」
「おお、わしはべつに 時代劇見て…たまにギャンブルして くそしてねて
うーん 犬でも触るかなあ…」
「…ギャンブルは辞めたらいいじゃないですか」
「そだね。たしかになあ なんでわしゃあ 弱いのにかけ事をするのかな」
「願いでもかけてるとか」
「それはねえなあ。運試しかなあ。 ああ、まあ パチンコしてる女にはええ女もおるなあ」
「はあ。なるほど…」
しょんぼりしている風景の一部のイズヤはそれに似合わないエナジードリンクを手に掴んでいる。
ニコチンも嫌だが…薬も嫌だし こんなもんしか ないなーって 思ってるとか…
Δ
「もう もっと楽しそうにしたら」
映画館のロビーでイズヤの腕をつかんでいるホソミ。
先日の老人はきっと女性のことが好きなのだ。きっとパチンコ場で一緒になる、赤の他人になんか 美を見ていて。それが彼にとって気がかりで。
空想しているイズヤ。
自分はどこに行きたいのかな。きれいなパキラと暮らしたいのか
斜めに咲いた蓮が好き、なのか
それとも 結局 退廃的なネオンに打ちひしがれる自分にナルシストしたいのか
「もう また しょーもねえことかんがえとるんじゃろ」
ひょいって ホソミが出てきた…
イズヤより小柄の彼。女性より美しい肢体。そこに四諦をおぼえたつもりのイズヤ
色即是空もパンニャも どうでもいいんだ
優しい美、それにたゆたう己は さして間違ってない、…つか
まあそこそこ わるかない…
そう信じれるのは
「かっこいい」と言ってくれたうそつきの気を使う小さな女子(身長は高い)
のせいなのか
目の前の、細い男のおかげなのか
「たいして変わらないな…」
わからない自分が変わらない という事実…
Δ
文学部の部室でそこらへんの観葉植物に水をやるイリヤ
「おい しょんぼりしとるぞ 自分」
イズヤが言う
「はい さようです…ぼくは元気ない」
「んん 素直にそのまま話してくれてありがとう」
「…ずっと しぬまで つづくんですかね…」
白い景色に心をさらわれながら ことのはを紡いでみる…イズヤ
「…そだよ。一生紡ぐんだ。ななめに 言葉を」
だって我ら文学部じゃからね と
イリヤが 笑った…
おでんはコンビニでも食べれますがな




