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禁忌index コトリバコの記録  作者: 藍沢 理


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第20話 月刊ムーン 2005年7月号

特集:封印された日本の怪奇遺産 ~『神鳴り様』信仰の闇~


日本各地には、様々な神や精霊、妖怪などが伝えられている。

その多くは、地域の人々の生活に根ざし、信仰の対象として、あるいは子供への戒めとして、大切に語り継がれてきた。

しかし、中には表立って語られることのない、恐ろしい存在もいる。

人々の記憶から消し去られ、歴史の闇に葬り去られようとしている『何か』だ……。


今回、我々『月刊ムーン』取材班は、その中でも特に異質な『神鳴り様』信仰について、徹底的な現地取材を敢行した。

これは、あなたの知らない、日本の闇の歴史である。

心の準備はよろしいだろうか?



・神鳴り様とは?

福岡県██村――人口わずか数百人の、山深いこの村には、古くから奇妙な伝承がある。

それが、『神鳴り様』である。


地元住民の間では、『神鳴り様』は、山の神、雷神、龍神など、様々な名前で呼ばれている。

共通しているのは、『神鳴り様』が強大な力を持つと信じられており、古くから畏怖の対象とされてきたことだ。

普段、『神鳴り様』は、村の奥にある『禁足地』と呼ばれる山中に潜んでいるという。

しかし、時折、人間の前に姿を現すことがあるらしい。


その姿は、目撃者によって異なる。

ある者は、巨大な蛇のような姿だったと言い、ある者は、光り輝く玉だったと言う。

また、黒い人影だったという証言もある。

共通しているのは、『神鳴り様』に遭遇した者は、その後、不幸に見舞われる、精神に異常をきたす、行方不明になる、などという末路を辿るということだ。



・神鳴り様信仰

██村では、古くから『神鳴り様』を鎮めるための儀式が行われてきた。

その内容は時代によって変化しているが、基本的には、生贄を捧げることが中心である。

我々は██村立図書館にて、明治時代の文献を発見した。それによれば、かつては人間が生贄にされることもあったという。

しかし、近年では、鶏や牛などの動物が捧げられているようだ。


儀式は、村の長老や、特定の家系に属する人々によって、秘密裏に行われてきた。

近年では、表立った儀式は行われていないとされているが、真相は定かではない。

我々の取材に対し、村人たちは一様に口が重く、多くを語ろうとしなかった。



・過去の事件

1995年、██村で若い女性が山中で行方不明になる事件が発生した。

女性は、行方不明になる直前、『神鳴り様に呼ばれた』と話していたという。

警察は、事件性はないと判断し、捜査を打ち切った。

しかし、地元住民の間では、『神鳴り様の祟りだ』と噂された。


2000年には村の近くで、カルト教団『神光会』が摘発されるという事件が起きた。

教団は、『神鳴り様』を崇拝し、独自の儀式を行っていた。

教祖は、『自分は神鳴り様の声を聞くことができる』と主張していたという。

警察の捜査で、教団の施設からは、大量の人骨が発見された。

教祖は、逮捕直後に自殺した。



・現地取材

我々取材班は、██村を訪れ、地元住民に話を聞こうと試みた。

しかし、村人たちは皆、一様に口が重く、よそ者に対して強い警戒心を抱いているようだった。

『神鳴り様? そげんこつは知らん』『そげな話、聞いたことなかばい』

ほとんどの村人は、そう言って、そそくさと立ち去ってしまった。


しかし、諦めずに取材を続ける中で、我々は、ある一人の老人と接触することに成功した。

村の長老であるというその老人は、最初は口を閉ざしていたが、我々の熱意に負けたのか、徐々に重い口を開き始めた。


『神鳴り様の話か……』

老人は、遠い過去を思い出すように、ゆっくりと語り始めた。

『あれは、人間が作り出したものじゃ。元々は、この土地に祀られとった山の神様じゃった。じゃが、いつの頃からか、人々は神様を恐れ、憎み、負の感情をぶつけるようになった。その負の感情が、神様を歪め、別のモノに変えてしまったんじゃ……』


老人はそれ以上詳しく語ろうとはしなかった。

その言葉の端々から、我々は『神鳴り様』の恐ろしい正体の一端を垣間見たような気がした。


『神鳴り様』は、人間の負の感情を糧に成長する。

そして、『神鳴り様の力を利用しようとする者が、必ず現れる』老人は、そう警告した。



・結論

『神鳴り様』信仰は、単なる迷信や都市伝説ではない。

それは、現代社会にも深く根を下ろし、人々の心を蝕んでいる。

『神鳴り様』の正体は、いまだ不明だが、その力が本物であることは、過去の事件や、今回の取材で明らかになった。


もし、あなたが『神鳴り様』の存在を感じたら、すぐにその場から離れなさい。

そして、決して関わらないことだ。

さもないと……あなたも、『神鳴り様』の犠牲者になるかもしれない。


(参考文献)

・██村史

・福岡県警察史

・月刊ムーン過去記事


(写真キャプション)


朽ち果てた鳥居。██村『禁足地』入り口付近。

撮影:月刊ムーン取材班


山中で発見された、謎の石積み。儀式に使われたものか?

撮影:月刊ムーン取材班


古文書に描かれた『神鳴り様』の姿。

提供:██村古文書保存会


月刊ムーン 2005年7月号

無断転載を禁じます


【警告】本誌に掲載された場所への無許可の立ち入りは、危険を伴う可能性があります。取材は自己責任でお願いします。


日付:2005年7月(雑誌発売日)

媒体:月刊ムーン 2005年7月号 


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