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刻星が発した言葉に衝撃を隠せないでいる俺に刻星は続けた。
「海は慰めてもらえると思った?共感してもらえると思った?海の抱いた思いは危険な思想なんだ」
淡々とした言葉の刃が飛んでくる。
刻星には言って欲しくなかった。言われたかったのは確かに慰めや共感だったからだ。
刻星の容赦のない言葉が頭に繰り返し反響している様だった。 そんな時、刻星の口が開き俺に選択を提示した。
「そんな海の思想だからこそ強者になれる」
刻星の言っていることは最初分からなかった。
顔から手を離し俺を見る刻星のオッドアイには驚きなのか困惑なのか表現しずらい俺の顔が映り込んでいた。
「海は強者の殆どが持っていて一般人が持っていないモノってなんだと思う」
急な質問に俺は即答出来なかった。「才能」と一言答える事しか出来なかった。
「確かにそれもある。
でもね強者は一般人と確かに違う モノ を持っているんだ。
それはね異質さと言われるものだったり異常性とも言われるものなんだ」
刻星は言外に強者にあるのは俺の様な異質さだと言っているのかと思った。
「もちろんそんな異常性だけで強者に成れるものではないけども、海にはその素質があると思うよ」
そこまで言われ何故異常性が強者が持っているのか、持っていることで素質があることになるのかと疑問に思った。
刻星は俺の疑問を分かっているかの様に説明をしだした。
「 強者 僕のケースで説明すると、冒険者は素材の採取や町の雑務も行うけど一番が魔物を殺して街を守り・殺した魔物の素材を採取、詰まるところ死体を解体したりする」
刻星は一呼吸おいて。
「普通の者なら耐えらないで別の道に行く。でも異常性があるとそんな場面でも精神的にまだ幾分かましなんだ。
でも異常性があってもなくても冒険者のその一面に耐えられずに辞めていく人もいたぐらいだし過酷なのは確かだけど、海なら大丈夫だよ」
どこから来るのか分からないその自信に俺はまんまと落ちて、気持ちが楽になっていた。
「ふぅー、刻星ありがと。まだ俺自身への恐怖はなくなっていないけど今は大丈夫」
刻星のおかげでなんとか持ち直した俺は刻星に礼を言いお風呂に入ってくると伝えリビングから離れようとした時、「ならお礼に一緒にお風呂に入ろ」と久しぶりの変態的な事を言い出した。
俺は歩き出した足を止め片手で目頭を強く押さえて・・・
「刻星お前を見直していたんだ俺は、でもな違った。
お前は救いようのない変態吸血鬼だ!それと風呂は俺1人で入る!」
と怒声をあびせてリビングから出て来た。
でも今日はほんの少しお礼をしたいと思いながらお風呂場に向かう俺だった。




