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「ただいまー」

玄関の鍵を開け誰も居ない家の中に向けて帰ってきたことを伝え家の中に進んだところで後ろからの足音が無いのに気付いた。後ろに居るだろう従魔になったゴブリンの女の子の事を振り返りざま、上下黄緑色で無地のズボン・半袖のTシュツに靴も黄緑色の子供靴を履いている姿が目にはいった。しかしそれよりもより目についたのはゴブリンの女の子が困惑した顔のまま玄関先で固まった姿だった。

「どうかしたのか?」

言った後に気付いた。他の言葉をもっと気の利いた言葉をこの子に言ってあげなかったのかと。Tシュツの裾をギュッと掴み、何かを伝えたいのか口を開けては閉じるを繰り返している。俺は一度玄関に荷物を置いて、玄関先へと出て扉を締めた。ゴブリンの女の子の隣に行き、膝を地面に付けて目線を合した。ゴブリンの女の子も俺の方へ向いてくれた。俺は右手を挙げ、ゴブリンの女の子は叩かれるとでも思ったのか目を強く瞑った。

挙げた手をゴブリンの女の子の頭に置き、慣れないながらもゆっくりと撫で始め家族になるための【言の葉】を紡ぐ。


「ただいまは家族に家に戻って来た事を教える言葉。

 おかえりは家族から家から戻って来た者を迎える言葉。」


俺は撫でていた手をゴブリンの女の子から離し、その代わりに手を握った。小さく俺の手でも大きく思えるその手を握った。

空いてる左手で玄関の扉を開け俺は半歩進み玄関の敷居を超えた。

ゴブリンの女の子も怖ず怖ずと一歩進み玄関の敷居を超えた。

「おかえり」

俺は右手の温もりを感じながらゴブリンの女の子を見て言った。

「―――」

視線の先に立っているモンスターの女の子の口から何か聞こえたような気がしたが気の所為だったかなと視線を外そうとした時

「ドォ――ヴァ」

視線の先に居る彼女は笑顔でしかしハッキリと、家族の言の葉をつたないながらも俺に紡いでくれた。


「ドォ、ドゥ、ヴェ、ヴァ!!」


その言の葉は彼女が俺の家族になり、俺も彼女の家族になった始まり。

俺も彼女に笑顔で今一度


「おかえり!!」

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