支援物資防衛戦前夜 (1)
「ゴブリン退治を我々が引き受けるかどうか返事をするのに一ヶ月近くも猶予をいただけるなんて……」
「ただのゴブリン退治じゃないんじゃない?エイムもまた疑ってるけど、僕もそんな気がするよ。」
「朝ご飯できたよ!今日は、昨日、市場で安売りしていたフルーツいっぱい挟んだパンとサラダだよ!」
「美味しそう!エイム、朝ご飯だよ。そろそろ縦になりなよ。」
朝からベッドを揺らすナディの腰使いと蕩けきった甘い嬌声でエイムで目を覚ました。そこから「おはよう」と言ったレオンが左から、それが終わると、待ちきれないとばかりに右側からリアがすり寄ってキスを求めてきた。それらを順に愉しんでいる間に、ひときわナディの嬌声が大きくなって、そのまま倒れ込んできたナディにも求められて、また熱いキスを貪った。
「朝ご飯の用意してくるね♡」
名残惜しそうに唇を離して、とびっきり熱い吐息を残してナディが部屋をゆっくりと出て行くと、寝汗なのか熱くなった身体から滲み出したのか、濡れた肌を艶めかせたレオンが入れ替わるようにエイムの上に跨がった。
「まだ朝ご飯まで時間あるからさ。今度は僕と朝の運動♡」
「ずるい、レオン様。私も、もう我慢できません!」
そう言うとレオンを後ろから抱きしめて、その唇を奪った。レオンはそれでもエイムの上で運動を止めず、リアに口を塞がれて嬌声も溢すことができずに、身体の中から溢れ出すことができずに、どんどん熱くなる感覚に満たされて、あっという間に身体が痙攣させるところまで行き着いてしまった。
ひとしきり身体を駆け巡る快感に身を震わせたレオンを見て、艶やかな笑みを浮かべながら、レオンをゆっくりベッドに寝かせたリアが、その妖艶さを感じる笑みを今度はエイムに向けて、手を伸ばして起こしたエイムの目の前で、自分が仰向けになって、脚を抱えて大きく開いて誘う。
「さ、旦那様。リアに、朝一番の旦那様のエキスの残り全部を注いでくださいませ♡」
寝起きから完全に理性を奪われたエイムは、何度も嬌声を漏らして、何度も激しくビクつかせるリアの身体に遠慮なくたっぷりと注ぎ込んだ。
そんな朝からの激しすぎる運動で、すっきり枯れていたエイムだったが、レオンに言われて間もなく、ナディの作ってくれた朝ご飯の匂いに誘われて、本能的に身体を起こしたと思うと一目散にパンに食らいついた。
「もうちょっとゆっくり食べなよ。身体に良くないよ。はい、お水。」
そう言ってレオンが差し出してくれた水も一気に飲み干した。レモンが搾ってあったその水は、エイムの身体に一気に染みわたった。
「ギルド長から呼び出されているのは明日ですし、今日はまだゆっくりできるわけですから……」
そんなリアの言葉を聞きながら、エイムは二つ目のパンに手を伸ばした。クリームチーズを混ぜたたっぷりの生クリームに和えられた何種類もの瑞々しいフルーツが挟んであって、その水分と糖分を欲する身体に栄養共々吸い込まれていくようだった。
あの盗賊騒ぎからすでに七日が過ぎていた。
念のため、あの後も三日間、宿に滞在して、その間、ユダに再度、夜の見張りをお願いしたが、他に不法侵入してくる輩はなく、四日目に宿を引き払い、この屋敷に引っ越した。
その日に、予定より早めて、半年に一度の清掃を、シィルに頼んで実施してもらった。ナディたちが要求したベッドも、その日に到着した。それにはシィルからの伝言が添えてあった。
「新品じゃないが、伝手で安く手に入れたものを綺麗に磨き上げて、マットは新品にしてある。あたしのポケットマネーではこれが限界。これで我慢してくんな。」
煌びやかと言うほどではないが、品のある装飾の施されたそのベッドを二階の一番大きな部屋に、もとあった調度品を別の部屋に片付けたり、処分したり避けたりして据え付けてもらうと、元はどんな目的で使われていた部屋かはわからないが、そこは誰がどう見ても立派な寝室以外には見えない部屋となった。そこに四人で使うのにちょうどいいサイズのテーブルセットを選んで、それも据えつけた。用意して持って上がってくることが面倒な食事は厨房で取る以外の夫婦四人の生活は、この部屋で完結するように、ほぼこの三日で収束するようになった。
「明日、ギルドに行く前に今日は全員で話し合いだ。」
「ふーん。いいけど、何の話しするの?」
すでに三つ目のパンに取りかかっていたエイムに、ナディがそんな相づちを打ちながら二杯目の水を用意してくれた。
その三つ目も食べ終わって、少し酸味の強いドレッシングに、蒸した鶏のささみが添えられているサラダを少しずつ摘まみながら二杯目の水をゆっくり飲み干した。
「その前に、おまえら服を着ろ!」
エイムにそう言われて、ナディは着ていたエプロンを見ながら、その袖を摘まんだ。裸にエプロン一枚では服を着てると言わない。
パンティ一枚の姿のレオンとリアは、互いに顔を見合わせて少しだけ頬を赤くして笑みを溢した。
宿で待機していたときに、リアも新市街地で、淡い萌葱色のネグリジェを買い、この屋敷に移ってきた次の日から、三人のネグリジェ以外の服を着ているところを見ていない。
そのおかげでレビルオンになるまでもなく、至るところでライフ・ブーストしまくりで、そろそろこの退廃的すぎる三日間を反省し始めたエイムも、まだパンツ一枚だった。




