プロローグ2 成る程。つまり俺TUEEEEEしたい奴は少なくないワケだ!
2週間もの拘束?
知らんなっ!(気分屋)
思ったより早く出来上がりました。
どぞっ!
「……………」
僕、灯火優は困っています。
率直に言うと、眠れないんです。
いや、あの、ちゃんと…睡魔が僕の瞼を閉ざそうと誘惑してるんだけどね。それでもね、別の誘惑が邪魔してね、それどころじゃないんだよぉぉぉぉぉ!
今僕らはニエンティさんお姉さんのご意向の元、寝室を借りている。男の僕らにも清潔感溢れる部屋を用意して貰ったので、本来なら文句もないのだが…
でも、深夜にふと両腕に違和感を感じて目を開けてみると、なんとそこには…
「…えっ?」
「うにゅぅ~♪ユウシャマ~❤️」
「えへへぇ~ユウしゃん~❤️」
天使が2人。俺の腕にしがみ付きながらベッドで寝ていたのである。
ダメだ。これは非常にマズイ。
まずはなんでこんな事が起こってしまったのかを冷静に―
「ウフフゥ~♪」ムニュ
(ホワッ!?む、ムムム胸がぁ!直にィィィ!!)
冷静になれるかぁぁぁぁ!!!
無理ですって!こんな状況、チェリーな僕には刺激強すぎて鼻血ブーですよ。こんなの廻ですら耐えられない。
「確か…アルト君もこの部屋に…ハッ!?」
僕は、見てしまった。
僕と一緒の部屋で寝ていたアルト君が…
「ンンッ!?ンンンンンゥ~~~!!(ちょっ!ネリアさんっ!?ニエンティさんっ!?ナニやっちゃってんですかぁぁぁ!?ヘルプミィーーーー!)」
かろうじて首を動かして見てみると、アルト君がパンイチで口を塞がれ簀巻にされていたのだ。
(アルト…強く生きろよ)
優は絶望してしまった。
このまま誰かの助けも借りられずに朝をしのぐなんて芸当は不可能に近かった。
幾分かは女性への恐怖心が薄れているとは言えこんな状況は心臓に悪くて敵わないのだ。
せめて…誰か、こんな状況をよしとせずにぶっ壊してくれるような人が来ればいいのだが―
「フフッ~ユウシャマ~」
だ、ダメだ…
誰か助け―
ドンガラガッシャーンッ!ガッシャァーンシャーン!
それは…もうどんな事をすればそんな音が飛び出てくるのか分からない程に聞き慣れない擬音が耳に入り、その音が鳴った方角に首を傾けると…
「…えっ?」
そこには、僕らの寝室の扉を壁ごと粉砕して佇んでいる、ニエンティさんガチ勢の筆頭。全てのシスコンの魂を受け継いだと言っても過言ではない人。
てか、この状況を黙って見ていられる程心が穏やかではない人でもあるナーフェルさんが、何やらブツブツと小言をいい放ち続けた後に、僕の方へ目線を向けた。それも、鋭く…ナイフを突き刺すみたいな視線を…
「ヘェ~そうそうそうそう。私が、珍しく、オス如きを、認めてやったその翌日にねぇ~オウオウオウオウッ!…………………………………………【風精霊の伊吹】ッ!!」
「―っうわっととっ!」
突然の奇襲だったが、持ち前の危機回避能力のお蔭で何とか2人の拘束を解いてから僕に襲い掛かる暴風を避けた。
と、思ったのだが。暴風は僕目掛けて方向を変え襲う。
「―ウゲッ!」
モロに暴風が僕の腹部に突撃し、僕は思わずうずくまる。防御魔法を咄嗟に纏おうとしたが、何故だか暴風が魔力ごと防御魔法を吹き飛ばし襲って来たのだ。
「さぁ覚悟の準備は出来て?」
「いや、あの…ハハッ」
夜を耐え凌いでも、朝は結構…起きるまでがハードだなぁ。
そして僕は、後二時間辺りも彼女との攻防を繰り広げる事となったのだ。
☆
1つ言っておく。
これは夢だ。俺の夢だ。
そんなに夢を見るような事なんてないんだがなぁ。
何故だか今日は変な夢を見ちまった。
俺か…いや俺達が何故だか夜の風景を一望出来るリビングみたいな所で祝宴を上げていた。
多分、景色からして王都・グランティーアだろうと推測出来る。
そこで俺らは見事な浮かれ様で楽しんでいた。まぁ俺は少しワインを嗜む程度だが…ここじゃあ飲酒の制限は結構緩い。異世界ならではって感じでテンプレートだが俺には有難い事だがな。
だからさ…これは夢なんだ。
俺が…死んじまう光景が鮮明に写し出されるなんて…
☆
「はぁ…変な夢だ。まぁ自分て、ロクな死に方はしないと思うけどなぁ~あんなハッキリと自分の死に様見ると、流石になぁ~」
俺は思わずベットから起き上がり頭を掻きむしりながら先程の夢を振り替えっていた。ここはもう俺が購入して住居としているグランティーア内の俺の家の寝室だ。昨日やっと帰宅出来ており、見たところまだ優達は帰って来ていない。
その方が都合はいいけどな。久しぶりに愛着のある枕で熟睡しようとしたら変な夢を見ちまった。たくっ!
これは予知夢?
プッwwwいやいやナイナイナイナイ!
百歩譲れば自分がいずれ辿る未来の未来予知みたいなモンなのか…?
「いや…でもなぁ~~~」
あの夢には2つ違和感があった。
それは今の俺には拭い去る事が出来ないような…決定的な何か。または見知った物。もう見たくもない物とも言える何かだ。
自分の死ぬ姿もそうだが、そうではない。
1つは、夢の中の俺を見下ろして嗤っていやがった蝙蝠の様な翼を生やした妖艶な正しく悪女が似合う雰囲気と何故か会うのが初めてではない様な不思議な感覚を持った女がいた。
一つ分かることは、その女の顔を見たならばが何故だかどうしようもなく殴りたくなる気持ちで一杯になる。
もう1つは、
あの2人の泣く姿が…見ている俺にとってはとても痛々ししく心が苦しくなる程に…感じてしまったんだ。
「あんな顔、見たかぁねぇよ」
そんなしんみりした気分を晴らす為、優達の帰りを待つ為に俺は久しぶりに冒険者ギルドに顔を出す事にした。
「リナさんとの食事の約束もあるし…」
そこで俺が覗き見た彼女が抱えるある悩みも解決してやろうと躍起になりあの夢の事を記憶の奥底に封じ込めた。
☆
ここはとある国。【リーネシア大陸】に位置する【王都・グランティーア】とも【ナヴェアード大陸】に位置する【魔導国家・エイリュフェン】とも違う大陸の国。
そこは先の2つの大陸を合わせても勝る程の広大な大地を有するこのオル・ア・リーナスの6大陸最大の大陸。
【ガバナ大陸】
そこでは広大な土地を巡り三つの国がしのぎを削っていた。他の大陸は一つの大陸に付き統治する国は一国のみととは違いここの大陸の土地は広大すぎる余り一国が治められる程の範囲ではない為なのと、元々1つの強大な国ではあったが内乱等が絶えない毎日で3つの派閥に別れる事態が起きた。
そしてその3つの派閥は各地で独自の国家を立ち上げて兵力を増幅させていった。勿論理由はこの大陸の真の支配者とある為だと言う醜い欲望のためである。
この最早内乱では済まされない戦争状態をもう何百年も続けられて来た。
その派閥の1つから立ち上げられた国。
昔、派閥が出来る前に建国されていた【グロドナ王国】初代国王ラムヘルス・グロドナの嫡男にして正式な後継者でもあるヘルグ・グロドナが率いた派閥グロドナ派の王国【グロドナ神王国】で今、動きを見せた。
「頼むっ!リューガ殿ッ!君のその神から賜りし力で我が軍に勝利をっ!」
「わ、私からもお願いしますわっ!リューガ様。是非、お父上の為、引いてはこの国の為、そして…私の為にどうかっ!どうか///」
「まぁまぁそう声を荒らげないでオーサマー!それに姫様も…そんなに頼まれちゃあ仕方ないなぁ~♪」
現グロドナ神王国国王グロドナ7世。歳相応の貫禄ある初老の老人が頭を下げ助けを乞う。その実の娘、絶世の美女と形容されし麗しの姫君も弱々しくも懇願する。
その彼らが頭を下げる程の対象はと言うと…容姿からしてこの場では場違いな奇抜な服装。まるでヤンキーのように革ジャンを半脱ぎ状態で佇んでいる青年。顔は良いのだが髪は金髪に染められて所々では地毛である黒髪も見え隠れしている。
身長はかなり高くて居るだけで威圧感を感じる程、そして目付きはちょいと鋭い。
そんな正しくワルな男の名前…山下 龍雅。そう…コイツも何か神によってこの世界に呼ばれた奴。
(クックック…いいねぇココ。あんな糞みたいな世界とは大違いだっ!憧れのファンタジーィィ!…そしてカワイコちゃぁんっ!更にチートまであるたぁコレって?もしかしてぇ~~~~♪)
俺TUEEEEE出来ちゃいますねぇぇぇ(笑)
この男の介入により、廻達は…またまたまたまたまた飽きる事なく面倒事に首を突っ込む事になる。
うん…そうだよね。
アレが…後2週間足らずで起きやがる。
その名は…
【バレンタイン】ッ!!
作者「甘いものは大歓迎さぁ!だが、だがたがたがたがたがっ!甘ったるいのはNGじゃあ!」




