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7月の始め、蝉が鳴く初夏。
クーラーの効いた教室で俺と風木先生は向かい合っていた。
初夏と言えど夏は夏、やはり登校する際は汗ばみカッターシャツが肌に張り付いた。そんな中、俺と先生は2者面談を行おうとしていた。
普通なら保護者を交えた三者面談になるのだが俺は保護者と言える家族が全員死んでいるので俺と先生の二者面談という事になっている。
「本倉お前が5月にした事、俺は忘れないからな〜」
面談早々に恨めしげに言われた言葉に俺は苦笑いをするしかなった。
風木先生が言っている5月にした事とは、刻星と俺の同性が明るみに出た時に学校の皆がいるところで先生に詳しく教えろと迫られたことだ。
咄嗟に俺は先生も会ったことがあると明かし俺から先生に注目が集まり先生は生徒・教職員から説明を強要されていた。と言っても女性の人が多かったが⋯
「それはそうと面談しましょ!いやー待ちどおしいなー」
無理のある話のすり替えに先生は諦めたのか本題の話に移ってくれた。
「これで殆どの連絡しておく事は終わったが、本倉進路は決まっているのか?お前の成績ならいい大学も入れると思うぞ」
進路自体は冒険書になるつもりだと答えたら先生の眉はハの字になった。
「冒険者になりたいのか?先生はあまり勧めたくないな。毎年本倉と同じ冒険者になると言う生徒はいるがその9割は半年として持たない。何故かはその顔からして分かっているようだな」
先生は俺の表情を見て断言した。
「なら聞くが本倉は冒険者になって何がしたいんだ?
本倉のご家族の事は俺も聞いているからこそ分からない。こんな言い方は良くないがお前のご家族が経営していた老舗旅館旅ノ倉の土地と相続金がお前にはある。お前1人働かなくってもいいぐらいのお金があるともっぱらの噂だ。それなのになんで危険な冒険者になりたい」
確かに先生の言っていることは全て事実だしなんなら今は刻星が得た収入の半分近く家に入れているのでことさら財政的に困窮していない。
そんな中、危険の伴う冒険者になりたいのは何故なのか?
「⋯⋯先生、冒険者になってしたいことは自分でも分からないんです。でも冒険者になりたいのは多分刻星を一人ぼっちにしたくないからだと思います」
今俺が導ける回答がこれしかなかった。
「したいことは自分でも分からないけどなりたい理由はある。それは鬼貴子を一人ぼっちにしたくないからか〜」
駄目なのかと思い始め今の言葉を撤回しようとした時に先生は「ま、やるだけやってみたら良いよ」と言ってくれた。
「だめとか言われると思いました」
「う〜ん教師としては言うべきなんだが俺が言っても聞かないだろお前」
読まれていた事に衝撃を受けていると先生は話しを続けた。
「やるだけして成功するも良し・失敗するも良しそれは本倉お前次第だ。
だがな何かやらかしても毎度誰かが助けてくれると思うな。自分が撒いた種は自分で拾え、拾えないのにいっちょ前に高望みするな。まずは近場のものからだ良いな」
「はい!」
先生からの言葉を受けより俺の中の決意が固くなった




