風見鶏はスクリーントーンを散りばめた ため息とともに
だからといって つづいた地面
捨て駒…
その文字列はセンセーショナルで…
「捨て駒…。いい響きじゃん。 そっから きれいな花が咲くんでしょ」
「でも その花もいずれ 枯れますね」
「枯れない花がいらっしゃるなら つれておいでよ …うさぎねこさん…」
「ぼくは 動物じゃなくて若干ヒューマンです…」
「…ふふ。少しだけかよ…」
愉快そうに笑ったイリヤ。視線を合わせないイズヤはなぜか人間臭い。きっと無表情のままなのに。
「切なさを連れてきてください」
「なんとなくシャムネコでも引用したいのか…きみは」
ちょっとだけ噛みあう二人は気まずかった。
パソコン一台 米粒一粒
ギター一本
そのすべてが これまでの血みどろのコロシアムとか飢饉を経て
奇跡的に眼前に現れた 玩具(浮遊する幻想社会☩)
「君の指先はなにを捉えるつもりかな」
「えっとイリヤ先輩とか好きな男とか…いろいろっす」
「うそつけ。後半部分だけだろうが…おまえは」
ミカヅキに目を歪ませてイリヤ先輩は後輩に笑いかける。
ブルーグレーに沈んだ そらを 苦しそうに眺めて
視線だけ堕とすイズヤは唇の周りの筋肉を動かして 言葉と言うサインを
発信した
「ああ いいですね こんな夜。」
「はは。君が本音なら。何より…」
Δ
「届くんですか。その手紙」
「うんにゃ 無理だろうね。もうそこには住んでないから。」
「でも 送るんですか。お手紙」
「そだね。なんらかの未練が考えられるってさ…」
「なーにを ひとごと みたいに…あなたのことでしょう」
「はい、そうですよ…でも そんな 気持ちかな」
「…はあ わかりますわ、ちょっと。」
「…あっそ」
ブルーグレーから白に近づいた昼の空。
「ブルーベリーヨーグルト、食べるか」
「ええ。」
「じゃ おれにもちょっとくわせて」
「スプーンですくいましょうか」
「いいよ…」
「甘えてくれないの」
「溺れる気が無いんだ」
「あっそうですか…」
それは君が好きだから、とは 音にしない、いや できないイズヤ…。
コントロールできない 月の輝き
きっと蛇足な君との約束。
今から守りに行くね。
「はあ ねむういなあ」
イリヤが部室でごろごろしていた。机の上で。
「先輩、風邪ひきますよ。馬鹿でも風は引くんです」
「君は科学者じゃないな…」
じとっと 後輩を疎んじたイリヤ。
「なんでですか。」
「人の気持ちがわからないから」
「…それは内緒にしておいてください。」
「いや…多分全世界にばれてるよ」
「たぶんとなり街の小学生すら、知らないと思いますが」
「…屁理屈は上手いから。詩人にでもなれよ」
「無理です」
「なんで」
「愛がない。」
「気にしすぎだ…」
「どうでもいいんですよ。すべて」
「女装少年のグラビアが落ちてたら拾うじゃろ。いや美少女のコスプレ写真集でも」
「……まあね」
「人間じゃから」
「それはゆるしですか」
「ちがうわ。マズローの欲求の階層じゃ。うちら、全員、賢いホモサピエンスにちゃんと管理されとるけえ … 安心して、うちらはからあげとかおでんくえばええんじゃ」
「そうですね。」
蛇足でしかない笑顔を浮かべて、部室の出窓にイリヤが憮然と置いた鉢に水をやるイズヤ。
どの憮然が何秒前か 知らない
妙な ひかり
たえなる響き
連綿と続いたかなしみのうらの よろこびは
彼女の吐息
母なる遺伝子が宙に浮かぶ…
散り散りの紙切れもつもりつもれば有価性




