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仮初めの始まり

鳥のさえずりが聞こえる

見渡すと、そこは打ち上げ会の残骸溢れる部屋ではなく、白い壁に囲まれた部屋だった。

窓一枚すらない純白の壁。広さは丁度5畳くらいと言ったところだろうか。

床も天井も純白。まるで軟禁状態の病院を連想させる。

「聞こえますか?」

聞いたことの無いその声は耳を澄まさねば聞こえないほどの声だった。

「誰だ!」

ヒストリックに叫ぶ。

「やっと聞こえたのですね、貴方は………ですね」

一番肝心なところがノイズに掻き消された様に音の砂によって聞き取れなかった

「その顔は…聞き取れなかったようですね。」

「なんのことだ」

俺は問いただすと

「貴方の真の名前です。その様子ではまだ聞き取れていないようですね」

「真の名前? 俺の名前はフォレン=リアムだ!」

「それは仮初めの名前です。貴方にはもう一つの真の名があるのです。」

「その証拠はなんなんだ。」

「では、何故貴方は詠んだことの無い精製魔法が使えたのですか?」

「それは…」

俺は答えを言うことはできなかった。夢中だったあのときの記憶はかけらすらなかった

なぜ、お前はそんなことを知っている。そもそもお前は誰なんだ」

「そうですね、まだ私の自己紹介をしてなかったですね。私の名前はアリシア、この世を統べし者とも呼ばれています」

「この世を統べし者?何だそれは。」

「それはただ人々が私に付けた俗称のようなものです。実際は統べるどころか何の権限も持ってはいないのですから」

「それなら、なんでこの世を統べし者なんて呼ばれているんだ」

それは単純で簡単な質問だったがアリシアは答える事は無かった。

「きっと貴方にも真の名前がいつか聞こえる日が来るでしょう。その日まで私は待つとします」

その声が聞こえた瞬間目の前が一気に明るくなって視界からアリシアの姿はホワイトアウトして消えていった。

そして目を開けるとそこには二日酔いで少し顔色の悪いエールとニールが心配そうにこちらをのぞいていた。

周りを見渡すとそこは打ち上げの残骸の溢れる部屋の中だった。


お久しぶりです遊星歯車でございます。

更新期間が空いてしまい申し訳ございません。

三ヶ月ぶりくらいですかね…

さて、今回の節はきっとフォレンが頑張るはずなので応援よろしくお願いします!


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