19話 対峙するクソ野郎(皆で殴ろ!)
少し遅くなりましたが更新いたしまた!
「さぁて!次へ優の方へレッツゴー!」
私達は囚われていたサーナ達を救出(主に物理を持って強制的に)を見事に成し遂げ、優達が幽閉され奴隷の様に働かされているだろう地下の採掘場まで今まさに一気に駆け抜けている最中だ。
手っ取り早く下へ直行する為に私が床を物理でぶっ壊し続けている。思いの外、強化魔法をかけるまでもなく余裕のよっちゃんで床は崩壊する。それで階段やらよりで下へ行くよりも早く…より早く優達の所へ行けるんだ。
「流石ですねチカさん…」
「メグルさんから聞いていましたが、まさかゴリラに育てられていたなんて…凄いですね!」
「女子力でゼロで戦闘力オーバーフローてwww」
『余り笑うもんじゃないでしょう?私でもアレ位は余裕ですっ!』
う~~~~~ん。イマイチ私のモチベーションが上がらん!もうっ!皆好き放題言いやがって!?
でも殴る?殴って殴る。
不思議と腕も手も痛まない。この私の体の異常な頑丈さが改めて分かってしまう。こんな自分に何度も呆れた事か…
でもそれが今、皆の役に立っている。
物は言いようだしね。だから私は皆のために殴って床をぶっ壊し続けた。
何階まで降りたか分からなくなる程に…
「ドッセイッー!!」
豪快にぶっ壊し続ける。
そして、ある程度までは下に降りれたと思う。
その証拠に…
「なんか上から豪快な音が響いてくると思って来たら…やっぱりゴリラー・地香か~」
「元気そうね優?どう地下での強制労働は?」
「ノーコメント。そっちの方がまだ楽しそうだったみたいだけど?」
「まぁ…否定はしないわ。ガールズトークってヤツも楽しめたし!」
「フッ…それはそれは」
「ユウシャマッ!?あ、あ…会いたかったデスヨォォォォオオオオオオオ!!!!」
「ドゥワットォ~!?」
優とアルトと再開出来たんですもの。
2人にはまぁ、申し訳ないような気もするけどそれはそれ!とにかく早々に巡り会えた事は幸運だった。
「地香。ニエンティさんはどうやら…“奈落”って所の底にいるらしいんだ。結構深いらしいから地香の魔法で皆を運んでくれないか?」
「それなら御安いご用♪…んっ?」
「どうやら…あちらも本気のようだ」
私と優は、誰も居ない筈の廊下を凝視した。何やら嫌な気配を感じ取ったからだ。その予想は案の定当たった。
「皆っ!私に付いて来て!優とアルトっ!」
「あぁ!ここは僕らが食い止めるっ!」
「オーケー♪さっさと片付けてよね!」
その廊下の床の隙間から闇の瘴気が漂い始めた。そこから這い出るように数十…数百の魔族が涌き出る滝の如く現れた。どいつもこいつも気色の悪い薄ら笑いを浮かべている。
私はまず真っ先に言うことを聞かなそうなネリアの首根っこを掴んで“奈落”の存在する方向へ急いだ。
“奈落”の居場所が何処にあるか知っている訳ではない。ただ、感じるんだ。
ここよりも深い。
恐らく…地下の採掘場よりも深い。
底などないかのようなもっともっと深い深淵より、ドロドロとしたまるで悪意が具現化して善と言う名の人の心を嘲笑うが如く弄ばんと嗤う。
そんな嫌な気配が、感じ取れるのだ。
そこが恐らく“奈落”の底。私達が目指す場所なのだと、私の中の龍がそう伝えている。
もう一時間もないだろう。30分切ってるんじゃないか?なら、あんな雑魚の相手はしていられない。
だから、否応なしに…一刻も早くニエンティちゃんを救う為に…戦力が必要だ。その為にネリアは必要不可欠な存在。
ネリアの場合。そんな事関係なしに優の元へ行こうとする危険性があるから私が首もとをがっちり掴んでいる。さっきまで抵抗はしていたが、ふと無抵抗になってしまった。
「………………」
(や、やりすぎたかな?)
力の調節をしてなかった故に…ネリアを気絶させてしまった。でも、まぁいいか!他の女性陣は私の意図を察してくれなのか私の後を追ってきている。
後ろの敵は優に任せたし…
何とか間に合う筈だ!
「待ってて!ニエンティちゃんっ!」
私は更に足を早めていく。
☆
「皆っ!私に付いて来て!優とアルトっ!」
「あぁ!ここは僕らが食い止めるっ!」
「オーケー♪さっさと片付けてよね!」
そう言って、地香はネリアの首根っこをがっちりと掴んで連行し、この場を後にした。
あれは明らかに“奈落”の居場所がなんとなくだが、察せているんだろう。なら安心だな。
ここで僕らは敵を出来るだけ引き付けてぶっ倒して地香達の負担を減らそう。
「数は百ちょっとだが、アルト…いけるかい?」
「はいっ!大多数を相手取る時の戦法は!メグル師匠からみっちりと頭に叩きこまれました!」
「そいつは…頼もしいねぇ!」
廻の教えならば…多少の卑怯や姑息にも程があるやり方を見る事になるかもしれないが…そこは気にしないさ。慣れたしね、それよりもアルト君が前よりも勇者っぽくなった事に感銘を受けたよ。
これなら、背中を預けても大丈夫だ。
「僕は右を!」「じゃあ僕は左で!」
僕は右の前方の敵に向かって早速開幕速攻を仕掛けた。
「散れっ!【アルフレアボム】っ!!」
敵の周囲に複数の球状の炎が召喚され、僕が指を鳴らすと同時にその球状の炎の塊は猛烈に爆発した。
「うぎゃぁーーーー!?」「ウブェェェエ!!?」
「ウギャゥッ!?」「アギャァァァー??!」
何の考えもなしに突撃してきた4~5体は焼き焦がしただろう。後は早くに反応し避けた。
アルトの方はというと…
「クソッ!?あのジャリガキっ!一体何処に―」
「後ろですっ!」
「なっ―グアッ!?」
一体の魔族の男の背中が突然、血飛沫を上げ倒れた。
そして何も無い所から突然、アルトがひょいっと顔を見せてニヤリと笑った。
「メグル師匠直伝!騙し討ちです!」
(ヤベー、勇者じゃなくて暗殺者の道を進んでるんだけど?)
僕は戦慄する。あのアルトも、廻の地獄のシゴキの前ではあぁも変わってしまうのか。もっと前なら勇者っぽさはあったのに、今じゃ立派なアサシンじゃん!
「まぁ、別にいいか【ヘルブレイズ】!【カオスティックブレス】!【永遠の業火】!」
それはもう、廻のせいで見飽きたから。
僕は魔法をボンボンと打ち放つ。
断末魔を上げる事なく。苦痛に顔を歪ませる事もない。僕なりの慈悲はコイツらにやってはいる。
それでも…
(引く気がないからなぁ~)
あれだけ派手に仲間を焼き殺しても怯む様子がまるでない。それどころか目を離した隙にドンドンと、絶え間なく増え続けるので面倒だ。
「でりゃぁ!」
アルトは、まだ余裕な様子だ。
的確に相手の攻撃魔法をいなし、相手が自分から目を離した見るや否や直ぐに透明化し背後を取り切り伏せる。
自分と相手の間合いを把握しての行動…卑怯な手段も厭わなくなってきたその冷徹な心…まるで廻じゃん!
「さて、この調子じゃ“奈落”の中って所はこっちよりか百倍は酷そうだ。まぁ…地香がいりゃ何とかなるけど…」
僕は地香を信頼してこの先を任せたんだ。
最後まで信じ抜いて見せるよ。
「塵芥と化せ!【ヴォルテニックス・バーンズ】っ!!」
僕は視界に移る物を見境なく焼き殺す終焉の炎を、哀れな魔族の大群どもに放った。
次回っ!
遂に地香が“奈落”へとgo!go!
そして糞野郎に一発かませるのか!?
お楽しみに!




