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魔装変身 レビルオン  作者: 川端 大夢


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アンナ出陣 (2)

 馬に乗ったエイムが前で先導し、アンナ司教とピレスノアからお供している女性の助祭が乗った馬車を、パフスからお供しているキリルの男司祭が御し、後方はレオンが後ろにリアを乗せて、パフスに向けて西へ西へと進んでいった。

 護衛などと大口を叩いてみたものの、実際のところ、誰一人、リオキリルより西に行ったことことがなかったエイムたち四人ではあるのだが、キリルを東西に貫く大街道をまっすぐ進んでいくだけなので、エイムが先導しても道に迷うこともない。

 おまけに人通りも多いので、昼間なら無法者が襲ってくることもない。ましてや、馬車には教会の旗をなびかせているので、わざわざそれを狙ってくる不埒ものなどいようはずもない。

 リオキリルから出発して、一日目は、あの災害のために荒れていていたところも目立った街道だが、それを過ぎると、毎日、天気も良く、季節的に日中はぽかぽかしていて、絶好の旅日よりだった。


「こら!そこ!いちゃいちゃして、気を抜かない!護衛中だよ!前向いて手綱握ってないと危ないよ!」


 今日は、日差しが強かったので、アンナ司教の乗る馬車に同乗させてもらったナディ隊長の叱咤が、レオンとリアに飛んだ。


「いちゃいちゃなんてしてないよ!大丈夫だよ!」


「まったく、もう!」


「ふふ、エイムさんのお嫁さん同士、みんなさん仲がよろしいのね。」


「そりゃもうお兄ちゃんが、みんな平等にいっぱい愛してくれるので。」


「まあ。」


 照れるそぶりも見せず、平然とそう言い放つナディに、それを聞いたアンナ司教の方が頬を赤らめた。

 ナディが臆面もなくのろけているとは、露も知らないエイムは、こぎみよく揺れる馬上で、暖かい日差しに癒やされていた。


 天候にも恵まれ、旅程も順調。朝昼晩、教会や、ましてや道中での食事とは思えないナディが腕によりをかけた料理が彩り、教会関係者の移動にしては贅沢すぎると思えるほどの順調だった旅は、パフスの領都 ハーゲンまであと二日ほどと言うところで、初めてのトラブルに見舞われた。


「車輪の修理に丸一日はかかるそうです。」


 リオキリルから出発して、破損が目立った道をなんとか抜けたあと、馬車の車輪からし始めた異音は徐々に大きくなり、ついに八日目、断末魔の音を上げて割れた。

 幸い乗っていたアンナ司教が怪我をするような惨事にはならなかったが、仕方なく馬車を街道の路肩のよけて、近くの村に急遽、宿泊することになった。


「僕たちは野営でかまいませんよ。」


「教会はありませんでしたが、村には宿があって、部屋も空いているそうですし、大した荷も積んでませんので、馬車のことは気にしていただかなくて大丈夫ですよ。」


 ナディ、リアの意見も聞いてからレオンは野営を申し出たのだが、教会ではなく、宿屋に泊まれると聞いて、すぐに撤回した。


「ただ宿はそんなに広いところではありませんが、ご夫婦ですから一部屋かまいませんよね?」


 そう言って案内された部屋には広くはあったがベッドが二つしかなかった。その部屋を見た瞬間、リアはレオンの腕を取って、エイムの腕はナディに取られていた。

 もうかれこれ八日間、ずっと教会の宿舎で寝泊まりさせてもらって、さすがにそこで淫行に及ぶことは罰当たりと思っていたナディとリアは、まだ夕食も終わっていないのにすでに吐息を熱くしていた。


「私を満足させてくれたらお姉ちゃんでも、リアさんでも奪いに行っていいよ。」


「旦那様はナディ様に取られてしまいました。ですから、レオン様はまず私と……ね♡」


 互いに熱い誘惑を受けて顔を見合わせたエイムとレオンだが、二人ともまんざらではなく、リオキリルを出発して以来の甘い夜になるかと思って部屋に戻って、すぐドアをノックする音が聞こえた。

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