蜜月。
再びこの胸に取り戻した。
もうあなたも決心した。
後は前に進むだけ。
確かに大変な道だけど。そう、茨の道だ。
だけど今はしばし蜜月を楽しみたい。
背中に感じるあなたの頬の温かさ。
こんな幸せがあっていいのかな。
そんな俺の頭の片隅にふと詞とメロディーが浮かんできた。
俺はベッドから飛び起き、仕事部屋に向かった。
頭に浮かんだものを早く形にしたい。
俺は夢中でギターを鳴らしていた。
どれぐらい時間が経っただろう、あなたは?
あなたは、俺が仕事部屋にこもるといつもリビングのソファーで音を立てないように、俺の邪魔をしないようにじっとしている。
今日もそうだった。
突然ベッドにあなたを残し、仕事部屋にこもってしまった俺に文句を言うでもなく。微笑んでいた。
素敵な曲ができたのね。楽しみだわ。
これはあなたのための子守唄や。
俺と離れていても、安らかに眠られるように。
ありがとうと言いながら、俺に縋ってきたあなたの柔らかい肌からカシスの香りが漂っていた。
あなたの肩から顔を上げた俺は、
照れ笑いをしたつもりが、どうしてか泣いていた。
そんな俺を、あなたは優しく胸に抱いてくれた。
辛く苦しい恋。
こうして逢っていれば、勿論、幸せだが、
逢えない日が続くと、この胸には、嫉妬が渦巻く。
今まで、遊びの恋を何度となく繰り返してきたけど、こんな想いをする日が来るとは、思わなかった。
ただ一人の人を想う日々。
あなた以外、何も欲しくない。




