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41/59

㊵

11年程前、まだ本倉(モトクラ) 海(カイ)の家族が生きていた頃の話し。

彼と当時から龍帝(リュウテイ)の二つ名を持っていた龍宮院(リュウグウイン) 晴龍(セイリュウ)が出会ったのは本倉(モトクラ) 海(カイ)の曽祖父母が開業した 旅ノ倉(タビノクラ) のお客様専用の玄関だった。


本倉(モトクラ) 海(カイ)は祖母に連れられ 旅ノ倉(タビノクラ) で行われる宴会の為訪れた龍宮院(リュウグウイン)家を迎えていた。

当時の海(カイ)は何も分からずに来たらたまにお菓子などをもらえたので付いてきていた。


海(カイ)の祖母と晴龍(セイリュウ)以外の龍宮院(リュウグウイン)家の大人達が挨拶している側で屈託のない、いかにも子供ですという笑顔をしていたのが当時7歳の晴龍(セイリュウ)だった。


その後大人たちは「会場の事で確認してくるから晴龍(セイリュウ)お前と海(カイ)君とで遊んでなさい」「お利口に待っていなさいね海(カイ)」と大人達が言った言葉に海(カイ)は「はい」と返事をするだけに対す晴龍(セイリュウ)は「はい、わかりました!僕も海(カイ)君といっぱいお話したいので嬉しいです!」と心のそこから無邪気に言っているという様に返事した。


大人達が去った部屋で晴龍(セイリュウ)はモジモジとして今にも話したいという風に立ち、海(カイ)は祖母からもらったビー玉程の丸いラムネを口に1つ1つ放り込んでいた。


「か、海(カイ)君。僕とお話しよ。君とお話したいんだ。」

口の中でラムネを転がし甘い甘い味を堪能している時にかけられた声、海(カイ)は少し腹を立てた。そして何より(なんでコイツは嘘しか言っていないんだ。それに行動も嘘っぽい!)となんでか思った。


勿論思ったが口に出さなければ良かったのだ。だが海(カイ)も7歳の子供に空気をよんで交流するというのは少し酷な話だろ。


「お前、俺と話したいなんて嘘だろ!さては嘘しか言わないんだな!」と言ってしまった。


それを聞いた晴龍(セイリュウ)はいつもなら[そんな事ないよ]とか言っていたところだろう。だが晴龍(セイリュウ)もまだ7歳の子供、家族が忙しいと分かっていてもかまって欲しいという思いがあるが言い出せないという葛藤がありストレスが溜まっていた。

そんな時に海(カイ)に言われた言葉、厳密には「嘘しか言わない」それが頭にキテ怒ってしまった。


「君に何が分かるっていうんだ!」


それを聞いた海(カイ)は怯え泣いてしまった。

泣く海(カイ)を見て晴龍(セイリュウ)も泣き出した。2人の泣き声は次第に大きくなり通りかかった仲居さんに見つかり宴会会場に行っていた大人達が血相を変えて戻ってきた。


ただの子供の喧嘩だろうという事で話は落ちついたが、海(カイ)・晴龍(セイリュウ)共に少し雷を落とされたりもした。


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