廻の巡る物語1話 空っぽの少年とお気楽太陽の出会いを巡る
ついに廻の過去篇1話!投稿出来ました。
どうぞご覧下さい!
彼が何処でもない場所でその瞳に写したのは、言わば”走馬灯”とも言うべきもの。
最初に写った光景は、優と地香に初めて出会った場面だ。
初めはそう、偶然にしろ必然にしろ…
どっちにしろ、ここから彼は苦労の絶えない鬱陶しく活面倒臭い災難で不幸な人生を送ったんだと今でも、死ぬかも知れない寸前でもその考えは変わらなかった。
☆
彼、仕恩廻と言う男は16歳とまだ未熟活比較的浅い人生経験者ではあるが、彼は比較的他の人より濃い人生経験者でもある。
彼の生まれ育った環境は至って普通、ありふれたと言えるし安定したなに不自由もない家庭に産まれたのである。けど、彼は普通の子よりも”自立心”と言うべきものが、たったの3歳前後で発達したのだった。
それ以前に乳児期から幼児期に駆けて泣く回数、オネショ等が他の子と比べ圧倒的に少なすぎたのだ。しかも泣いた時はただ涙を数敵流しただけで、だけで!終わり、泣き叫んだ事は一度も無かった。しかもオネショ、オモラシは全くしていないと来た。こんな子は手が全く掛からない偉い子って言うんだろうが常軌を逸していた。
彼の両親はそんな事は気にせずに、彼に愛情を込めて育てていった。でも、彼は3歳の段階で絵本を自分で読み、しかもスラスラと滑舌達者に。歩く練習、走る練習もすんなりこなした。自分でトイレに行ったり、自分で箸を持ち器用に食べ、自分でオモチャや洋服の片付けもこなしてきた。その発達が早くに来た”自立心”により、彼は将来は有望な人物になるのではと思われていた。彼は自分の進むべき未来を見据えて、勉強に励み社会に貢献するのではと、近所や町中でも評判になっていた。
だが、仕恩廻は…夢を持たない子だった。
子供の時とかに、将来憧れる職業があったりする。男の子とかは「野球選手になりたい」だの「仮面ライダーになるぞー!」だったりします。女の子は「私アイドルになるー」だの「歌手になりたーい」だったり?かな。
彼は自立心が発達して自分の将来の事も考えてはいるが、それは自分が親に対してどんな恩返しをすればいいかと言う”親孝行”についての事なのです。
「将来、どんな事をすれば僕みたいな子供が両親に”親孝行”と言うものが出来るのだろうか?”公務員”?はたまた”政治家”?」
子供らしい夢の欠片もないですね。
さて幼稚園に入園する季節になりました。夢が溢れ和やかで新しい出会いが始まるこの時期、子供達の殆んどはこの日を楽しみにしていたことでしょう。…ただ彼を除いては。そう、仕恩廻です。
わいわい騒ぐワンパクな子供達が集まる幼稚園に、こんな夢も子供らしさの欠片もない、その上超がつくほどの人見知りと来たものだ。そんな子はプールに浮かぶ飛ばされて来たビニール袋以上に浮くに決まっている。実際、周囲からは浮きまくった。
そんな子が独特の雰囲気だけで周囲の子を圧倒はしてはいたが、ちょっかいをかける輩はいつの時代でもいるものだ。
「おいっ、ボサボサやろう!聞いてんのか?」
「……………」
「なんとかいえよ!」
当時彼の髪型は、現在の彼とほぼ遜色はない。ガチでボサボサ頭だった。それも周囲から浮いてた理由かもしれない。ちょっかいをかけてくるやんちゃ小僧は昔から無視を決め込むのが鉄則だ。だけど、この小僧は…
「おいてめーら!おもしれーやつがいるぞ!」
「なんだよ!」
「あぁー」
「だれだこいつ?」
「つまんなそー」
将来、ジャ〇アンの地位に着きそうな”ジャ〇アン小僧”だったのだ。そのジャ〇アン小僧は手下のス〇夫A・B・C・Dを呼んだ。
5対1…卑怯じゃね!
つーか、数云々以前に当時の仕恩廻君の戦闘力は猫にすら負けてしまうほど弱い!けど、現在の彼の戦闘力は鯨を単体で銛持って巣潜りで狩ってくることができ、それを五ツ星料理職人級の腕前で料理して、店出せるんじゃね!って位の評価を美食家から貰えるほどに成長しております。けど、まだそれは先の話なので置いときますね。
当時の彼は根っからのインドア派で、「運動なにそれ美味しいの?」って位言うほど運動は一分もしていない。全て読書、睡眠等に費やしている彼にとって、同い年5人にケンカを振られたのが彼にとって最大のピンチなのである。
「なんとかいってみろよネクラ!」
「…だまれ」
「んだとぉー!」
しかも、彼はコミュニケーション能力が低すぎという欠点があるので、人とどうゆう風に話せばいいのか分からないのでこうやって怒らせてしまうのである。
「みんな、やっちまおーぜ!」
「「「「おぉーーー!!!!」」」」
こう言う悪態を付くのは、現在と変わらないのだ。そうして、相手をムカつかせる…後先関係なしに。
(どうする、逃げるか?)
今逃げれば、殴られずに済むだろう。さぁーそうと決めたら逃げ―
「「ケンカはダメーーーー!!」」
「「「「「「?!」」」」」」
彼も含めて一同は突然の大声に動きを止めた。振り返って見ると、そこには2人組の子供がいた。1人は少年、1人は少女だ。その2人は彼の元まで走ってきて。
「ケンカはダメだよー!」
「そうそう、仲良くしなきゃ!」
そんな事を言って宥めてくる2人に彼はたじろいだ。
「ちっ、お前らいくぞ」
そう吐き捨てて、ジャ〇アン小僧一派はそそくさと逃げていった。取り敢えずは2人のお蔭で殴られずに済んだので、馬鹿ぽっいけどお礼は言わなければならないな。
「あの、この度はどうもありが―」
「ねぇーそれよりも、いっしょにあそぼうよ!」
「そうだよー!」
「えっ?」
突然の誘いに彼は驚いてしまった。
「えっどうして?」
「いいじゃんべつにもう”ともだち”なんだし!」
「そうそう」
「はっ?」
いきなり過ぎてまた頭が追い付かなくなった。
いつ…
どこで…
だれが…
そう言った。
いや、一度たりとも言った記憶は無い。
とにかく、言った覚えの無いことは否定しようという思想を持っていたので、否定しようとしたら。
「知り合えばもう”ともだち”だよ!」
そんな幼稚すぎる論理で論破された。それ以降、訂正されることはなかった。頑固過ぎる。こんなに頑固になるもんかな?その内馬鹿らしくなってコッチから諦めた。それたら2人とも喜んだ、そして遊びに付き合わされた。
とにかく、ハードと言わざるを得なかった。
鬼ごっことかはやったことはなかったので、ルールを自慢気に教わったのは屈辱だった。さらに、運動をしたことがないので鬼になった瞬間汗だくになるまで2人を追いかけ回した。でも、元々運動神経がいいのか、コッチがひ弱なのか、一向に捕まらなかった。遊ぶというより、半ば2人に遊ばれた感じだった。
そんなこんなでクタクタになった状態で家に帰ってきた。母親からは、
「どうしたの?」
「いや、遊んで来たというか、遊ばれたというか…」
「まぁー、やっと遊ぶお友達が出来たのね!良かった、お母さん心配だったのよ、廻ちゃんがちゃんとお友達作れるかどうか」
「ちゃん付けは止めて!」
「ゴメンゴメンついつい!それでお友達のお名前は?」
「”ともしびゆう”と”やえざかちか”って奴ら」
「まぁ~~~ゆうくんにちかちゃんねぇ~~~、いいお友達出来て良かったわ~~~」
お気楽な母親に呆れ彼は自分のベッドに寝そべった。
「またアイツら…遊びに来るのかな?いや、もうくるな!」
そう、これが仕恩廻と灯火優と八重坂地香の初めての出会いの記憶である。
ここから彼は人生を大きく変えるキッカケとなった。
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