火是
好きな解凍
「おいしそう」
ああ、それは
「追い思想…」
「あ。それはちがうかも」
「ああ。そっか」
「うん」
「空は綺麗だな」
「きれいじゃない空があるって、教わらなかったの」
ホソミは身をかがめて、上目遣いにイズヤを見つめる。優しく微笑みながら…
「ん べつに おれはね 好きなものを好きだって文字列でぶつけているだけやから…」
「あっそ。気障じゃなあ、君は」
「うん…」
「ぼくが 壊れ方を示そうか」
「ええわ、だっておれは もう光も闇も知っとるからさ」
「そんなん誤解じゃろ」
「まあね」
嗤うイズヤ。くだらない自分をこの世界になすりつけて 生きるしか
術を知らない卑怯な 魂。
きずな、そんなもんいらない…
「そらに祈ろう」
ホソミが言う
「俺は つまらん輩じゃけん…
生物とか算数とか、うもう言えんけど お勉強からしか宗教は語れんのじゃ…」
「…お経おぼえてるとか聖書読むとかそれが 宗教やろ」
「…おれのは ちがうってことかな」
一秒より長い空白
「 臨場かよ」
「おお 渋いな…」
少しかみ合う二人の会話
「ぼくの指先から白い炎が揺蕩う、たれ流れる、それが俺の宗教なんだ…おそらくは。」
「うん。くさいね。」 わらってくれる ホソミ。
イズヤの背面には人間の醜い美しい恐怖がこびりついている
あまりに重くて イズヤはもう消えそうだった
パスカルに しんのぞうをつらぬかれるような 架空のいたみ。
「これから 君に…」
ホソミはただしずかに イズヤに口づけをかわす
「あ…」
一秒静かなイズヤは目から流れる涙を感じた。その温度で。
まるで自分が人間扱いされているようで 泣けていたのか…
Δ
☩
目が覚めると二人は布団の中にいて
きっと汗ばんでいる…
それは つらい。だって つながればいつかは離別するのだ…
イズヤが啼いてるのは ホソミが優しいから
「なんでおまえはつらいはずなのに 優しいの」
「言葉にできるくらいだからまだ僕に惚れてないね…」
「ちがう。そうじゃないんだ。愛してるとか、くそなことはどうでもいいんだ
あたたかいあなたを抱いていたいの…」
「」
「ああ。おわってるわ。この世界も。おれも。きみも。」
「知らんよ。大丈夫だよ。この世界も。ぼくやきみみたいな。
そこらへんの凡人もね 。 きっと大丈夫だから…」
眼を細めすこし眉を顰め静かすぎる優しい笑顔を自然に浮かべるホソミ
指を絡める。
絡まったのは意図、でも ただ 触っている。真実より細胞とか、そこらへんの
残骸に。ああ たしかに 触れとるわ
拾った血潮




