百年の曲線
閲覧室の長い机の上に、紙が三枚、継ぎ合わせて広げてあった。
七日かかった。
塔の帳簿の写しにある管の名と、記録庫の古い綴りの区の名を一つずつ合わせた。管の行き先は塔の計画図の写しに、昔の区の名は記録庫の地名の綴りに今の名と並べて載っていた。北方第三は北方第三区だった。管の行き先の村の名が区の名簿に三つ同じように載っていて、それでようやく同じ土地だと言えた。行き先の読めない管や、どの管とも結びつかない区は、ヴェルデリカが紙の端に別に書き出した。合ったのは、十一の区だった。
数には、記録庫が年ごとにまとめていた集計を使った。それでも回収の前後だけは、まとめた数を信じなかった。ヴェルデリカとイルザは十一の区について、回収の前後半年ずつの元の届けを一通ずつ出してもらい、書かれた欠けた日を確かめた。いつ欠けたか分からない届けは照合中として別にした。地名の綴りの区割りの頁も見て、その頃に区の境目が変わっていないことを確かめた。
継ぎ合わせた紙には、横に年、縦に区の名が並び、区ごとに一本ずつ細い線が引いてあった。線は年ごとの欠落の数に合わせて上下し、照合中の数は別の色で線の下に小さく書き添えてあった。脇には、回収の前後一年を月ごとに区切った表がもう一枚置いてあった。
それぞれの線の上に、朱の小さな印が一つずつ打ってあった。
回収の日付だった。
「見ろ」
ヴェルデリカは杖の先で紙の左のほうを指した。
「回収の前にも欠けはある。一や二だ。どの区にもある。回収の前から、局所の欠けは起きていた。これは消せん」
杖の先が朱の印を越えた。
「印の後で、どの線も上がる。三、五、七。上がったり下がったりはするが、回収の前の水準には、百年戻らん」
ヴェルデリカは紙から目を上げた。
「静寂計画の後で欠けが増えた。それは確かだ」
レトは紙を見ていた。
十一本の線。十一の朱の印。
朱の印は紙の上で縦に揃っていなかった。
ある区の印は、左のほう。ある区の印は、それより二年右。もう一つは、さらに一年右。
レトは線の上がりはじめる場所を目で追った。それから、脇の月ごとの表を見た。
印のすぐ後だった。どの区も。
「先生。これ、全部同じ年に上がってるわけじゃない」
ヴェルデリカがレトを見た。
「回収の年が区ごとに違う。上がる年も区ごとに違う。回収の印のすぐ後で上がってる。先に回収した区は、先に上がる。後で回収した区は、後で上がる」
レトは指で二本の線をたどった。左に印がある線。右に印がある線。左の線が上がりはじめた年、右の線はまだ、一や零のままだった。二年遅れて、右の線も上がりはじめた。自分の印のすぐ後で。
「静寂計画の年に、全部が一緒に上がったんじゃない。その区から集めた後で、その区が上がる」
閲覧室が静かになった。
イルザがペンを止めていた。エナがレトの横から紙を覗きこんでいた。ピムが長椅子から立ってきて、机の端に顎を寄せた。
ヴェルデリカは長いあいだ紙を見ていた。
それから杖を机に立てかけて、両手で紙の端を押さえた。顔を近づけて、一本ずつ印と線の上がりはじめを見比べた。
「……北方第三。祖父が順を早めた区だ。七番目から四番目へ。早められた回収のすぐ後から、上がっている」
声が低かった。
「それと、これだ」
ヴェルデリカは古い綴りを一冊開いた。
いちばん古い綴りには、今の綴りにない欄があった。
術害。
「術による事故だ。火が出た、水が逆に流れた、家が傾いた。術を使った者が、使いそこねたもの」
ヴェルデリカは欄の数字を指でなぞった。回収の前は毎月のようにあった。回収の後、その欄には零が続いた。そのうち、欄そのものが綴りから消えていた。
「術害は、回収で減った。欠けは、回収で増えた。祖父の日記には、事故が減った、とある。欠けのことは、回収のあとの一行まで書いていない。……欠けの数は、同じ綴りの隣の欄にあったのに」
イルザが静かに言った。
「同じ年の、別の欄」
「別の物差しだ」
ヴェルデリカは綴りを閉じた。
*
「梁と同じだ」
皆がレトを見た。
「納屋を建て直すとき、古い梁を外す前に仮の柱を立てる。立てないで外すと、外したところから傾く。傾くのは全部一緒じゃない。支えを抜いたところから先に傾く。抜いてないところは、まだ持ってる。そのうちそっちも抜けば、そっちも傾く」
レトは紙の上のずれた朱の印を見た。
「これ、そういう形に見える」
ヴェルデリカはしばらく黙っていた。
「見える、だ。形が似ているだけかもしれん。回収の後で別の何かが起きたのかもしれん。この紙だけでは、魔力が支えだったとは言えん。……梁が本当に梁なのか。それを見ないと」
「見る方法は」
イルザが聞いた。
ヴェルデリカは窓の外を見た。渡り廊下の向こうに、病棟の窓が並んでいた。
「この子のそばで、エナさんは持ちこたえた」
ヴェルデリカはレトを見ずに言った。
「欠けかけたものを、この子のそばでもう一度見る。この子がいるとき、いないとき、また来たとき。……梁を抜いて、戻す」
エナがレトの袖を掴んだ。
「病棟で。病棟の人で、やるの」
「病棟の人がいいと言えばだ。言わなければ、やらん。読み手もだ。係長もだ。あの技師にも、先に紙を出す」
*
紙は三日かけて書いた。
レトが病棟の入口から入り、決めた場所に四半刻座る。病棟を出て、廊下の端を越えた閲覧室の建物で四半刻過ごす。戻って、同じ場所に座る。レトは何もしない。誰にも触れず、手も当てず、ここにいろとも言わない。そこにいて、離れて、また来るだけだった。見えたものや感じたことがあれば、名を書かずに帳面に書きとめ、終わってから係長と本人に見せる。
エナはレトと一緒に動く。離れられないからだ。ヴェルデリカは紙のその行に自分で印をつけた。
「それは、分けられん。器械のそばにいたのが兄なのか妹なのか、分けられんと、私は塔で言った。今度も同じだ。……分けられないことは、分けられないと書いておく」
読み手はいつもどおり読み、読むのをやめない。読みながら、受け持つ人の毛布の上に出た手の向こうに縞が透けるか、透けるなら何本かを、時刻と一緒に書きとめる。イルザは魔力計を病棟の真ん中の台に置いて動かさず、針を時刻と一緒に書く。
受け持つ人の縞が始める前より二本多く透けたら、読み手が手を上げる。係長が廊下の若い職員に合図し、職員が閲覧室の建物まで走って知らせる。走れば百を数えるほどの距離だった。定めた刻に戻るときは手を振るだけ、急ぐときは走って声で呼ぶ。病棟にいる誰か一人でも嫌だと言ったら、全部やめる。一人のところだけ止める方法はないからだ。係長はいつでもやめられる。エナの鈴は、エナ自身が苦しいとき、やめたいときに鳴らす。鳴ったら、全部やめる。
係長は紙を読んで、何か所かに線を引いた。
「病棟を出たあとで悪くなった人がいたら、あなたは戻ってきますね」
「戻ります」
「戻ってきても、良くならなかったら」
レトは答えられなかった。
「それも書いておいてください。戻っても良くならなかったら、そこでやめる。次はない、と」
イルザが書き足した。
係長は病棟の一人一人に、名を外で口にしないこと、何をするのか、いつやめるのか、断っても手当ては変わらないことを話して回った。聞くことは二つあった。レトが病棟にいるあいだ、ここにいてもいいか。自分の様子を紙に書きとめてもいいか。
「この子がいると何が起きるか、まだ分かりません。記録しない人にも、何か起きるかもしれない」
病棟にいること自体を嫌がった人が二人いた。二人はその日の午後だけ、読み手と一緒に隣の小部屋へ移ることになった。残りの寝台のうち、書きとめてもいいと言ったのは九人だった。ほかの人は、いてもいいが書かないでくれと言った。奥の窓を向いた男は、係長に聞かれてしばらく黙っていたが、やがて小さくうなずいた。
ネッタはハスケルが横にいるところで聞かれた。
「やる。釜の試運転みたいなもんでしょ。入れて、抜いて、また入れて、圧を見る」
「お前は、圧じゃない」
「知ってるよ。でも、やる。縞、数えればいいんでしょ。自分で数える。ハスケルさんより私のほうが目がいい」
ハスケルは何か言いかけて、やめた。紙の最後の行に自分で書き足した。病棟の機関の管に異常があれば、ハスケルが止める。それから紙をレトに返した。
「書いてあることだけをやれ。書いてないことが起きたら、止めろ。お前が止めなくても、俺が止める」
*
昼の光が病棟の床に四角く落ちていた。
読み手たちはそれぞれの椅子で帳面を開き、いつもの声で読んでいた。いいと言った九人の寝台では、読み手の膝の上に、時刻と縞の数を書くための紙が一枚ずつ置いてあった。
病棟の真ん中の台で、イルザが魔力計の蓋を開けた。針は目盛りの端の留め金に静かに寄りかかっていた。
係長が壁の時計を見た。
「どうぞ」
レトは病棟の入口から一歩、入った。エナが横にいた。
台の上で、針が留め金を離れた。イルザがペンを動かした。
レトは決めた場所まで歩いた。病棟の真ん中の、台の横の長椅子。エナと並んで座った。
手を膝の上に置いた。誰の方も見ないようにした。見ると、何かをしようとしてしまいそうだった。見ないようにしても、目の端に入ってきた。
奥の寝台の、窓を向いた男。毛布の上に出た手。
指の先が淡かった。毛布の縞が指の向こうに透けていた。
読み手の若い女が男の手を見て、紙に何か書いた。
レトは座っていた。
時計の針が少し進んだ。
男の指の先に、何かが見えた。
目で見ているのとは少し違った。寝台は遠かった。それでも、指先で木目をなぞるように分かった。
淡かった指の縁が少しずつ濃くなっていった。一度に濃くなるのではなかった。縁のあちこちから小さな歯のようなものが伸びて、透けていたところへ食いこんでいった。食いこんだ歯と歯のあいだに、また歯が伸びて、噛み合っていった。
ほぞが、穴に落ちていく。
あの夜、エナの手を握ったときと同じ感触だった。手は握っていないのに。ずっと遠くの寝台なのに。
噛み合わせの形はまっすぐではなかった。鋸の歯のように互い違いに入り組んでいた。木を継ぐとき、蟻の形に削った端を蟻の形の溝に差しこむ。あれに少し似ていた。似ているけれど、違った。木の継ぎ手より、もっと細かくて、もっと不揃いだった。
レトは膝の上の帳面を開いて、炭筆でその形を写した。見えたとおりに。歯の向き。入り組み方。
男の指の先の縞が消えていた。
読み手の若い女が紙に書いた。それから顔を上げて、男の顔を見た。
男は窓のほうを向いていた。けれど、読み手が次の行を読むと、男の口が少し動いた。
「……三尾じゃない。四尾だ」
読み手のペンが止まった。
レトは見ていた。読み手が帳面に線を引いて、横に書き足すのを。四。
ほかの寝台でも、読み手たちが紙に何か書いていた。
四半刻が経って、係長が時計を見た。
「出てください」
レトとエナは病棟を出た。廊下を歩き、渡り廊下を渡って、閲覧室の建物の階段の下に二人で座った。
何も見えなかった。何も聞こえなかった。病棟の窓は、渡り廊下の向こうだった。
四半刻が長かった。
「兄さん。さっき、何か書いてたね」
「……見えたものを」
「何が見えたの」
レトは帳面を開いて、エナに見せた。互い違いの、細かい歯の形。
「あの人の指の縁が、こういうふうにくっついていった」
エナは帳面を見ていた。長いあいだ。
「私のときも、こうだった?」
「分からない。あのときは、見てなかった。……握ってただけだ」
エナは帳面をレトに返した。
急ぎの足音は、来なかった。
定めた刻に、係長の使いの若い職員が、渡り廊下の向こうから手を振った。
戻った。
病棟に入ると、台の上で針がまた留め金を離れた。
レトは同じ長椅子に座った。
*
夕方、閲覧室に皆が集まった。
読み手たちの紙が九枚。イルザの針の紙が一枚。レトの帳面。ヴェルデリカが九枚の紙を時刻ごとに並べた。
九人のうち六人は、レトが入ると縞が一本か二本減った。窓を向いた男は三本減った。レトが出ると、六人の縞は元の数に戻り、それより多くはならなかった。レトが戻ると、また減った。
残りの三人は、どの時刻もほとんど変わらなかった。三人とも、もともと縞がほとんど透けていない人だった。
イルザの紙では、針はレトが入るたびに留め金を離れ、出ていくと留め金に戻っていた。
隣の小部屋へ移った二人も、書きとめなかった人たちも、その日、悪くなったと言った人はいなかった、と係長は伝えてきた。
レトは帳面の歯の形を係長に見せていた。名は書いていなかった。係長は窓を向いた男に、それを見せてよいか聞いた。男は帳面をちらりと見て、どうでもいい、という顔でうなずいた。
「入ると、締まる。抜くと、戻る。……元より悪くはならん」
ヴェルデリカは言った。
「九人だ。一日だ。この子と妹さんを、分けてもいない」
「入ったら、締まる。抜いたら、締まる前に戻る。また入ったら、また締まる」
レトは言った。
「足した支えを抜いたら、足す前に戻った。……あの紙と、向きは同じです。支えを抜いたところが、持たなくなる」
「同じことを繰り返したわけではない」
ヴェルデリカは言った。
「百年前は、もとからあった支えを抜いた。今日は、足して、抜いた。……だが、昔の資料と今日の九人が、同じ見立てを支えている。支えだった、という見立てを」
ヴェルデリカは継ぎ合わせた三枚の紙を、九枚の紙の横に置いた。
十一本の線。ずれた朱の印。
九人の縞の数。入って、出て、また入った時刻。
「百年前に、梁を抜いた」
ヴェルデリカは言った。ゆっくりと、一語ずつ。
「欠けを止めるために、術を集めた。術害は減った。だが術は、どこかで、この世を支えてもいた。……城壁の石と同じように。石を一つずつ抜いていった区から、壁が崩れていった」
ヴェルデリカは窓の外を見た。ケルンハイムの城壁が夕日の中に黒く横たわっていた。
「魔力は、壁の一部だった」
誰も、すぐには何も言わなかった。
イルザが口を開いた。
「なら、戻せばいい、ということになりますか」
ヴェルデリカはイルザを見た。
「ならん。抜いた石は、どこへ行った。塔だ。塔の底だ。……あれを戻すのに何をすればいいのか、誰にも分からん。戻した途端に術害が戻るかもしれん。戻し方を間違えれば、欠けより悪いことになるかもしれん。それに」
ヴェルデリカはレトを見た。
「この子を、壁の前に立たせ続けるのか。どこへも行けずに」
レトは何も言わなかった。
帳面を見ていた。互い違いの歯の形。
エナが帳面の端を指で押さえていた。
「戻せば何でもいい、ではない」
ヴェルデリカは言った。
「分かったのは、支えの一つが何だったかだ。どう直すかではない。……その歯の形が何なのかも、まだ分からん」
イルザがそれを書きとめた。それからペンを置いて、レトの帳面の歯の形を見た。
「私には、縞が減るのは見えました。歯は見えなかった。あの人の指を、ちょうど見ていたのに」
「私も」
エナが言った。
「縮んでいくのは見えた。歯は、見えない」
「それも書いておいていいですか。あなたが見たもの。ほかの者には見えなかったもの、として」
レトはうなずいた。
「俺にしか見えないなら、俺の見間違いかもしれない。そう書いてくれ」
「そう書きます」
*
病棟の夜の見回りが始まる前に、下宿へ帰ることになった。
帰る前に、もう一度だけ病棟の入口まで行った。係長に紙を返すためだった。
レトは入口に立った。中には入らなかった。
病棟の端の寝台で、ネッタがハスケルに何か喋っていた。昼間、自分で縞を数えた紙を、ハスケルに見せていた。
「ほら、私のほうがちゃんと数えてる。レトさんが入ったら一本減って、出たら一本戻って、また入ったらまた減った。きれいに、こう」
ネッタは指で空中に、下がって、上がって、また下がる線を描いた。
「お前、数えながら喋るな」
「喋るのが仕事だもん」
係長が入口まで来て、紙を受け取った。
「今日はありがとうございました。……悪くなった人は、いませんでした」
「はい」
レトは頭を下げた。エナと並んで、廊下を歩きだした。
渡り廊下を渡り、閲覧室の建物の階段の下を過ぎた。昼間四半刻座っていた場所を、今日は過ぎた。門のほうへ向かう外の通路に出た。下宿は門を出た先だった。
後ろから、走る足音がした。
係長の使いの若い職員だった。息が上がっていた。
「戻って、ください。……あの子が」
レトは走った。
エナの手を掴んで、通路を走った。階段の下を過ぎ、渡り廊下を渡った。病棟の廊下に入ると、奥から声が聞こえた。
「ネッタ。おい、ネッタ」
ハスケルの声だった。大きな声だった。病棟では大きな声を出さない。決まりだった。
入口を入った。
台の上の魔力計は、もう片づけてあった。
病棟の端の寝台で、ハスケルがネッタの肩を掴んでいた。
ネッタは上半身を起こしたままだった。口が何か言いかけた形で止まっていた。
ネッタの肩の向こうに、壁の漆喰が見えた。
肩の縁ではなかった。肩の真ん中から透けていた。膝の上に置いた手の向こうに、毛布の縞がくっきり見えていた。一本や二本ではなかった。数えられなかった。
ハスケルの手がネッタの肩を掴んでいた。掴んだ指の下で、ネッタの肩が薄い紙のように揺れていた。
「さっきまで、喋ってた」
ハスケルの声が、かすれていた。
「お前たちが入口から帰って、しばらくしてだ。……喋ってたんだ。数を、数えてたんだ」
レトは寝台の足もとに立っていた。
ネッタの手の向こうの縞が、一本、消えた。
また一本。
レトが近づくたびに、一本ずつ消えていった。
ネッタの口が動いた。
「……レトさん、が、入ったら、一本、減って」
声が、遠かった。
「出たら、一本、じゃ、なかった」
レトは寝台の横に立った。
縞はもう見えなかった。ネッタの肩も、手も、くっきりしていた。何もなかったように。
ネッタは瞬きをした。ハスケルを見た。それから、レトを見た。
「……何、今の」
誰も答えなかった。
係長が病棟の奥から戻ってきた。
「ほかの方は、読み手が見ました。変わっていません」
係長は低い声で言った。
「あの子だけです」
レトは寝台の横に立ったまま、動けなかった。
動けば、どうなるのか。
分かっていた。分かっていて、足が動かなかった。
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