13話 とある姉妹のお話
夜分に申し訳ない!
更新致しました!
ニエンティとナーフェルの過去的な話です!
よぉ!ご機嫌麗しゅう。
はぁ?俺様が誰だってぇ?
そんなの、絶賛第3章で悪役張ってる魔族の男に決まってるだろーが!まぁ俺様にはちゃんとしたダンディーな名前があるんだが、それはまた今度にご紹介致すぜ。あの俺様の現契約者様がよぉ~~~“おい!”とか“お前!”とかさぁ熟年夫婦じゃないんだから中々俺様の名前を呼ばねぇんだよ!でも、俺には愛しのフィアンセがいるからあんなのと一緒に夫婦呼ばわりされるのは癪過ぎるぜ!
それで俺様が“ここ”に何の用かだとぉ?
それは俺様の気紛れと言うか暇潰しにテメーらが勝手に付き合って貰おうかと思ってよぉ~
面白い話を特別に話してやろうかなぁ~って、ここにお邪魔しに来た訳だぜ!
聞く奴によっちゃあ~面白くも何ともなかったり、唯唯暗かったりするお話しかも知れないがそんな奴はベットで母ちゃんにおとぎ話でも読み聞かせて貰え。その方がまだ有意義かもだぜ。
それがカッコ悪いと思ったり、もうそんな年じゃなかったり、ウチの母ちゃん…そんな事一度もしてくれなかったりした暇な人達位には聞いて欲しいもんだねぇ~~~!
このお話しはとある姉妹の日常が、とあるイケメン過ぎる悪魔によって幸せな日常がぶっ壊される悲劇の物語的な展開となっておりますぅぅぅぅぅ!
てか悪魔が関わってくる物語て、どーせロクな結末にならなi―
☆
後悔とは…“棘”だ。
心の奥底に深く食い込んで放さない。それでいて、いつまでも自分の心を傷付け傷を深くする。そんな厄介な代物だ。
『あの時、もうちょっと早くに行っておけば!』
『あの時、勇気を出してれば…』
『あの時、あっちを選んでたら!』
皆、大小問わず様々な後悔と言う“棘”を心に潜めその痛みに耐えて生きている者もいれば、それはもう昔の事だ今更後悔しても遅いと思ってその“棘”を簡単に抜く者もいる。
後者はそれこそ些細な後悔をした時に思うモノだろう。だが、前者となるとそうは行かなくなる。
穏やかな生活、充実した暮らし、日向の道を往く者はその深き痛みを和らげて生きているだろう。けど、取り返しの付かない事をしたとなるとそうは行かないモノだ。
自らを追い込み日向から目を反らし闇の世界へと足を運ぶ事も多少はある。
これは、とある姉妹を巡る《愛と後悔の物語》
☆
「おねえさまおねえさまっ!今日ね、王宮の庭でケガをしていた鳥さんの傷を治してあげたの!」
「ふふっニエンティは優しい子ね。もう回復魔法をモノにしているなんて…」
「えへへっ、おねえさまに教えて貰ったかいがあったわ!」
まだ、初代女帝が王位を持ちご健在だった頃からこのお話の幕が上がる。
その頃のニエンティとナーフェル姉妹は仲がとても良かった。姉は才覚に溢れ皆に物を教えるのに卓越していた。そんな天才肌の姉の英才教育を受けたかいあって妹のニエンティも魔法の才を徐々に表し始めていた。
そして初代女帝、実の母親と過ごしたとても心が穏やかになる、そんな彼女にとっては掛け替えのない幼少時代だった。
だがそんな日常もある日、初代女帝が突然失踪なさった事で徐々に崩れ去りました。
理由は恐らく、彼女の命の恩人とも言えるシナ様を探す旅に1人で出て行かれたのだとか、様々な憶測が立てられていました。
そして、まだ百二十歳のお姉様が後を継ぎこの国を治めるに相応しい器になるべく日々修練に励んでいました。
そこからドンドン彼女達の関係は崩れ去りました。偉大なる母が我が元を去り、まだ若輩ながら一国の主として生きなければならない重圧。それが彼女を、ナーフェルを冷徹なる女帝の道へと歩ませる。
そして、そんな彼女とロクに会話する時間も貰えない妹のニエンティ。
彼女達の溝は知らず知らずの内により深く広がってしまったのです。
ですが、ナーフェルだって最愛の妹であるニエンティを放ったらかしにしたくありませんでした。ですが、母と共に国を支えていた家臣達からの過大な期待と国民達の羨望の眼差しを向けられ、彼女は自分が最も敬愛する母の様な存在にならなければいけなかった。
その為に一刻も早く一部の隙も無く可憐で叡知に溢れ、皆がひれ伏す程のカリスマ、母の様な完璧な存在となる為に時間を費やす道を選んだのだ。
その事と、その姉が選んだ苦悩の道を妹は何となくだが理解していた。その為、彼女も姉とはなるべく関わらない様にしたのだ。
『自分は邪魔だ』と。
姉に迷惑をかけまいと、彼女はそう誓ったのだ。
だが、そんな日々を何十年か過ごしたある日。想像もしなかった出来事が起こってしまった。
ある時、エイリュフォンに侵入し財宝をかっさらおうとした賊の集団が現れた。勿論、賊達の殆んどは財宝が眠る王宮にたどり着く前に兵士達に拘束。
だが、唯一王宮内にたどり着いた賊の1人の魔術師。彼は王宮内で追ってくる衛兵から逃げる際に、運悪く賊と鉢合わせしてしまったニエンティを人質にした。
人質を手にした賊はそれはそれは調子に乗った。現女帝の妹君を人質に取られたとなっちゃあ手も出せる筈が無い。
だが、姉は非情になる事を徹した。
『男なんぞに屈しない!』
その振る舞いこそが、このエイリュフォンの女帝としての在り方と知った上で…
女帝の判断に焦った賊の魔術師は最後の手段に出た。賊の魔術師が得意としていたのは召喚魔法。自身と契約下にある魔物や精霊達を召喚し使役したりする。
だが禁術として、悪魔の力をその身に宿す方法が密かに存在していた。なのだが、その悪魔に該当するのは…十中八九中立界で彷徨う“魔族”の魂な訳で…
魔術師の男は一応その禁術を、人質に取っているニエンティの魔力を糧に発動させた。その影響なのか、ニエンティの元々は白く姉に負けず時劣らずの色白肌だったのが、魔族を呼び寄せた際に魔族が発する負のオーラに当てられ過ぎて褐色肌となってしまったのだ。
そして、十中八九と言うべきか魔術師の男の体を乗っ取り魔族は現界した。
『さぁて。“どうぞ入って下さい”とばかりにあの禁術使った馬鹿の体を拠り所にどうにか肉体はゲッツしたなぁ。さっさと準備しとかな…きゃ…?』
彼は自分が肩を抱いている(正確には知らない内にだが)女の顔を見た。そして…
(ど、ど…ドドドドドドドドッ!ドストレェェェェェェェェトォォォォォォォォォッ!!!)
驚愕っ!彼にとってニエンティはまだ人間年齢に換算して10才辺りからど真ん中をぶち抜いた好み中の好みだったのだ。
『俺様イゲラム!なぁそこのレディ?この、イカす俺様のフィアンセにならないKA☆』
「「「「「…………えっ?」」」」」
その場を目撃した一同は、余りにも超急展開過ぎて理解が追い付かない状態なのに、トドメを指すかの様な一撃をお見舞いされ1番困惑しているだろうニエンティと同じ声を上げてしまった。
だが、だがしかし。
「ふ、ふ…ふざけんじゃないわよっ!このクソガァァァァァァァァァ!!!ニエンティの〇〇を奪っていいのは姉であるこの私だけよぉぉぉぉぉ!!!…………………………―っあ!」
姉が最後に、トンデモナイ爆弾発言をもう半壊寸前の都市に容赦無く投下したのだった。
☆
「―っは!?私は、今何を…」
『思い出したかい?俺様のフィアンセよ』
「貴方は…イゲラム!?」
『俺様の名前も思い出してくれた様で嬉しい限りだぜ。お前の姉貴のあの発言がぶっ飛んだ後に、アイツ…トンデモナイ速さでお前の元に移動してきたと思ったらそのまま(強制的に)眠らせて記憶を弄りやがったんだからなぁ~まぁあんな台詞、文字通り記憶から消したい位のカミングアウト…アウト発言だもんな』
私は…目を覚ますと、薄暗くて気持ち悪い匂いが漂う何処かで体を鎖で縛られ拘束されていた。
夢でみたあの光景…何故だが懐かしさがあった。
まさか…まさか!
「アレって…」
『ご明察!流石は俺様のフィアンセ、美しくもあり賢いな。そう、アレはお前のドシスコン姉貴によって封じ込められていたお前の記憶だ。百年経ってようやくと言った所か?効果が薄れてたんでな、解いてやったんだ。全く…スゲー厳重な記憶封印だったな、末恐ろしい姉貴だよ二重の意味で…』
アレが…私の封じられていた記憶。そう言われたらそうなのだろう。私が現にアイツとは初対面とは思えなかったし、アイツの名前も記憶の片隅に覚えていた。
でも私は…
(お姉様…そう言う気質があったのは、チラホラ知ってたけど…まさか…それすらも越えてたなんて!?)
お姉様の完璧なイメージが瓦解してしまう場面を思い出してしまって私はショックで暫く放心していた。
イメージ!!!!
崩・壊!
ナーフェル幼少期(あぁ私の愛しいニエンティィィィィィィ!!!今日もカワユスギス!ハァハァ脇か首元スハスハしたいおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!でも、でもでもでもでもでもでもでもデモ活動っ!そんな女性同士での〇〇〇は何とかお母様が頑張ったお陰で成せたけど、〇〇〇〇は法律化出来ないから無理じゃんっ!?チックショォォォォォォォ!!!!!採用しようとしても認められる訳ないし、ニエンティにも幻滅させられそう!?(裏声)『お姉様…まさかシスコンの上に〇〇〇〇ご所望なんて最悪です。今までのお姉様のイメージが全部崩れ去りました。もう話し掛けないで下さい。〇〇〇〇な〇〇〇は、視界にも入れたくないので…さようなら。ナーフェルさん(最後まで蔑んだ目と表情)』…………ゴハッ!?無理、ご褒美と割り切るのも無理っ!………はぁ~~~~明日も完璧なお姉様を演じないと…夢の中で妹が〇〇責めに合うシチュを見てるなんて、私でも引くからね…)
そんな事を思いながら眠るナーフェル(幼少期)であった。
こんな姉をもったら自分はグレるか、姉の事を嫌いになりますね。確実に…




