閑話①
1ヶ月前 Sランク冒険者の邸宅での出来事。
「華陽、貴方がこのパーティーのリーダーだからあの時私たちは貴方に従ったわ」
サブリーダーの花田癒理にはいつものおっとりとした雰囲気はなく、リーダーの山岸華陽を責める様な怒りを露わにしていた。
「あそこでもっと問い詰めなかったの?もっと言うなら殺さなかったの?
刻ちゃんがいてもあの本倉海を殺すことぐらい私たちには出来たはずよ」
周りの4人も同意だと言いたげだった。
ソファーに腰掛けて癒理を見つめて皆の不満に答えた。
「あの場で彼を殺すのは出来たでしょうね」
淡々と言われた事に癒理は「何故!」と言う前に華陽が手をかざし止めた。
「あそこで彼を殺せば刻ちゃんが私たちを殺すわ。これは私の確信よ。
そこで終わればいいけど周りの住民も道連れにされたらどうするの?刻ちゃんは私たちに隠している力があるのは分かっているわよね」
「な、なら問い詰める事はすればよかったんじゃないの?」
癒理も他の4人も分かりだしていることだったが納得がいかないという様に華陽に食い下がる。
「問い詰めても話さないわよ。それに夏っちゃんが指摘した時に彼、喉を鳴らしたのは覚えているわよね。あんな自然で不自然だったのを不審がらない訳がないもの。
つまり彼は目を覚ましたときから私たちを怖がっていなかった事になると言いたいの」
自分たちも気付いていた事だったがやはりそうだったかと再確認させられた。
「一旦この話は終わり。
それと霧ちゃん本倉海の身辺を秘めつ裏に調べて。勿論刻ちゃんにバレないようね。お願いね」
そお言い話しを終わらした。
その1週間後に刻星にバレてしまい本倉海本人に知るところになるが冒険者パーティー《流星》メンバーは知るよしもないところである。




