㉒
山岸さんに[流星]の皆さんと刻星をリビングに呼んでもらった。刻星は目隠しをされ手首を光の輪っかにより拘束されていた。
刻星と話したかったが今は先に雰囲気の原因について話して欲しいと言われ心に込み上げてくる感情を抑え話し出すしかなかった。
「・・山岸さん達が仰る僕の雰囲気の原因は恐らく僕のスキル無学無練無上の効果によるものだと思います」
無学無練無上というスキル名を聞き刻星と俺を除く6名は顔を見合わせるもの、考えるもの、俺を目詰めるものといろいろと反応が分かれていた。
「無学無練無上の効果は
1常時発動型の向上補正 2気持ちにより向上補正が増す、という効果です。
分かりやすく説明すると今回でいうと刀の素振りの上達が他の人より早いというものです。
そして 2 の効果は気持ち(早く上手くなりたい)等思うことにより上達の早さが増すという効果です」
俺の説明を聞きスキルの効果をなんとなく理解した様だが、岩山さんから質問された。
「本倉君、君のスキルに関してはわかった。
しかしそのスキルは雰囲気についての説明にはなっていない。君はまだ私たちに話していない事がある、違うか?」
岩山さんの指摘に俺は少し喉を鳴らした。不自然ではなく自然体に・・・
「・・・はい、このスキルでもう一つ鍛錬しました。」
「それはなんだ」
岩山さんの追及に押され答えていく。
「魔力操作です。厳密にいうなら魔力操作をしながら魔力量と魔力濃度の向上をしていました」
俺の告白にここにいる者たちがそれぞれ違ったリアクションを見せた。
一番多かったのは驚愕と納得がいったというリアクションだった。
「一様確認するは、本倉君今の話に嘘はないのよね」
山岸さんからの確認に俺は肯定した。
「分かったは。癒理刻ちゃんの拘束を解いてあげて」
そう言われた花田さんは刻星の拘束を解いた。
「海!無事なのかい、怪我とかしていないかい?」と刻星が飛びついてきて俺の体をまさぐりだした。いつもなら一発殴って宥めるところだが今回は好きにさせた。
「本倉海さん、刻ちゃん今回の無礼深くお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」
突然パーティー[流星]の人たちは頭を深く下げ謝罪した。
「みんな、それで許され」
「謝罪を受け入れます。なので頭を上げてください」
刻星の言葉を遮り俺は謝罪を受け入れた。
刻星は何か言いたげだったが俺の言葉なので今回は引いてくれた。
皆さんが頭を上げたのを見計らい今回の件に対しての要求をした。「ですが無償でという訳にはいきません。2つ程要求させてもらいます」
山岸は当たり前だと言い要求の内容について耳を傾けた。
「1つ目、指南の話はなかったことにさせてください。
2つ目、刻星次第ですがこれからも刻星をパーティーメンバーとしてよろしくお願いいたします。
この2点です。飲んでくれますか?」
それを聞いた皆さんは驚いていた。山岸さんはそれでいいのかと問われたが頑なな俺の気持ちに納得したようでこの話は終わりを迎えた。
今回は帰るという事で俺と刻星で玄関まで見送りをして、今俺は自分のベットにダイブした。
「海あれでいいのかい?」
ベット横の壁に、もたれた体勢のまま俺に問うてきた。
「刻星の言いたいことはわかるがあれでいい。
それに嘘は言っていないけど本当の事も言っていないしな」
そう答えると刻星の雰囲気が王子様というモノからガラリと狂気じみた雰囲気に変わった。
「流星はいい人だけど海は⋯信用する気がないんだね」
うつ伏せに寝ていた体を仰向けに動かし刻星を半眼で睨み・・・
「文句あるか」と問うと「いや、ないさ」といつもの刻星に戻り答えた。




