㊱
刻星が帰ってきたことに素直に喜べずにいた俺は、その原因である親友の龍宮院 晴龍を睨みながらリビングのソファーに腰を下ろした。
「それでお前は何しに来たんだよ晴龍」
リビングを見渡す晴龍に問いかけた。
「答える前におば様達に挨拶してきて良いかい?」
「⋯そうだな。挨拶してきてくれ」
間のあった俺の返答を聞き晴龍がリビングから出ていった。
その際にチラリと刻星が視界に入った。刻星はリビングの扉、今しがた晴龍が出ていった扉を見ていた。どこか寂し気に。
原因は恐らく、刻星にも入ることを禁じている部屋に入ることを晴龍には許したからだろ。
刻星にすら入ることを禁じている部屋には俺の家族の仏壇が置いてある。ただそれだけだが、俺は未だに刻星に入室の許可をだしていない。
⋯⋯俺は恐らく亡き人達でも、あの人たちには刻星を逢わしたくないからだろう。
この事を刻星には伝えるつもりもない為、今回は刻星が寂し気にしているのを見て見ぬふりをした。
晴龍がリビングに降りて来て俺の少しあけた隣に座った。
「っで、ホンマ何しに来た」
晴龍はニコニコとしているが何か聞きたくて仕方ないと俺でも分かるぐらいに顔に出していた。
「ひどいな。僕と海君の仲だろ。久しぶりに故郷に帰って来たんだ親友に会いに来ただけなんだけどね」
口にしている事は事実だろうが本心ではないのは丸わかりなので俺は何も言わず晴龍を凝視した。
「ふー、ふぅ~。⋯⋯本題だ。海君はその力を何に使うつもりなんだい。その強大で世界も滅ぼしかけない力を誰の何のため使うつもりなんだい」
晴龍は俺の力についてある程度知っている様だ。
刻星のパーティー《流星》が情報を流したかもしれないが恐らくは晴龍本人の力によるものだろ。
この場合の返答は正直に答えるのが良いな。こいつに誤魔化しは通じないからな。
「俺はこの力をどうこうするつもりはない。ただ、俺と刻星の生活を邪魔するならこの力を使うまでだ」
俺の返答に晴龍は⋯⋯




