想いの行方
偶然の蓋然性
ぼくときみの絡まない指
「べつにいっしょにいてくれなくてもいいです…」
瞼をすこしさげたホソミのうれいの唇はかすんだ 白。
「えっと急になに」
やわらかい笑みを浮かべるイズヤの瞳はきっと
正しい意味において 何も見ていない
「なあああんでえ 電話に出ないのかなって…もう おかしいんじゃない…」
「あなたは……」 吐息が中空に透明に燃える デジベルの小さい彼の呼気。
「べつに おれは ぼくはさ 有限のこの時間を 永遠だと思ってたりね…
きみの前なら。」
「時間は追ってきます。私たちが白いロザリオをキーホルダーにしても…」
「おれは おしゃかになったラジオでも見つめるわ…」
「いいですよ。 すごい楽めなファミリーレストランとか 入りましょ…」
「てきとうだね…」
「全部 おまかせですよ。 天空っていうシステムに…」
「へえ…」
その先の言葉は 囲い…かっこいい…違うだろうな…
イズヤはそっとホソミの指をさわり いとしそうにつつみこむ
「やさしさが つたわる…」 イズヤはくだらない本音をそっと放った。
「やめて そんな まじない… マジないわ…」
「慎重なふたり」
「なに その問いかけ」
「君を見ていた」
「わたしも」
ホソミのちいさなつぶらな瞳には虚空の灰色が刻み込まれ
そらの十字架は透過性を強めすぎてこげ落ちそうだ……
「あ」
「うん…?」
有限のLIMIT
そのたおやかな悲しみを
粉々にシャットダウン
いつかの破線を粉々に 愛せないことを伝える…
今目の前を見つめるイズヤは
ただ唇を重ねることの意味さえ
理解しない自分を
見ている
「平和って何ですか」
「ぼくにとってはあなたがいること」
「え それってさ 嘘じゃないっすか…」
力が抜けたへらへらの年下の男の笑顔。
「どうでもいい」
哀しいだけ…
「うそーつくうなあ」「なあ おまえは若い男が好きなんだろ。えろくていい女が…」
くだらないことをほざいてる年下の彼はなぜか笑っている。高らかに哭くような
君だけ赦した矛盾の光




