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家に着き、無言の夕飯を食べた。その後、俺はリビングのソファーに座って電源が入っていないテレビをただ眺めていた。
刻星もテレビに視線を向けてはいるがテレビに興味を示しているということではないのは明らかだった。
リビングには重苦しい空気が停滞していた。
そんな停滞した空気の中、口を開いたのは俺だった。
「刻星は冒険者になって魔物を殺した時、どんな事を思った」
俺の言葉に込められた真意を察したのだろうが何も言わず俺の質問に答えた。
「僕は元々が魔物だった。だからか魔物を殺しても特段思うことはなかった。
何か1つ思ったことはこれが当たり前、殺さないと殺されるだから殺した。
それが僕の殺した時の思いだ」
刻星の言葉は正しい、正しいからこそ俺の抱いた思いの異質さが分かる様な気がする。
「⋯俺は、魔物を殺した時に思ったのは汚れるだった。
刻星みたいな思いでもなければ、皆みたいに恐怖や命を奪う忌避感でもなかった。
だから…だからこそ俺は俺が怖いんだ。命を奪ったのにも汚れるという思いしか出てこなかったのが!」
刻星に胸の内を話したことで風木先生から言われた時に感じた恐怖がまた湧いてきた。
「もお俺はどんな者でも殺すことを躊躇わずに行うのか?
なぁ刻星俺は殺すことは対処法の1つだと思っている。この思いが異質だと分かっているからこそ俺は分からないんだ俺が本当の俺なのか!」
俺は元々感情の起伏が激しかった。母からはこれが貴方の長所であり短所でもあると言われた。
俺の障害は家族が死んだ事で何も感じなかった。
無感情・無反応それが家族が死んでからの俺だった。真面目で少しオチャラケた少年それを演じてきた。
刻星と出会ってからは刻星の前だけは素の自分を出していた。それでもこんなにも俺が気持ちをキチンとした言葉にしたのは初めての事だったと思う。
その為か感情がどんどんと溢れて今にも爆発してしまいそうだった。
そんな感情を背中を丸め肘を膝に乗せて手で頭を抱えなんとか感情を抑えようとしていた。
「海こんな時、他の人は慰めるんだろね」
刻星はそう言うと立ち上がり俺の前で跪き俺の顔に手を添え目線を合わした。
「海の思いは異質だ」
言われたのは慰めでも共感でもなく・・・ただ俺の異質さを肯定するものだった。




