廻の巡る物語2話 小さな出来事と大きな戒めの傷と初めての覚悟を巡る
長くなったな。
でも、お楽しみどうぞ!
今、彼が見ている場面は2人との思い出。そして、彼が力に執着し変わったキッカケので出来事の場面。この出来事を彼は一生忘れる事はないだろう。
☆
そんなこんなで、僕は2人に振り回される。毎日毎日遊びに誘われるのは当たり前になって来たし、それによって家の両親と仲良くなっき来ている始末。フザケンナ!勝手に人の許可無しに家上がってジュースとお菓子を貪りやがって、それから遊びに誘われるのが定番になった。そしてその遊びがハード過ぎる。
「ほらほら、こっとだよー!」
「うえっ…ちょっ、まっ待ってぇ~」
アイツの体力がもう”体力バカ”と言えばいいのか、底なしじゃあねーかぁー!僕がインドア派だから元々普通の子より体力が無いのは分かっていたがアイツら化け物じゃねーかぁー!2~3時間ぶっ通しで走ってもまだやる気のようだし。鬼ごっこで僕が鬼になると一向に捕まらなくでコッチが早々にダウンする。
(くっ……そぉ~~~!バケモノがぁ~~~)
パタリと倒れ、心の叫びが脳にこだました。これまで外で遊んだ事が全然無かった僕の健康状態には遊ぶ行為は運動と同義だから良いものかも知れないが、相手があんな化け物じゃあ健康もクソも無い。いずれ、体調が壊れる。崩れるじゃなく”壊れる”だ!僕の健康を害していやがる!だが、母親に言った所で…
『あらぁ~~~やっと子供らしくお友達と遊ぶめぐるちゃんの姿が見れて、お母さん…グスッ、嬉しいわぁーーー』
何故か泣く始末。
そんで持って父親は…
『何ぃ言ってんだ!お前が友達を持ったなんて最初はあり得なかったんだが、見ていて分かった。あの子達はいい子だ!大切にしろよ!』
グッ!!!
いや、親指立てられてもな。
そう、僕が親に敵害心を持ったのはこの時が初めてだったかも知れない。
そういう訳で二人とも話を聞かないのだ。
困ったよ全く……………だが
アイツらが僕を遊びに連れてってくれてお蔭で外に出て新しい発見をする事が出来た。
アイツらが毎日僕にかまってくれるお蔭で毎日が退屈だと思わなくなった。
アイツらが一緒にご飯を食べにくるお蔭で何故か一人の時より美味しく感じるようになった。
不本意だがな!
そして、今まで何とも思っていなかった明日の事が気になるようになった。悪い意味でだ!またアイツらに振り回されるんじゃないかと心配だからな。
でも、寝付けない事は何故か無かった。
☆
翌日、幼稚園に行く日だ。まだあそこだけは慣れない、どうしてかって?だってさぁー
キャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッ
…………………………ウッセーンダヨナァー!!!
子供達のやかましい声が僕の耳に響いて幼稚園には場違いに感じる、つーか場違いにもはだはだしい中学校の参考書が読めないじゃあないか!どーしても慣れないんだよな。1ヶ月以上は経ってもこの雰囲気が慣れない。やかまし過ぎる、でももっとやかましい奴らが目の前に居るんだけどな。
「なぁーめぐる、あそぼーぜ!」
「………やだ」
「なんでさぁ~~~」
「暑いしダルイ」
「まだ夏でもなんでもねーぞー」
「………だが断る」
「でも、いこーよ!」
「……………………」
無視は上策であったが、奴ら相手には愚策であった。
「ちかも何かいってよーー!」
「わたしもやりたーい!だからやろーよ!」
相手の援軍が到着。もうこれで奴らは意見を変えない。
「「あ~~そ~~ぼ~~!!」」
「………はぁ~~~分かったよ」
頑固なんだよ!二人とも。僕が諦めるまで絶対に意見を変えない、その内僕は馬鹿らしくなって諦めて遊びに付き合うのがいつものパターンになってきている。
そんでもって付き合ったら最後、ただの鬼ごっこで潰された。そんで帰ってスイーツタイムにしてからベッドにインする。
それが毎日の僕の日常。
朝起きるとアイツらが居て一緒に飯を食って、その後遊びに付き合わされヘトヘトにされ、帰ったらおやつも一緒に食べたりと散々だよ!
今まではどちらかと言うと一人が良かった。一人の方が気楽だ、自分のやりたい事がいつでもどこでもしていられる。誰かの気を使う事も無い。それに一人の方が僕は集中出来るタイプだ。それに一人でも別段怖くは無い。
でもさ…
「何故だろう…」
ベッドに寝そべりながら考える。
――何でこうも毎日が充実してるんだろう――
そして瞼を閉じた。
☆
それから年中辺りになり僕らは5才となった。5歳児って結構活発なんだわ!そしてコイツらも超活発で遊びも去年より超ハードになった感がある。いや、実際ただの鬼ごっこで僕は死屍累々の状態になった。
「…………ぁ~くぅ~~そ~~~この、バケモ――」
バタッ!!
何回熱中症と脱水症状を起こした事か。夏でも無いのに!そんな毎日が多々あった。
そして、”僕”の人生が変わる出来事が起きた。
一年経っても僕は普通の子よりもまだ浮いている存在だった。だからちょっかいを掛けてくる奴らは少なくなかった。大抵の奴らは気の向くまま考えも無く面白半分に弄るだけ弄ったらさっさと帰っていった。そんな奴らが多い、その程度なら問題は無かった。
だが、問題はあのガキどもだ!
最近ガキ大将ぶってる”ジャ〇アン小僧達”ソイツらが中心に俺にちょっかい…いや、イジワルをしてくる。
まぁーやってくるのは程度の低すぎて今じゃあメジャーじゃね!って位のやつだ。どれも言葉で責めてくる、だから無視が一番最適!下手に言い返すよりも無視を続ける方がいい、ムキになったら負けだとも取れる。最終的に帰っていってしまうのは相手の方だからな。この程度のイジワルはもう慣れた。
だが、僕は知らなかった。人とは、怖いモノだと。自らを制御出来ないような事態に陥り、その行為をエスカレートさせるモノだと。
その”出来事”の発端は帰りの時だった。
僕はガキ大将の粋がってやがる”ジャ〇アン小僧”の奴らに”イジメ”られた。どっかの原っぱにいきなり連れてこられ、数の暴力って言うやつに完膚なきまでに殴られ蹴られの連続だった。
「このっ!このこのっ!ちょっーーーしこいてんじゃねーぞコラッ!前々からメザワリだったんだよ!」
「うりゃっ!うりゃーーー!」
「ちぇっ!やっぱ泣かねーなぁー!ツマンネー」
「もっとやって泣かせヨーゼー」
「そいつはいーなぁー!おりゃあー!」
こうやって一方的な暴力を振るわれている。
僕は今まで一度も涙を流した事はない。幼児の時は泣くことは少しあったかもしれないけど。それは幼児の仕事としてノーカン。物心突いた時から泣いた事はないと自負している。
こんなモノ痛くとも、苦しくとも、涙なんかちっとも出やしない。僕が耐えればいいんだ。そうすりゃあ、コイツらの気の済めば解放される。
「毎回毎回すました顔しやがってウゼーんだよ!」
どうやらこいつは僕の事…存在自体が気に食わないらしい。目を見てみると何か黒いものがドロドロした嫌な感じだった。そんな感じが本気でするのがコイツだけで他のやつは、アイツに言われて仕方なくやってるか、軽い気晴らしにやってるかのどちらかだろう。
あぁ、コイツらクズだ。
気が付けば僕はもう身体中かすり傷に血も出てきた。泥まみれで靴跡も付いている。アザも多分できているのだろう。それでも止めない。まだ気が晴れていないのだろうか。
抵抗の一つでもやってやれ。と、言われるかも知れないがやっていたらこれよりももっと酷い事になってるし、実際僕は弱かった。
この世は弱肉強食。弱い奴は強い奴に搾取されるが世の理。抗っても意味はない事位僕でも分かっている。
だからこのまま―
「おいっ!コイツいじめるのつまんなくなったなぁー。あっそーだーコイツとくっついてるあの2人をイジメよーぜ!」
「「「「さんせーい!!!!」」」」
!?
下卑な笑いが耳元に響いてくる。
プチッ―
そこで僕の中の何かが切れた。僕は力の限りを振り絞って、立ち上がった。
「なっあ!なにぃーーー!」
ゆっくりと血反吐を破棄散らしながら、それでも立った。でも不思議だ、どうして立てたのだろうか。多分それは…
「おまっ!何で立っていられるんだ!」
それは―
「テメーらの相手は僕だろーーがぁーーー!」
初めてだ。こえやって力の限り、自分の気持ちを感情のまま吐き出したのは。そして初めてだ。
僕は今”怒っている”
僕1人で解決出来る問題だったはずなのに、他の奴がコイツらの鬱憤気らしの為に傷つくのが耐えられない。
よりによってアイツらとは、なお耐える事は出来ない。
でもこれは決して情が移った訳じゃない。
「何となく、人を巻き込むなんて…そんなの、そんなの後味が悪くてしょーがねぇーーー!」
僕はジャ〇アン小僧に一発パンチを食らわせた。
「へっ?ごふぅあーー!!」
人生で初めて人を殴った。その初めてのパンチは見事に決まった。あの野郎は派手に血を吹き出しやだった。
何だろう気分がいい。これなら―
「よしっ下克―」グシャッ!
下克上にはならなかった。
目を覚ますとまた僕は地面に倒れ混んでいた。他の奴らを殴ろうとした瞬間、すぐに反撃に逢い再びリンチにされた。
だが
「お前ら何してんだぁ!」
「あっめぐるだよゆう!」
「アイツらめぐるをっ?くっ、よくもぉーーー!」
「「今助けるぞーーー!」」
あの2人が来た。僕を真っ先に助けてくれた。アイツらを引き離して草原を駆ける。
「お…お前ら」
「そんなことよりどーした!アイツらにやられたのか?」
「まぁーな、お前…らは逃げ…ろ」
「でも!」
「僕の問題…だから、逃げろ!」
「「いやだ!」」
「えっ!?」
「あいつらは僕たちが何とかするから、めぐるはここにいて」
「………えっ」
アイツらの背中が眩しく見えた。僕は何でも自分で出来ると思ってた。だからこんな事位でへこたれたり助けを求めたりする気は無かった。でも、
「お願い…助…けて」
「「わかった!!」」
初めてだ。誰かに助けを求めるなんてな。
そしてアイツらの夕陽を背に走り出した。
☆
結果的に言えば、アイツら苛めっ子をボコボコにした。勝ってくれたんだ。それでアイツらは僕と一緒に寝そべった。
「もう、大丈夫だよ!」
「だから”泣かないで”」
「えっはぁ?!」
そこで初めて理解した。僕は涙を流している事に。そう言われた瞬間泣き叫んだ。
泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて
泣き叫び続けた。アイツらはそんな僕と一緒に居てくれた。長い時間を…
「なぁーめぐる?額にキズ出来てるぞ」
「えっあぁ」
多分イジメられている最中に出来たのだろうか。それよりも、アイツらの傷の方がよっぽど痛々しかった。
「なぁお前ら!」
「「?!」」
ここで”僕”は覚悟を決めた。
「約束…する。僕は………俺は…おまえらに、もう、二度と絶対に”助けて”なんて言わない、《最強の男》になるからな!だから、おまえらも約束…しろよ!」
僕はいや、俺はアイツらに守られて不思議な感覚があった。それは悔しさだって理解出来た。俺にとってあの出来事はアイツらに大きな借りを作ることになってしまった。
だから返す。最強になればいつかアイツらに借りを返す事が出来ると思ったから。”助けて”と言う救いの言葉はもう述べたくないから。
この傷は戒めだ。
俺が弱くなきゃこんな傷は付いてないし、アイツらも傷つかなかった。この強くなる覚悟はこの戒めも共にある。
「あぁー!約束だな!」
「うんっそーしよ!」
「全く」
夕焼け空の下で指切り拳万をした。
これが他愛もない出来事と傷の戒めと覚悟の記憶である。
次で過去篇は最後かな。
最後は死ぬ前の話だよ。




