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COLORE    作者: Foglio
53/53

Albicocca Capitolo  杏色の章 Uomo Svelamento お披露目會

Albicocca Capitolo Uomo Svelamento Ⅰ




土曜の午後

宙也は久志に電話をかけた。


「久志君、ヒデも呼んで久しぶりに、みんなで食事でもしようよ❗️」


「宙也さん、イイですね‼️最近、宙也さんが捕まらないってボヤいてましたよ。海自の潜水艦並みに見つからないって」


「ハハハ、なんだそれ⁉️ヒデの方がうーんと怪しいだろう❓️」


ヒデは元海上自衛隊員の護衛艦乗りだった。


「そうですね❗️現役の頃、フィリピンに上陸したって言ってましたからねぇ‼️隠し子でもいたりして····⁉️」


「あり得そうだよね アブナイ❗️アブナイ❗️ かなり悪さしてそうだよね❗️弥生さんも呼んでさぁ。場所何処にしようか❓️」


宙也は其処で杏をみんなに紹介しようと考えていた。


『ヒデがたぶんキレるだろうけど、いつまでも隠していても仕方ない』


そう考えていた。


「モールに新しいお店が入ったから、そこでどうですか❓️」


カノジョとよくモールに行っているらしく、モールの新店の情報に久志は詳しい。



「久志君にオマカセするよ。カノジョの行きたいところでイイよ❗️」


「分かりました。相談して連絡します」


「ヨロシクね」


宙也は電話を切った。

時計は13時を過ぎていた。


『杏を迎えに行かなきゃ』


立ち上がり、AW-11のKeyを掴んで部屋を出た。



学校の近くのコンビニにAW-11を停めた。


端のところにやはりカノジョ待ちなのか、グロリア·グランツ(Y32)スカイライン(R30)サバンナ(FC3S)やらが止まっていた。


其処へ信号が変わって、杏が走ってきた。


「宙也くん、すぐ出て、イヤなオンナの彼氏がいるの❗️」


「分かった」


宙也はそう言って、すぐにAW-11を動かした。


すると杏はホッとしたように笑顔になった。


「宙也くん、オナカ空いた」


「なに食べたい❓️」


「宙也くんの作ってくれたのが食べたい」


「分かったよ、ぢゃあ買い物してマンションに行こう」


「うん、宙也くん、もうすぐ付き合って3ヶ月だね、そして、アタシの誕生日も来るね❗️」


「早いよね、もう3ヶ月かぁ❗️誕生日プレゼントなにしようかな❓️」


「うーんと楽しみに期待してるね」


「分かったよ」


AW-11はスーパーの駐車場に入って行った。





◆◆◆




「ごちそうさま 宙也くんの作る料理は美味しいの‼️」


そう言ってソファに杏は座り直した。



宙也も隣に座った。杏は宙也に寄り添った。

 

「うふ 宙也くんだ❗️」


「ねぇ、杏、来週の週末空いてる❓️」


「うん、空いてるけど、なんで···仕事❓️宙也くん送り迎えに来てくれるよね⁉️」


「うん、送り迎えはするよ、ぢつはさ、友だちとゴハン食べようって約束したんだ、杏を紹介したくてさ❗️」


「ホント‼️うれしい 宙也くんの友だちに紹介してくれるのね❗️ぢゃあ、学校終わってからマンションに寄って着替えなきゃ、なにを着ていこうかな❓️

其れからお披露目會なのね‼️

あぁ楽しみ、早く来週の土曜にならないかな❗️」


そう言って、杏は顔を近づけてきた。


最近はキスも長くなってきた。

そのまま抱いてしまおうと思う時があるが···


一度、杏はくちびるを離してから


「宙也くん、ダイスキだよ」


そう言って再びキスを求めてきた。





◆◆◆





土曜日


「ねぇ、宙也くん ドレを着て行ったらイイ❓️」


学校から帰ってきて、杏は鏡の前でファッションショーをはじめていた。


「前に買ってあげたあんず色のワンピースなんかどう❓️リボンも可愛いの❗️アレ、俺は気に入ってるけど‼️」


「あっそうだ 宙也くんに買ってもらったのがあったね。ソレにしよう❗️キャー髪を整えなきゃー」


杏はベッドルームのクローゼットからワンピースを出した。


鏡の前で2·3回ポーズを採る。かなり気合が入っている。


「宙也くん どう 似合っている⁉️髪の毛 前髪

きゃー‼️」


ーにぎやかだな·····。


宙也は苦笑していた。


「こりゃ遅れるなぁ」


そうは思っていたが、杏が納得するまではとりあえず、好きにさせとこうと思った。




◆◆◆



その頃、杏の元カレの仲間である前川は、学校の近くのコンビニの駐車場で彼女を待っていた。

前川の彼女は杏と同じクラスのオンナだった。

ただし···杏とはかなり仲が悪い。

信号を渡ってきたオンナに声をかけた。


「沙織」


「雄二、今日はモールに行って」


沙織とメシ食って、それからラブホにでも行こうとカレは考えていた。


「モールでメシでも食おうか」


沙織がいきなりまくし立てた。


「杏が今日、モールでオトコとデートなのよ‼️

オトコの友だちにお披露目會ってジマンしてたんだ❗️ねぇ、拓さん呼ばないと」


「·····」

ーマジかよ せっかくの土曜日なのに

ヤメようや そんなこと

前川は気のりがしなかった。


『せっかくの週末なんだから、ハッピーにやろうや』


「ほら、早く あのオンナをとっちめてやんなきゃ

ホント 気にいらない」


沙織はホンキだった


「分かったよ」

そう言って

前川はコンビニの公衆電話の受話器を取った。



「あ”あ”⁉️杏が⁉️ホントかっ、雄二‼️」


「ああ、沙織が言ってた」


「分かった ありがとうな、すぐモールに行くわ オマエ達もすぐ来いよ」


「あのアマ みてろ‼️」


いきり立った 原沢 拓はFCの鍵を掴んで、

部屋から出て行った。






Albicocca Capitolo Uomo Svelamento Ⅱ






モールは週末とあって混んでいた。


AWを駐車場に停めて、宙也と杏は手をつないでモールの中の広場に歩いて行った。


久志と弥生そしてヒデは、もうすでに待ち合わせの広場に来ていた。


「アニィ 遅いなぁ····ハラへっちゃってさぁ」


ヒデがボヤいていた。


「あっ‼️」


紺色の麻のジャケットに白Tシャツ ダメージデニムの宙也が見えた


「宙也さんだぁ····うん…アレ アレ⁉️

なんかあんず色のワンピースを着た女の子と手をつないで歩いて来てる⁉️」


久志が発見した‼️


「なに⁉️なんだって‼️ドコだよ⁉️」


ヒデが叫んだ‼️


久志達を発見した

宙也は杏と一緒に歩み寄った。


「ゴメン ゴメン 遅くなっちゃった」


宙也が詫びながら声を掛けた。


「アニィ⁉️このコは⁉️」


ヒデは杏をジロジロ見ながら言った。


杏はヒデが怖いので宙也の後ろに付いた。




宙也は、ヒデの問いかけはワザと無視して弥生に声をかけた。


「弥生ちゃん ゴメンね 遅くなっちゃって、出かけようとしたら、會社(・・)から電話来て、まったく困ったよ」


ホントは杏の髪型が決まらずに何度もやり直ししたのだが……


「宙也くん···怖いこのヒト···」


『大丈夫だよ』


そう言わんばかりに···

宙也は杏を。ヒデに触らせない様にシッシッと手で追い払う


「アニィ⁉️無視すんなよ‼️このコはなに⁉️」


「ヒデ、なにって❓️可愛いだろう‼️俺のカノジョだよ‼️」


宙也はニヤリとして言った。


「なんだって⁉️やっぱり オンナ出来てたんだ‼️

どーりで最近付き合いがワリーと思ってたら❗️

ヒデェよなあ オレに内緒で❗️」


「ヒデ❓️オマエ 彼女出来たら、ぢつはイチバンオマエが隠してそうだよなぁ‼️

しかもフィリピン(むこう)に隠し子でもいるんだって聴いたぞ」


宙也は切り返した。


「アニィ⁉️いねーよ❗️そんなの人聞きが悪い」


「杏、コイツは元海上自衛隊員なんだよ。フィリピンとかで女の子に惡さしてきたらしいよ‼️」


「やっぱりこわ〜い このヒト···」


杏はそう言って宙也の後ろに隠れた。


「アニィ‼️なんてこと云うだよ⁉️ボクのイメージがダウンしちゃうでしょ⁉️」


「あぁ⁉️ボクのイメージだって⁉️とっくにダウンしまくりだよ 職場では」


同じ職場の久志が毒を放った。


「久志 テメー」


「ヒデ····だってさ‼️さぁゴハン食べに行こうよね。このままだといつまでも終わらないからさ」


宙也が制止した。


5人はモールのレストランに入っていった。


『宙也さんは(このコ)の前では、今まで見せたことがない様な優しい表情を見せるのね』


杏のことを優しく気遣う宙也に弥生は驚いていた。

今まではどちらかというと漢らしさが目立っていて、久志やヒデのことを引っ張っていた。


「ぢゃあ、あらためて紹介するね。

渕上 杏ちゃんだよ‼️年齢は····杏ちゃんからね」


ーさらにヒデがファイアーするだろうな

そう思いながら、杏に振った。


「渕上 杏です。年齢は17歳です‼️女子高校生です‼️」


「えっ……ぢゅうなな••••⁉️」


女子高校生と聞いて一同は驚いて固まり、宙也の顔を見た。


特にヒデは·····


「アニィ‼️女子高生と付き合っているだって⁉️ウソだろう 犯罪だろう‼️ぢゅうなな⁉️」


護衛艦の速射砲のように喚きはじめた。


「いやいや 恋愛は自由だろう❗️俺はヒデみたいに鬼畜の様な惡さしてないよ」


「あ⁉️鬼畜の様な惡さってなんだよアニィ‼️アニィの方が犯罪だぁ‼️ぢゅうななの女子高生だと⁉️

お天道様が許しても、オレが許さん‼️」


ヒデはまくし立てた‼️


宙也は苦笑した。

しかし···

杏がヒデを制した。


「アタシが宙也くんと付き合ってはイケナイのですか…ヒデさん⁉️」


杏が切り返した‼️


「えっ…いや…その…それはですね…」


杏の想いもよらぬひとことにヒデは言葉を詰まらせた。


「アハハ‼️さすがのヒデも17歳の女子高生には勝てないよな。まぁ、皆さん ヨロシクね」


宙也は笑っていった。


次第に杏も打ち解けていき…

ヒデも杏から友達を紹介してもらおうと考えて…

杏のご機嫌を伺っていた。


「神様、仏様、杏様

どうかこの哀れなボクに杏ちゃんのお友達を…

どうか女子高生のお友達を紹介して下さい‼️」


哀願調に杏に頼みこんでいた。


宙也と久志は爆笑していた。

特に久志はハラを抱え、涙を浮かべていた。


弥生が参戦してヒデを刺す‼️


「アレ❓️ヒデさん アタシにも頼んでなかったっけ❓️やっぱり、若いコの方がイイよね❗️っていうか誰でもイイの⁉️アブナイ…アブナイ‼️」


「いやぁ、その件につきましては、あの、そのう…」


弥生のひとことに宙也達はさらに爆笑‼️


ヒデはサンドバッグ状態‼️


そして、杏がトドメを刺した。


「宙也くん ヒデさんに友だちのコ、紹介したらアブナイよね❗️カラダだけ求められてポイされそう‼️」


「ギャハハハ」


久志はテーブルを叩いてさらに爆笑しながら、

杏に言った。


「杏ちゃん よく分かっているね。ヒデはヤバイからね‼️」


「久志‼️テメー‼️」


「杏ちゃん、コイツの言う事を真に受けないでね❗️

ボクはマジメな元自衛官で、女のコに優しくて、プラトニックな恋愛を求めているんですよ❗️」


「プッ···プラトニック⁉️ヒデ 頼むからコレ以上笑わせないでくれ····‼️笑い死にそうだから‼️」


宙也は吹き出した‼️


「どの口が言ってるんだか⁉️」


弥生がさらに突っ込んだ。


「杏ちゃん 何か欲しいモノあります❓️

お友達を紹介してくれるなら何でも買ってあげるから…

今日もオゴるからさぁ 好きなモノ食べて‼️」


杏は宙也の顔を見た。


「悪いな ヒデ、ココはイイから夕食を頼むわ❗️

杏 鮨でもオゴって貰おうか 回転ぢゃあなくて‼️」


宙也が杏に言った。


「うん お鮨食べた〜い 回転してないのが‼️」


「アニィ なんてことを言うんですか‼️こんなビンボーなボクに」


「えっ⁉️だって好きなモノをオゴるって‼️」


「アレ❓️ヒデさん アタシにはないの❓️

前に友達の都を紹介してあげたよねぇ…」


「その節はタイヘンお世話になりました❗️」


「えっ…そうなのですか❓️ヒデさんてやっぱりお調子者ですよね❗️その紹介してもらった都さんとどうなったのですか❓️アブナイ アブナイ‼️いっぱい泣いている(ひと)がいそうですね‼️」


「杏ちゃん イヂメないでよ❗️」



ヒデいぢりが収まらない❗️


「なんだ!アソコのテーブルは⁉️」


周りが顔をしかめるくらい

宙也達のテーブルは、はじけて大爆笑状態だった。


『宙也がこんなにはしゃぐなんて、よっぽど杏が可愛いんだな』


ヒデと久志は思っていた。









Albicocca Capitolo Uomo Svelamento Ⅲ








そんな宙也達の話を聞き耳立てている奴らがいた。

杏の元カレの原沢と友達の前川、そして杏と同じクラスの前川のオンナだった。


「杏のオトコって、宙也って呼ばれてるリーダー格みたいなヤツか❓️」


「そう、MR-2SC(・・)に乗ってる」


「じょーと❗️山屋()なんざつぶしてやるよ‼️所詮FCの敵ぢゃあねぇーよ。帰りに仕掛けて、

杏をかっさらってやる。オレにハジかかせやがって‼️」


「杏がスゴイはしゃいでいるのがスゴイ気に入らない 拓さん お願いします。あのオンナをヘコませて」


雄二のオンナが忌々しげに呟いた。



「拓 マジでやんのか❓️」


「雄二 なにビビってんの❓️」


「イヤ、オマエのケツまくりを久々に聞いたからよ」


「やるよ❗️オトシマエ付けてやる」


「分かった」


前川 しぶしぶうなづいた。






◆◆◆





「ぢゃあ ヒデ、今度は鮨なぁ ヨロシク❗️」


「アニィ なにを言うのですか❓️」


「えっ 杏にご馳走するってことは、俺も一緒だろう」


「杏ちゃんだけですよ‼️アニィは高給取りでしょ‼️」


「ヒデとふたりにしたら杏がアブナイでしょ‼️」


「アニィ ボクは紳士ですから‼️」


「あ"っ誰が⁉️紳士だって⁉️空耳が聴こえてくる」


「アニィ‼️」


「間違いない❗️ヒデはアブナイ❗️アブナイ❗️って會社の女子も言ってる」


「久志‼️」


店を出ても5人は騒いでいた。

ウィンドウ·ショッピングをしたりして解散した。


「じゃあまたね。コレから杏をヨロシクね」


宙也はアタマを下げた。


杏はみんなに両手を振って挨拶していた。

ようやく、おひらきとなり、杏を乗せてモールを後にした。


「あー楽しかった。ヒデさんってイヂられキャラで楽しかった❗️」


「ヒデも杏にイヂられて喜んでるよ❗️アイツけっこうエムだからねぇ」


「アハハ エムなのね❗️」


バイパスをAW−11改を走らせていた。


『うん なんだ⁉️』


杏と話ながら、宙也は背後に迫るプレッシャーを感じていた。

さり気なくバックミラーを見た。


()けられてる····


黒色のフルエアロのFC3S(セブン)が少し車間距離を空けているが尾行して来てることに気が付いた。

そしてもう1台、やはりフルエアロのマンハッタンカラーのS130Zが並走してる。


ー気にいらねぇな·····。


宙也の直感がそう伝えていた。


ーまるでハンター•キラーだな······


2台でAW−11を止めようと考えてるみたいだな…


『FCにも130にも追いかけられる覚えもないが····』


宙也のなかでは、ココのところしばらくはFCも130とバトルした記憶もなかった。


ーしかし···この2台には強い敵性を感じる······。


この状況は明らかにハンター•キラーだな❗️


ーだとしたら、どうする·····。


あっ、そういえば…

以前、杏がFCのこと聞いてきたことがあった…


ーヤツラの狙いが杏だとしたら·····


その前に·····と思い、宙也は杏に問いかけた。


「杏、前にRX−7の話したよね、そのクルマは今、後ろにいるクルマのことかい❓️」


「えっ…ウソ⁉️」


驚きと戸惑いが杏の表情に広がった。


「何でアイツが·····」


杏は振り返ろうとしたが·····宙也は制止した。


「振り返らずにドアミラーで確認して、ナンバー覚えている❓️」


杏はうなずいて云われた通りにドアミラーで確認した。


元カレの原沢のクルマだった。


ーなんで ドコからついてきてたの⁉️·······


それは恐怖だった。


ー監視されてる·····


杏は震えはじめた。


ーやっぱりか 相当怖がってるな❗️


ことここに至ったらやるしかないな。


ー止まるワケにはいかないな、強行突破だな······


宙也は決心した。


「大丈夫だよ。オレが守るからね」


宙也は杏に笑顔をみせて優しく言った。


ー何処で仕掛けてくる❓️


おそらくはこの先の市境までの3車線、約3kmのストレートだろうな。

あのエアロなら直線番長だな。


「どうするの····宙也くん❓️」


杏の声は震えていた。


「ヤツラはいつ免許取ったの❓️」


宙也は杏に確認した。


「1年前だと思う」


「そう」


ーチョロいもんだ 初心者ごときに行動を制限されるなどまっぴらだ·····。


宙也はニヤリと笑った。


この場面で笑うなんて····。


ー宙也は、いま何を考えているの❓️·····。


杏は戸惑っていた。








◆◆◆







ーもう少しで3車線のストレートだ。フルパワーをかけられる·····。

FCの原沢は、小さく呟いた。


「雄二、クソ生意気な杏のビビってる顔が、早くみたい❗️ホント気に入らないの あのオンナは‼️」


「う···ん」


雄二は杏にいわくがある訳ではなかった。

仲間の拓とカノジョが『なんでこんなに杏を気にするのか』がイマイチ理由が分からなかった。


ー拓に連絡せずにほっとけばよかったな。

面倒だな····

できれば····巻き込まれずに、このまま帰りたかった。






◆◆◆





ーさて、どうするか·····。


『何処で2台をまくか❓️』


宙也は周辺の位置を思い浮かべ黙考をした。


もうしばらく行くと、3車線から1度、2車線に減線する。


ーそこで仕掛けるか。まぁ初心者のお手並みを拝見しましょうか······。


宙也のハラは決まった。3車線のいちはん左側の車線にレーンチェンジした。


ーこの先で仕掛けてやる·····。


バイパスはこの先にシグナルがあり、其の先300mほどで車線が消滅して1度、2車線になる。

そのため、路面は左折レーンに表示されてる

つまりFC3Sを相手に其処で仕掛けてやろうと彼は考えていた。

交差点のシグナルが赤になり、宙也は左折レーンに止まった。


「左折だと」


すると…原沢と前川は

かなり強引にFCと130が割り込んで入って来た。

原沢のクルマはAW−11の後ろにノーズを付けた。


「杏、ベルトをして」


杏にシートベルトをするように促した。


「大丈夫 宙也くん❓️」


杏は青ざめながらベルトを付けた。



「気が付いてなさそうだな 春奈山か❓️(ヤマ)に行くのか❓️伊華穂側にルートを取らせれば、直線も多いからやりやすい。

コレでMR2を潰せば、杏もオレに惚れ直すだろう❗️」


原沢のクルマはAW−11を威嚇するかのようにアクセルを煽りはじめた。


「しょせんセブンの敵ぢゃあねぇーよ」


宙也はFC3S(セブン)の音を聴いていた。


ー宙也くん 大丈夫⁉️·····


杏は心配そうに宙也の顔を見た。


ーフン‼️最高速狙いでシタはスカスカ❗️

オマケにアイドルがバラケいる。

ロクにメンテもしてないだろう‼️

そんなクルマでAW―11改(コイツ)に勝とうってか❗️

身の程知らずが❗️

ひと泡吹かせてやる······。


宙也はにやりと笑った。


左側には春奈山と呼ばれる山が見える。


免許取り立て(シロート)が威勢がイイねぇ‼️

所詮、まだクルマに乗らされてだけさ❗️

教えてやんよ‼️」


宙也は呟いた、そして·····

杏に優しく話かけた。


「杏 急加速するから、舌噛まないようにしておいてね❗️」


宙也の優しい声に杏は頷いた。


「さて••••と、ロケットスタートはオマエ等13B−REW(ロータリー)だけの専売特許(モノ)ぢゃあないんだよ。

特別にみせてやんよ、このAW−11改の駿足を••••」


宙也はそう呟いて、クラッチを踏み1速にギアを入れた。


真剣なまなざしの宙也


ー宙也 こんな表情もするの······。


思えば、付き合うようになってからは、いつもアタシには笑ってる表情ばかりだった。

最初に会った頃は鋭い目付きをしていたが····

それとも違う

今回は初めてみる表情に、杏はみつめていた。


ーさぁ、ついてこれるかな❓️·····


シグナルが変わるギリギリのタイミングで宙也はクラッチを繋いだ。

シグナルが変わり、スルスルとAWが動き出し·····

左折すると見せかけるフェイントをみせた。

そして····

アクセル•オン‼️


タイヤは悲鳴をあげた。


しかしアクセルは弛めない


2速(ふたつ)


宙也はすかさず2速へ叩き込む


タイヤはしっかりとアスファルトを掴み急加速をはじめた。

隣の車線にいたガラの悪そうなヲッサンが運転しているBMWの5シリーズの前にAWを見事に被せた。


「まっすぐ⁉️やられた‼️」


宙也のフェイントに翻弄される


3速(みっつ)


宙也は電光石火のシフトで瞬く間に、既に100Km以上にAWに車速を乗せた。


虚をつかれた原沢はFCを加速させようとしたが…ハンチングで一瞬エンストしそうになった。


一気に単騎で先頭に立ち、走り出したAW


「スゴイ このひと 本当に速いんだ」


今まで自分が乗っているに全く見せなかった、宙也の本当のテクニックに杏は驚いた。



遅れたFCはそこから加速させて、BMWの前に入ろうとしたが、時既に遅し、ヲッサンがクラクションを激しく鳴らして、彼をにらみつけて、幅寄せされられて、仕方なく後ろに付いた。さらに嫌がらせのノロノロ走行されて、前川の130もどうすることが出来ずに、2人は完全にAW―11を見失った。






◆◆◆





『FCも130も、もう見えないな』


宙也はバックミラーで確認した。


ーフッ、あの程度ぢゃあな、身の程知らねぇよな·····よく乗ってられるよな、あんなクルマに······。


全日本やサファリに参戦している石神(プロ)にメンテをしてもらっているAW−11の敵ではなかった。


宙也は鼻で笑った。


「杏、もうベルト外して大丈夫だよ。マンションに戻ろうか❓️」


「うん、ちょっと疲れちゃった」


そう言っていたが、まだ手が震えていた。



マンションの部屋に戻ると、ようやく安心して、

杏は宙也に抱きついた。


「宙也くん ありがとう。守ってくれて·····

宙也くん、運転チョーカッコ良かった❗️スゴイ‼️」


そう言って唇を重ねた。


宙也も幾らかアツくなってたから杏と、

長い抱擁を重ねていくうちに、宙也は杏が欲しくなった。


「杏 欲しい、抱いてもイイ❓️」


耳許でささやいた。


「·····」


少し沈黙してから杏が答えた。


「宙也くん もう少し待って····誕生日に····

もうすぐアタシの誕生日·······アタシを····

アタシを宙也くんにあげるね‼️」


「わかった」


ふたりは再び抱きしめあった。



杏をソファに座わらせた。

宙也はキッチンで紅茶を作ってきて、カップをテーブルに置いた。

杏はカップを持って、ひと口飲んだ。

少し熱かったけど····

身体が暖かくなり気持ちが落ち着いた。


「宙也くん 聞いて欲しいことがあるの」


「うん、なぁに❓️」


「宙也くん あのね····さっきのRX−7は元カレなの」


「そうなんだ。元カレなんだね」


「驚いた❓️」


「驚かないよ❗️今までずっと、杏が俺にくっついていたのは、なにか不安から来るものだと思っていたから·····」


「宙也くんは安心出来るの❗️声を聞いていると、優しいしゃべり方で、言葉も丁寧だから、不安になると、宙也くんに抱きつきたくなるの」


「ありがとう❗️信用してくれて、その元カレは杏に未練があるの❓️」


「たぶん···別れる時、彼氏は作らないって言って切ったから····でも宙也くんに出逢ってしまって····」


宙也は再び杏を抱き寄せた。


「大丈夫、俺が必ず守るからキミを」


「うん コレからも守ってね」


それから、杏は原沢と別れた理由を宙也に話した。


『アブナイな 杏に執着してる』


宙也は杏の話を聞いて、決心した。


「杏 ひとりで帰らないで、必ず友達と一緒に帰って、危険な時はマンションに友達と避難してイイから·····それからコレを」


そう言って、財布から一万円札を渡した。


「危険な時はタクシー呼んで乗って欲しい。

支払いはコレで、もし足りなかったら會社にタクシーで来ればイイから」


ーこのヒトは言葉だけぢゃあない·····あたしをホンキで守ろうとしてる。


杏はハッキリと感じた。


そして····今までは週末のみ宙也のマンションに寄ってイイと約束していたが·····

緊急時はマンションに、寄れるように、管理人にも手配をした。


「このコは従姉妹です。親が遅く帰る時があるので、友達と一緒でココで時間を待つことがありますので、宜しくお願いします。その時は、私が戻るまで、誰も取り次がないで下さい」


宙也は管理人にそう説明をした。






◆◆◆




「チクショー、あのBMWさえなきゃ」


原沢はおのれのテクニックがないのを、BMWのせいにしていた。


ファミレスでコーヒーを飲みながら原沢はつぶやいた。


『ムリだよ、勝てる相手ぢゃあない 相当乗れてるヤツだ』


前川は宙也のテクニックを冷静に見ていた。


話題を変えようと思った。


「拓 史恵を呼んだら❓️4人でアソビに行こうぜ」


原沢は怒りでキッと見開いた。


「史恵なんかどうでもイイ。杏をこのままにしておけるか❗️攫う作戦を考えようぜ」


「オイ 何考えてんだ⁉️攫うって犯罪だぞ‼️

オマエ フツーにモテるんだから、ほっとけよ‼️ひとりぐらい」


前川は声を荒らげた。


「そうはいかねぇんだよ 杏には恥かかされたから」 


「やるならオマエひとりでやれよ。犯罪なんてまっぴらゴメンだ」


前川と原沢はニラミあった。









Continuare


















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