↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔装変身 レビルオン  作者: 川端 大夢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/71

二つのギルド (1)

 翌日、やっとエイムたちは四人揃って、街の中心部にある新しいギルドの前までたどり着いた。


「おい、ユダ。この周辺の地図を作れるか?まずはここに来るのに、市場を通らないルートを覚えたい。」


「お安いご用です。エイム様。」


 昨夜は、旅の疲れが溜まった身体に、お腹いっぱいになって帰ってきたので、誰からともなくベットに横になると寝落ちてしまったので、朝早く目が覚めたおかげで、早々と身支度を済ませて宿を出てギルドに向かったのだが、朝食を取るために寄った市場で、また目移りしまっくて、朝からデザートまで食べた後も、市場を眺め回って、結局、ギルドにたどり着いたのは、ずいぶん日が高くなってからになってしまった。

 ギルドに仕事を探し行くたびに、これでは冒険者としての活動に支障を来してしまう。エイムは軽い危機感を覚えて、そうユダに指示した。


「ひろーい!依頼が張ってある掲示板、あんなに大きい!」


「え?!あれ、シルバー以下の依頼だけであれだけあるってこと?す、すごい!」


 一番最後に、ギルドの中に入ったエイムにも、入り口にいた案内嬢が、ゴールドランク以上の冒険者の受付は二階のフロアに、別にあることを教えてくれた。

 ナディの言うように、入って一階の右側が依頼の受付窓口が並んでおり、左側の壁一面が巨大な掲示板になっており、レオンの言うように、そこに所狭しと、これまで立ち寄ったギルドとは桁違いの数の依頼票が張ってあった。


「こんな大都市の近くでもゴブリンはいるんだね。」


 早速、掲示板の左端から眺め始めたレオンが言うように、さすがに街を襲ってくることはなくとも、ここに着くまでも街道沿いの村の近くにいたわけだし、群れとはぐれたゴブリンなど大陸中、どこにでもいるのだろう。


「リオキリルへの支援物資の輸送関連の依頼もたくさんありますね。」


 すでにリアがユダに指示してどのような依頼があるのかチェックさせていた。


「戦闘にならなさそうなのはいいが……折角、司教様にすがりついてここまで連れてきてもらったのに、依頼とは言え、すぐに舞い戻るのもなぁ……」


 一通り掲示板を見て終えて、フロアに用意されている打ち合わせ用のテーブルを確保して、エイムたちは四人で議論を始めた。


「またここに戻ってこれる依頼だったらいいんじゃない?一度来て、往き道も知ってるし、リオキリルもギルドの周辺ならわかるしね。」


 ナディの言うことにも一理ある。


「まずは肩慣らしというか、草刈りとゴブリン退治の組み合わせで、コツコツと経験を積むのがいいんじゃないかな?」


 レオンは前回の一戦でずいぶん自信が付いたらしい。とは言っても、まだまだノービスを三人も抱えているパーティーでは、それが一番、無難だろう。


「戦闘を避けるならナディ様の言うように、リオキリルへの支援物資の輸送というのがいいと思います。私もリオキリルの復興には手を貸したいのはやまやまですし……しかし、私たちに足りないのは戦闘に限らず、冒険者としての経験ですので、レオン様の言うように、まずは経験をコツコツ積み重ねてから……というのに、どちらかというと私は賛成です。」


 リアの言うことはほぼエイムの意見に合致していた。

 ただこのハーゲンで基盤を築くなら、都会の物価を考えるとそうのんびりとしていられそうもない。


「リオキリルへの物資輸送も戦闘を避けられないよ。」


 長考に入ろうとしたエイムの後ろから、いきなり女の声がした。振り返ると、そのテーブルには外套のフードを深くかぶった声の主が、たった一人で座っていた。

 エイムたちの視線を集めたことを確認して、その女は立ち上がって、エイムたちのテーブルにゆっくりと近寄ってきた。


「興味あるかい?だったら、私についてきな。西のギルドまで案内してあげるよ。」


「どういう親切だい?そりゃ?」


 エイムがそう牽制しても、不穏な圧は帰ってこなかった。


「西のギルドの回し者だと思ってくれりゃあいい。それに、女三人も連れて冒険者やってんなら、登録証の色以上のことができるんじゃないのかい?坊やは?」


 エイムは背中の方から圧を感じた。おそらくかんに障ったレオンが苛立っているのではないかと思ったが、振り返りはしなかった。

 値踏みされてる今この時に、この安い挑発を買ったら、ここで話は終わりだろう。


「坊やと呼ばれた経験があまりないんでね。エイムと呼んでくれないか?」


 そんなエイムの返しにも、女の反応はまだ薄い。


「あんたも名乗ってくれたら、散歩がてら付いてってもいい。まだハーゲンに着いたばっかりで不慣れでね。もう一方のギルドの場所も知らないし、ただの親切なら受けておきたい。」


 応答は早くはなかった。


「シィル……とでも呼んどくれ。と言って、信じるかい?ま、信じる信じないかは自由さね。」


 シィルと名乗った女は、そう言うと振り返って、出入り口に向かってゆっくり歩き始めた。


「行こう!」


 シィルの後ろ姿を見ていたエイムが振り返ると、ナディはシィルの物言いに不服を感じてむすっとしていたが、最初に目が合ったレオンは、エイムに即答した。そう即断するレオンを見て、リアは驚いて、一瞬、きょとんとした顔になったが、それで不服を口にすることはなかった。


「じゃあ、行くぞ。」


 四人で一斉に立ち上がり、一緒にシィルの後を追ってギルドを出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。