ひとつくらいふつつか
時計仕掛け 狂った約束
ムーディナ光る背中 [狢]
「ああ 車ってリアにライトがあるんだね」
「リアライトって なんでやねん いや リアって言うのが車の文脈じゃろ」
イズヤが目を細めてホソミを見る… 愛しい年下の、男を。
「ん 光っててピカピカしててキレイ…なんちゃって…♡」
「…ん。いいよ。その そのニュアンスで…」
うつむくイズヤは下心などないと 自分に言い聞かせる。
どこかの国で戦争が起きていても自分は唯愛しい「なにか」を愛している。
その言の葉、 そのサイン、その 分子いや…セルを…。
「なあ 抱いてよ」
「なにを?」
「…いつかみた僕の風景を…」
「はは…そりゃ 無理だって」
にっこりと笑うホソミの口の 端が 少しだけ上がっていて
それはフルスマイルとかハーフスマイルとか…
そんな定義が難しい気がするイズヤ…。
「ねえ ぼくがとしをとったら いっしょに 旅行しようか」
「具体的じゃないね」
「ん…実はおまえとならどこでもいいの…」ホソミの唇、少し動いて…。
「あっそ。同感。」目を中空へ流すイズヤ。
なんとなく照れ臭いけど手を握ってみるイズヤ。
ああ 片手で握手、している自分に拍手…。
「いい風だね…」
右手で髪の毛をかきあげて 空をそらんじたホソミ。
理屈が無い 夜の静かな 空間。
遭えたなら サイコ(D☩濁点)




