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COLORE    作者: Foglio
52/53

Rosso Capitolo 赤の章 Uomo Il tuo suono アナタノオト 

Rosso Capitolo Uomo Il tuo suono Ⅰ





「宙也 今夜はちょっと付き合えよ」


定時に上野が宙也のデスクにやってきた。


『どうやら山浦からレースの件で話が有ったな』


宙也は思った。


「分かりました もう仕事も片付くと思いますので」


宙也は会社(うえの)がスポンサーになってもらえるなら、

酒の席に付き合う(この)くらいのことはサービスしてもいい立場にあると思った。


「ぢゃあ、おもてで待ってる」


そういうと、上野は先に出ていった。恐ろしく気が早かった。

宙也は机の上の散らばっているものを片付けて、

大急ぎで帰り支度をすると、主任の清水に、「先に失礼する」と言った。


「統括に招ばれたのですか?」


「そう たまには付き合わないと」


「お疲れ様です」


そんな清水の言葉をあとにオフィスを出た。


「お待たせしました」


「早かったな 電話に捕まらなかったようだな」


上野はそう言うと驛に向かって歩いて行った。

付いていくと驛の近くの飲食店街の狭い通りへ入り、真ん中頃にある店へ入って行った。

如何にも上野好みの店構えだった。

おでんの鍋を囲むようにして席が造られてあり、上野は挨拶する女将に向かって、「座敷使うよ」と言って突き当たりの上がり口で靴を脱いだ。宙也もそのあとに随った。

女将がビールと枝豆を持って入ってきた。

テーブルをはさんで座ると、上野がグラスを持つと女将が上野にビールを注いで、次に宙也がグラスを持つとビールを注いだ。

立ち上がりながら、「いつものですか」と上野に言って厨房に戻っていった。

乾杯をして、上野は直ぐにグラスを空けたので、宙也はビールを注いだ。


「ホレ」


上野は宙也にグラスを空けろと催促した。

少しすると女将がおでんを盛った皿や焼豚を持ってきた。

女将が出ていくと上野がようやく口を開いた。


「山浦さんから聞いたけどレースに参戦するのか?」


「ハイ その予定です」


「アクリルを提供するのは問題ないよ。前にもなレーシングチームやラリーチームに提供したことがあってな···山浦さんにも話したけど」

そう言って彼の口から、宙也でも聞いたことのある有名チームの名前が2つ3つ上がった。

その中には石神の所属したチームが入っていた。


「山浦さんにも言っておいたけど、所属チームの資料を提出してもらい審議、それからスポンサーの稟議をするから···

まぁ、山浦さんが付いているから、そんなに心配はしてないけどな 彼女には伝えたのか?」


上野は雪華のことを言った


「イエ まだ話してはいません」


「どうして?」


「なんとなく、まだ話す時ぢゃあないと思って···

それと···」


言い淀んた。

宙也のなかでは本当にあの155でレースに参戦するのか?

そんな不安感が持ち上がっていた。


「それと···何だ?」


「いえ なんでもありません」


普段、上野と話をする時の宙也は、気心知れて軽口を叩くのだが···

雪華(ホシノ)の件もあるのだが····

何か、このレース参戦の件で上野に迷惑をかけそうな

予感が浮かんで来て歯切れが悪かった。


少し、不満そうに

上野はビールを一気に空けた。


意外というか···

余計なことはじめやがってと苦言を言われると思っていたが···山浦からの話だからか

アッサリとスポンサーの件の話は終わった。

それからはとりとめのない話をしてるうちに、

いつもの宙也に戻ったのを上野は満足して酒の席は終わった。







◆◆◆







数日後···

午前中の忙しい受注対応が終わり、午後のスケジュールを頭の中で整理していた。

内線が鳴った。


「ハイ 相沢です」


「相沢主査 上野統括部長がお呼びです」


統括付きの女性事務員からだった。


ーまったく、忙しいのに今度はなんだ····

あの上野(アル中ハイマー)は···


ハラの中で毒づいていた。


『コン·コン·コン』


統括部長室のドアをノックした


「相沢です お呼びでしょか?」


会社なので宙也とは言わなかった。


「入ってくれ」


上野の声が聞こえた。


「失礼します」


宙也が中に入ると、スーツ姿の山浦がソファに座っていた。


「山浦さん‼️」


「こんにちは 宙也くん 仕事中(ひるま)の宙也くんを初めて見てビックリしたよ スゴいね クールにこなしていてカッコイイよ。今度、若菜を連れて来るよ。若菜がよろこぶよ」


このところ藍や雪華の事(相談事)で若菜と距離が近くなっていた。

若菜が宙也を気に入って(可愛がって)いるのは分かっている。


山浦が他の若い女の子の店で飲んで、ミュルザンヌに来られない時が続く時に、若菜が山浦に怒って宙也を呼んでいる事が多くなっているのが分かっていた。

最初の頃は若菜のグチを黙って聞いていたが···

最近、若菜からフツーのヒトよりも濃いボディタッチも多くなってきている····

軽くは

「宙也君は可愛いから乗換ちゃおうかな」

なんて言っていたが

ミュルザンヌの客にも、指摘されることが多くなって、何処までがホンキなのか解らなくなって来ていた。そして···

客が帰って宙也しかいない時に、ベロベロに酔っぱらった若菜がとんでもないことを言って迫ってきた····


「決めた‼️アタシは若いのにうつつを抜かす山浦(ヲッサン)と別れてちゅーやと付き合う ちゅーやは歳上のオンナをメロメロにするモノ持っている。藍がホンキになるのが解る。生まれながらの歳上キラーだ オマエは···罪なオトコだよ」



酔っぱらっていたが目は違った。

そしてキスしてきただけではなくホンキで舌を入れてきた‼️

ベロちうかよ‼️

「触れ 宙也 アタシに藍が宙也に夢中になった様にしろよ‼️」

そう言って手を掴んで胸を触らせた

幸い其処で酔いつぶれて何もなかったかが···


「ヤレヤレ もう少し若菜さんを大切にしてあげてくださいね」

宙也はそう、山浦には言わなきゃと思っている



オマケにココは····職場である。

まして通彦に見られた日には、お堅い雪華が泣くのはもう解っている。

そして····

ソレこそ彼女の両親に呼び出されて····


まだ雪華とは身体の関係はないが···

親父から

キサマ ウチの雪華をなんだと思っているんだと迫られて


「ウチの可愛い娘がキサマに弄ばれた。御家の一大事だ‼️ハラを斬れ。ウチのムスメをキズモノにしやがって、命が惜しくば責任取れ。己が取らねばオレが首を斬る。其れが嫌なら打首獄門張付(一生閑職)にしてやる」


そう言って親父に

どっちを選んでも宙也には死刑宣告させられるのと同じことが目に見えている。

雪華は宙也を手に入れるために喜んで言うだろう。


『宙也さん、わたしと結婚すれば打首獄門張付(宙也!成敗)はお父さんに止めてとお願い出来ますと·····』


一方、若菜は···

『あら、アタシは構わないわよ。雪華と付き合っていても、山浦で慣れているから···ヒトのモノには····』


そう言うだろうよ·····


宙也には若菜の勢いは分かっているから···


『どっちにしても地獄やねん。まだ死にたくないやん‼️

ヤメテ 山浦さん。お願いだから···頼むから若菜さんを職場に連れて来ないで···』


コレが宙也のこころの叫びである‼️




今日は業務でトラブルもあって、特に忙しかったため山浦が来ていたことに気が付かなかった。


「宙也。午後のスケジュールは?」


上野が聞いて来た。


「営業からの見積依頼がほとんどです」


「分かった」


そう言って上野は受話器を取り内線で女性事務員に指示を出した。


「相沢主査は午後は私とお客様の打ち合わせに入るので、見積依頼等は各自でする様に営業部に伝えてくれ」


そう言って電話を切った。


「コレでよしと」


「大丈夫なのですか?」


宙也は聞いた。


「大丈夫だよ」


「ぢゃあ、いつもコノ調子でお願いします」


「バカタレ‼️オマエはオレをなんだと思っているんだ」


「アハハ 二人はホントいつも通りですね」


山浦が笑い出した。


「まぁ、とりあえず、昼だな」


そう言って上野は上着を着た。

宙也は一度デスクに戻った。


「午後は統括とお客様の打ち合わせに入るので、あとはヨロシク 電話は取り次がないでくださいね」


上着を着て、主任の清水に伝えた。

上野と山浦がオフィスの扉の前で待っていた。


「ぢゃあ 頼みます」


そう言って、上野達と外に出ていった。






◆◆◆




3人で昼食を取って、社に戻り、女性事務員にお茶を4つと伝えて会議室に入った。


『4つって誰だ?スポンサーの件だから役員でも来るのか?』


宙也は怪訝に思った。


上野は上座に座り、山浦と宙也は下座に座った。

するとノックが鳴り、「遅くなりました」と言って入ってきたのは···

雪華の兄

営業三課の課長 星野 通彦だった。


『あぁ、コノ上野(酔っぱらい)がぁ、やりやがったな』


宙也が懸念していた件が現実になった。

スポンサーにホシノを加わる事を恐れていたのだ。


星野通彦は上野の隣に座った。


『そんなにオレをホシノに売りたいのか⁉️

カネを出すってことはオレを縛るってことだぞ‼️』


こうしてスポンサーの件の話し合いがはじまった。

山浦が作成した資料が渡された。

質疑応答がはじまった。

宙也のレース参戦の件のマネジメントは、山浦が引き受けることが伝えられた。

エムテックからはレースサポートとしてアクリル板の提供。

スポンサードとしてのエムテックのマシンへの表記を約束した。


そして···星野通彦が口を開いた。

「相沢君がレース参戦すると、上野統括部長からお話を伺いまして、何か協力出来ないかと考えまして、

私の実家は永乃でエムテックと取引がある会社を父が運営しておりまして、父に相談したところ、父もスポンサーになることを快諾しました。今後はマネジメントをされる山浦様と合議して、どういったサポートが出来るかを決めますので宜しくお願い致します」


ー当然、雪華に知れたな


宙也は天を仰ぎたくなった。


『ますますマズくなるやん‼️モノが言えなくなる』


宙也は酒が飲みたくなった。そして上野にボロクソ文句が言いたかった。













Rosso Capitolo Uomo Il tuo suono Ⅱ








「さて、浅見のところに顔出すか」


山浦は商談も終わって、あとのスケジュールを思い起こしたが、さほど重要なことはなかったので、

浅見に155の脚の件を聞こうと思い、浅見の会社に向かった。


展示場の片隅にクルマを停めて、事務所に歩いていった。

なかには、女性事務員がおり、山浦を見て立ち上がり

「いらっしゃいませ」

声をかけた。


山浦は名刺を差し出した。


「アポイントは取ってなかったのですが、浅見社長にお取次ぎ頂けたら」


そう声をかけた。


事務員は内線電話を鳴らした。


「社長 お客様が···」


「誰だ?」


「山浦様という方です」


『山浦?何の用だ···』


浅見は少し考えたが···慎重にしようと思った。


「····会おう、案内してくれ。お茶も頼む」


ノックが聞こえた


「どうぞ」


山浦の不意の来訪に苛立ちから来る眉間のシワを消して、ヒトの良い(カモにする)先輩を笑顔で迎えた。

浅見は直ぐ立ち上がった。


「山浦さん 良いドライバーを紹介して頂きましてありがとうございます。彼ならば、私のイメージにピッタリです」


浅見は心に無いからこそ言える賛辞を山浦に贈った。

しかし···山浦の表情は浅見の期待した表情ではなかった。


『えっ⁉️』


少し心拍数が上がった。


『何だ?この山浦の表情は···まるでテストドライバー(現役)の時のセッティングに不満が有ってメカに食い付く時の表情だな』


スタッフがお茶を運んできた。

スタッフが出ていくまでに山浦の切り出してくる話を想定していた。


「浅見···アルファ155(シルバーストーン)の脚のセッティングなんだが···」


浅見はハラの中で山浦はあの宙也ってコゾーを相当気に入っているみたいだなと思った。


『さすがは山浦や石神•土矢に見込まれるだけあるよな。あのコゾー 脚が何もしてないってことを見抜くなんてな。フツーなら誤魔化せるのだがな···ココは山浦の話を聞いておいた方が良いな』


「山浦さん、あのクルマはエンジンが仕上がったばかりで、コレから詰めるのです。宜しければ!先輩のアドバイスをお聞きしたいのです」


浅見は下手に出ていた。

しかし····

山浦からの答えは浅見の想定を裏切るモノだった。


「宙也にもっと走り込ませて、宙也からの脚のアドバイスを聞いて欲しい」


「山浦さん···ソレは····(・・・・・・・)


まさかの山浦の言葉に浅見は言葉を詰まらせた。



「お言葉ですが…山浦さんの言葉ならお聞きしますが、いくら石神さんや土矢さんにレクチャーを受けたセンスの良さは認めますが···ボクもこの業界でメシを食ってきたプロです。シロートに···」


浅見は少し憤りながら答えた。


「いや、アルファロメオに関しては宙也の方がヰタリアでも乗ってきただけあってノウハウを持っているから···アルファロメオは国産車の様にはいかないみたいだ まだボディメイクは行うのか?」


「ハイ」


「ガラスのアクリル板の交換用意があるから、作業日を後で教えてくれ」


冗談ぢゃあない···

既に売り手は決まっている。

宙也にセッティングを詰められ、事故られては元も子もないのだ。

F社のタイヤも既に売り捌きカネに替えていた。


『のらりくらりとかわしてやる』


浅見はそう決めて、山浦の話を聞いていた。




スマホが鳴った。

宙也は三連休 雪華と出かける約束をしていたので準備をしていた。


「もしもし」


雪華だと思って出ると山浦からだった。


「もしもし 宙也くん 山浦だけど」


「ハイ、こんばんわ」


「浅見と話して、脚のセッティング、キミにお願いしたいって言っていたから、近いウチに連絡が入ると思う」


「ありがとうございます。やっぱりスポルティーバのままでしたか?」


「ああ、ビンゴだったよ。カレも驚いていたよ。キミが見抜いたことを」


「そうですか····」


宙也は違和感を感じていた。

アルファ155のスポルティーバの脚はかなりの問題を指摘されているはずなんだけどな

まして元テストドライバー(プロ)なら尚更なんだけどなぁ

浅見ってヒト本当に大丈夫なのか⁉️

いくら山浦の後輩とはいえ不安を覚えた。










◆◆◆










三連休の初日の土曜日

宙也は永乃驛で待ち合わせた雪華を迎えにGTVを走らせた。

今回は雪華と初めてのお泊まり旅行になる。

能登から金沢を巡る予定だった。

彼女は親達には女友達と旅行と言ってあるが····

『果たしてそれを信じるのか疑問だった』



「今夜、宙也さんと···」


そう思うと、彼女はソワソワして何度も腕時計を見たり、スマホのカメラ画面で化粧や髪をチェックしていた。


永乃驛のロータリーで水色のワンピースを着てキャリーバックを持った雪華が立っていた。

雪華の前にGTVを停めた。


「ゆきちゃん おはよ」


「宙也さん おはよ」


雪華は少し緊張していた。


宙也は雪華の肩を抱いた。


「水色のワンピース よく似合ってるよ 初めてのお泊まりデート、ヨロシクね」


「ありがとう 宙也さん。 兄が言っていたのだけど レースに出るの?」


やっぱり来たか···宙也は思った


「その話だけど、まだ完全に決まった話ではないんだ。完全に決まってからお話しようと思っていたんだ」


宙也は笑って言った。


「そうなんですか?」


「うん、まだクルマも仕上がってないから」


「クルマが仕上がってなかったらどうなるの?」


雪華は不安になった。


「あぶないから乗らない。断ったりする事もあるよ」


「そんなことってあるの」


「有るよ。あとは資金が不足して、マシンが仕上がらなくて、走れないとか」


「そんなことも····」


「うん。お兄さんは狂技の世界(エッヂワーク)は知らないと思うけど、モータースポーツやクライミングと、同じようにスキーもカテゴライズされる、

快感性も高いけど危険性も高いんだ‼️

ボクはスキーはプロだから···

エッヂワークがどれだけキケンかを理解しているし、モータースポーツも行うからには、自分の不安を払拭して参戦したい。

そのためにマテリアルの不備や、自分の技量がまだ未熟だなと判断したら参戦しないからね。

過信や慢心し過ぎたりすると···必ず事故が起きるから‼️

アマチュアレースと言えどちょっとでも不安や迷いがあったら、止めるから やっぱりキケンだからね」


宙也は危険な世界(アブナイ)のが好きなの⁉️

わたしが身体でもホシノ(父親)を使ってでも止めてやる‼️


雪華は宙也がレース参戦の話を自分にしなかった事に不満を覚えていた····


まだ決まったワケではない。

そして自分の技量やマテリアルの不安が払拭出来なければ、参戦しないという宙也の説明に雪華は安心した。


宙也を危険な世界に惹き込むモノはみんな、わたしが排除してやる‼️

このオトコはわたしのモノ

雪華はそうこころに決めていた。



ふたりの乗るアルファ GTVは

上信越道から上越JCTに分岐して北陸道に向かう。


途中、名香の嶺々(やま)が見えると、こころの中でつぶやいた。


『ナビシートに座るヒトが、今のカノジョだよ 

独りきりぢゃあないよ 安心して』







「ココから先はトンネルが多いからね」


宙也は優しく言った。


親不知 子不知

道が無く海辺を波が引いたら渡るという···

幼い子供は寄せる波に間に合わず波に呑まれて死んでしまう。どうにも出来ない親の哀しみ

遥か昔から悲劇の様な交通の難所だったこの地方

北陸道は全部で52本のトンネルが在るが、其のうちの半分が上越JCT〜立山の間に集中していた。


咲耶と約束をして室堂でのCAMP終了後、CELICAを飛ばして名香に向かってた頃を思い出した。


「大丈夫?怖くない?トンネルばかりだから」


宙也は言った。


「大丈夫です 宙也さんは運転巧いですもん このクルマ 音が良いですの クォーンと良い音色を奏でてますね」


宙也はまるで自分がホメられた様に上機嫌になる。


「このV6 エンジンは世界一官能的と呼ばれるエンジンなんだ。

設計者 ジュゼッペ・ブッソはエンジニア人生のスタートがアルファロメオで、それからフェラーリのディレクターそしてまたアルファロメオに戻ってきたエンジニアなんだ。

アルファロメオに深い親愛を持っていたんだ。


『クルマを買ったら楽器がついてきた』


『レッド•ヴァイオリン』


そう賞賛されるアルファロメオの設計者の1人なんだ。フェラーリ入らずと呼ばれる乗る人のココロをわしづかみにするような4気筒のノルドエンジンや世界一官能的なこのV型6気筒のエンジンを設計したんだよ。」


ヤバッ どうしてもアルファロメオの話をすると暴走しちゃう‼️

それから気が付いて···


「ゴメン、クルマの話ばかりで、今日からゆきちゃんと一緒にいられるから、ゆっくりゆきちゃんの話を聞きたいな」


「宙也さん ホントにクルマが好きなのね こうして深く宙也さんを知れる わたし本当に宙也さんの彼女なのね」


「そうだよ ゆきちゃんはボクの彼女だよ」


高速道なのでシフトは6速ホールドのままで行ける


宙也は雪華の手を握った。


雪華は宙也の手を握りかえす。


宙也は雪華を見る。

雪華の雰囲気は少し沈んだ感じに見えたので


「ゆきちゃん 大丈夫?少し沈んで見えるけど···」


宙也が訊くと····


「いいえ」


雪華は必死といった表情で首を横に振った


「わたし、とっても幸せなの··· この幸せを静かに受け止めたいの 宙也さんがわたしのそばにいてくれることを」


雪華のこの言葉を聞いて····

宙也はこの時、雪華を好きにならなければ···

いや愛さなければならぬだろうと思った。


クォーン GTVは滑らかに走り抜ける。

アルファロメオの誇るV型6気筒エンジン

甘い甘いエキゾーストノオトがずっとこころに響く


わたしにとって


『コノオトハアナタノオト』


ーお願い この瞬間がずっと続いていて

誰にも邪魔をされたくないの わたしと宙也の時間


雪華は幸せな気持ちにさせてくれる

GTVのエキゾーストノオトを記憶に刻み込んだ。









Continuare























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