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1-432 忸怩たる思いと教え子と…

春高バレー全国大会には

出られることが決まった

翼と西北女子バレー部。

('ω')


けど…翼のゴールはもっと

先にあるわけで、、



「(議長)…つまり、(゜c゜;)

 鷹村翼選手が将来の日本代表に

 選ぶべきかどうかを、、

 今ここで決めるんですか??」

「(中立派)…違いますよ。(^^;)

 代表に選ぶべきかは春高での

 活躍ぶりを見てからでしょ。」


「(議長)では何を!?(;`c´)/

 鷹村選手の出場は決まりました

 からそれでいいでしょ、、

 私は議長として今回の会議の

 趣旨に反する議題は、、」

「(中立派)けど鷹村選手の今後…

 春高が終わった後の扱いについて

 は早めに決めておくべは??」



「(議員)…たしかに、(;´・ω・)

 我々女子大のバレー部としても、

 彼女が今後とも女子の試合に

 出場できるかについてはここで

 決めておいて欲しいですな。。」

「(議員)…仮に試合には使えても

 代表になれる可能性のない選手は

 広告塔としての価値が低い。。

 そこは決めておいてもらわないと

 実業団としては採用に関わる。」


「(議員)…そうですな。。

 この会議には日本バレー協会の

 多々良会長も出席されている。。

 そのご意向は伺うべきかと……」


『(大内)…(´゜N゜`;)』

「(多々良会長)…(;´・n・;)」



 …1981年11月15日、、


 日本バレー協会はちょっとした

 分岐点に差し掛かってます。

 (。´・ω・)


 その契機は春高バレー県予選で…


 元男性が女子競技に出場したこと。

 (・.・;)


 病気で生殖機能を失ったことを機に

 わずか15歳で性転換して女子選手と

 してバレーを続けることで、


 男子として目指していた五輪出場の

 夢をかなえようとしている選手。。


 鷹村翼。17歳。(`・ω・´)


 旧姓鷲尾。…実は俺の妻です。。


 そんでもってその鷹村翼を擁する

 広島西北高校女子バレー部が

 全国大会出場を決めたから、、


 今日の会議の結果として全国大会

 には出られると決まったけど、、



 議題は…今後。(´゜n゜`;)


 女子選手としての将来についても

 ここで方針を決めちゃいましょう

 ってなりそうなんです。、



 けどこれは…(;・∀・)

 決して悪いことではないと俺は

 思ってしまうんです。


 だって会議には大内先生がいる。


 いざとなれば隣の控室に待機する

 翼の意見も聞かれるだろう。


 つまり翼の将来が勝手に密室で

 決められるという最悪の事態

 だけは避けられそうだから。。


 なのに…(・n・;)



 大内先生が怪訝な顔つき。。


 バレー協会の多々良会長もまた

 気まずそうな表情なんだ。。

 (・.・;)?


 そりゃ…

 一人の高校生の運命を左右する

 責任の重さはあるだろう。


 けどそれは…教師の宿命。。


 今後の日本バレー界の行く末を

 決めるのは重いだろう。


 けどそれも…会長職の責任。。



 なのに…どうやらこの二人には

 それ以外の重みもあるようで。



「(多々良)…それは、(;´・ω・)

 ここで決めるべき事案なのか…

 まず大内の意見を聞きたい。」

「(議長)…ちょっと会長、( ゜Д゜)

 相手は一般の高校教員です。。

 いきなり呼び捨てにするなんて

 立場上マズいですよ。。」


『(大内)…相変わらず、(。-`v-;)

 丸投げする癖はやめなさいって

 何度も言ったよね。。』

「(議長)…大内先生まで、( ゜c゜;)

 会長に向かってタメ口って…」


「(多々良)…そっちこそ、(-v-;)

 まぁ私はお前の件については…

 忸怩たる思いはあるがな、、」

『(大内)…私はその件については

 今さら何もないですよ。。

 けど教え子には同じ轍だけは

 踏ませたくはないと、、、』



 いきなり、、( ゜Д゜)

 大内先生の爆弾発言??


 事情を知らない議長はドン引き。


 少し知ってるベテランの議員も

 こういう会話になるとは思っても

 いなかったみたいで、、


 というか二人の関係は…



 かつての…監督と選手。。

 (;・∀・)


 バレー協会の多々良会長は元は

 女子バレー実業団の強豪、、


 東京紡績の監督。



 そして大内先生は元は…


 バレーボール女子日本代表。


 大学時代に候補に選出されて、

 東京紡績一年目で代表入りした

 過去を持つ…すごい人。。

 \(゜ロ\)(/ロ゜)/


 【詳細は1-161など参照】


 けど社会人三年目の夏に迎えた

 東京五輪(1964)で落選。。


 そしてそのおよそ半年後…


 社会人三年目の冬に退社。。

 バレー選手も引退し高校教師に

 転身した謎の過去を持つ人。。


 【詳細は1-165など参照】


 そして…(;・n・;)



 弱冠25歳の大内選手に引退と

 退社を勧告した当事者こそ

 当時の東京紡績の監督にして、


 現在の日本バレーボール協会の

 多々良会長。( ゜Д゜)



 この二人の関係を知る人は

 協会の中でも少ない。。


 けど当人たちの間では当然の

 ように思いがあるわけで、、



『(大内)そりゃ…(;v;)

 忸怩たる思いはありますよ。。

 今も悔しくて…

 許せない思いに駆られます。』

「(多々良)……今でも??

 教職に満足していると言って

 いたのはウソなのか??」


『(大内)…それはウソじゃない。。

 教員生活には充足してます。

 けど、(/ω;\)

 それでも今でも思い出すたび…

 ぶん殴ってやりたいって衝動が

 抑えられなくなってます。。』

「(多々良)…おいおい、( ゜n゜;)

 やめてくれよ大内。。

 こちとら70近い爺だぞ、、」


『(大内)…違いますよ、(;v;)

 …私が許せないのは私自身。。

 理解あるフリをして、、

 ルールの範囲内にいるうちに

 夢を手放してしまった自分が…

 ダメに思えて仕方がない。。』

「(多々良)…えっ、(・n・;)」


『(大内)…私は、(´;C;`)

 逃げるべきじゃなかったんだ、、

 たとえ協会に楯突いても…

 日本中を敵に回しても…

 バレーを続けるべきだって、、

 細川たちと一緒にオリンピックに

 行くべきだって、、、

 あの日の私に言ってやりたい…』

「(多々良)…(;´・ω・)、、」

「(議長)…?(;・.・;)?」



 …いきなり、(´゜д゜`)

 なんてこと言うんだ大内先生。。


 今は会議中だぞ。。

 今の発言を理解できる参加者は

 たぶん多々良会長一人だぞ。。


 けどこの発言というか…

 (;´・ω・)


 大内先生…いやバレーボーラー

 大内義子選手の魂の叫びは、

 この後の議論を大きく左右した。


 だってそもそもが大内先生が

 五輪代表に落選したのは、、


 日本バレーボール協会が彼女を

 受け入れなかった理由こそ、、


 性別問題だから。( ゜n゜)、、



 セックスチェックが問題になり

 始めた1964年に開催された、

 東京オリンピック。。


 正式にチェックが始まったのは

 1968年からだがこの時の日本は

 お試し感覚で、一部の選手に

 チェックを行ったらしい。。


 それで行われたチェックの

 一項目に引っかかってしまった

 のが…大内選手。(;´・ω・)



 とはいえその項目は有利不利に

 大して関わる項目ではない。


 もちろん大内先生は女性。

 ただ成長曲線に関わる遺伝子が

 男性相当だっただけ。。


 けど175㎝一般女性としては

 大柄だけど、バレーボールの

 代表選手としては標準相当。。


 1968年以降に定められた基準に

 おいても問題なかったけど…



 当時のJOCとバレー協会は

 これを認めなかった。。

 (/・ω・)/


 地元開催の五輪には一点の

 疑いも付けたくなかった。。


 そして…


 当時の東京紡績の監督だった

 多々良氏は教え子を…


 大内選手を守れなかった。

 いや…庇うことをしなかった。

 それどころか、、


 彼女の引退を後押しする立場を

 とってしまったらしいんだ。。



 控室で漏れ聞いていた翼は…

 天を仰いで涙したらしい。。

 (´;ω;`)


 会議の参加者はそれぞれに

 思うところがあったらしい。


 だって、、



 誰も悪くはない。(;´・ω・)


 自分がその立場だったなら

 おそらく同じことをする。。


 けど同じ立場なら、、


 教え子を守れなかったことに

 どれほどの後悔が募る、、


 どれだけの傷を誰に与え、

 代わりに何が守られる??


 そしてその後悔を…

 忸怩たる思いを抱えたままに

 なる当事者の涙とは、、、


 だから、、



「(多々良)…やはりな、(:v;)

 あの時の私の判断はやはり…

 誤りだったんだろうな。。」

『(大内)…えっ、(・.・;)』


「(多々良)…あの時、、

 お前を守れなかったことは

 今も後悔している。。

 協会の圧力に跪いてしまった

 ことは認めている。。」

『(大内)…監督、、(;´;ω;)』


「(多々良)ただ…今となっては

 もう詫びることもできん。。

 だからこそいま私からお前に

 言えることは、、」

『(大内)……はい。(`・n・´)』



 教え子を…守ってやれ。。


 たとえ世間に何を言われても

 教え子がルールに則り、

 フェアな戦いを続ける限りは…


 教え子の夢を貫かせてやれ。。



 自分はバレー協会会長として

 今度こそ教え子を、、


 大内とその教え子を守る。


 日本代表への道筋を閉ざす

 ことだけはしない。。


 その発言を…

 出席してバレー関係者全員に

 認めさせたんだ。。



 ただおそらく日本五輪協会。

 JOCとは立場を違える。。


 国際スポーツの場において

 フェアである日本の立場とは

 相容れないかもしれない。


 その時は、、



 まだまだ道は暗闇の中。

 けど、、


 翼と大内先生…そして

 西北バレー部の行くべき

 道は閉ざされていない。。


 その言質だけは…

 とれたのかもしれない。




教え子を守る。


教え子がフェアに戦う限り

その支えとなる。。


今はその思いだけ。

けどそれがある限りは…


まだ道は続く??


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