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8月も中頃になったころ刻星がこの奈良町に帰って来た。っと言っても夏季特別校外学習の引率としてなので自宅にはまだ帰ってきていない。
そんな刻星が今日1日だけ休暇という事で帰ってくる事が分かったのが昨日の事だ。
そして朝の9:00に玄関のチャイムがなり、インターホンから刻星の声が聞こえたので玄関の扉を開けた。刻星が視界に入った時に刻星の後ろに誰かがいる様な気がした。
「お帰り刻星。色々聞きたいんだけどお前の後ろに誰かが居るみたいだけど誰なんだ?」
刻星は長身な体でその誰かが隠れてしまい分からないでいた。
「僕だよー、海君~晴龍だよー」バタン!勢いよく玄関の扉を閉めて護身用に下駄箱の近くに置いておいた力作の木刀を持ちもう1度、扉を開けた。
「帰れこの腹黒ゲス野郎!」と怒鳴り刻星だけ家の中に引っ張り入れ扉を閉めようとした時、靴を扉の隙間に挟んで閉まらない様にゲス野郎はした。
「ゲス野郎なんて心外だよ海君」
「腹黒は認めるんだな!」
「いや~腹黒は僕にしてみれば褒め言葉になるからなー」
笑顔で言いきるこの腹黒ゲス野郎に完全に頭にきてしまった。
玄関の扉に晴龍の足が挟まったまま力一杯、扉を閉めだした。
「い、痛い痛い。痛いから止めてくれない!」
「ならさっさと帰れ、お前はお呼びじゃね〜んだよ!」
そんな押し問答を繰り広げていた時、刻星が口を開いた。
「海、一旦中に入ってもらったらどうだろうか?このまま此処で話していても切りがない事だし⋯どうかな海?」
この言葉にいち早く反応したのが晴龍だった。
「僕も賛成さ。刻星さんもこお言っているし入ってもいいよね! 海君?」
言葉の最初は足を挟まれていることに対して痛そうな声を出していた。
だが言葉の最後に俺の名前を呼んだ時には口元は笑っていたのに対し目が笑っていなかったのは気の所為ではないだろ。
「わ〜ったよ。入るならとっとと入れ」
刻星が晴龍の味方をしたことで俺がゴネても結局刻星に言葉で負かされるのが目に見えているので俺が折れるのが先決かと思ったまでである。
「じゃあ、お邪魔しま〜す」
そんなこんなで久々に刻星と二人っきりのところを邪魔される形で親友の龍宮院 晴龍を不本意ながら自宅に招くことになった。




