bAck Up EDEN
ゆるされないキス
ある日のその人は
化粧気が無く 陽光を浴びては 痛んでいた
ぼくはただその人にカメラを向けて 頬に水の流れを映した
「ちょっと なんでずっと携帯いじってんの」
その人が言うから イズヤは
「いや 樽ドルを見ていて…」と言ってしまい……
「さいてい… そんなの…」
その人は化粧をした美しい顔でイズヤをねめつける
その彩は罪の分厚さ… とろける香りが天使の降臨を義務付けた
罪の芝居が始まってしまう…
いつもとおなじ 最悪のシナリオ☩
オレンジとグリーンのツートンカラーが この夕焼けを
温かい景色へと捏造させている
そう認識しているイズヤは けっしてひねくれていない
ただ 鮮やかに壊れている。
不良品というよりは 異なる良品だと 自分では思いたかった
あるいは いりょうひん ならば
イズヤを削れば薬になり イズヤをなめせば 衣になる…
優しいスニーカーが 水色の水たまりを排気ガスの色彩に着色している
美しい泡が これでもかと 小さく輝くから
口の端をきれいにゆがめることが できたんだ……
焱△捓?【】
文学部の部室では タオルをハチマキに巻いたイリヤがジャージのすそをまくりあげていた。
「さあ、 新作を書くぞ」
「なにを書くつもりですか」
「 まあ 恋愛小説だな」
「ほー どんな」
「金持ちの男性が 美人な男性と結婚するというまあ ちょっと新しい小説だ」
イリヤはすこし恥ずかしそうに 確信に満ちた目で 新作の構想を後輩に打ち明けた。
「で…?」
「だから そういう物語だ」
「…… あ、ああ そうですか いいですね 普通というのが一番奇抜というか」
「いやいや 大丈夫 大作になりそうだ…」
口を結び 照れているイリヤ…。
イズヤはイリヤの眼をのぞき込む
「おい… ちょっと かわいいぞ…」
静かに 言って後悔したイズヤ。余計なことなど言わなくていいのに。
「ふ…なにをいっ」
音が消えるときに こすれているものはどうせ細胞がもたらしているスカスカの幻想。
RIPだろうと LIPだろうと たいした違いは無い…
そう信じているイズヤはただ 嘘と罪を飲み込んだ…
ゆるされた指先




