心を落ち着かせて
「あっ、フォレンじゃん」
何処からか聞こえて来たその声は今日の昼にも聞いた声だった。
足元を見るとエール武具店の店主が浜辺に座り込んで居た
「エールさん、どうしてこっち向かずに俺だってわかったんですか?」
「ふふっ、君の魔力はもう覚えてるからね、そんな気がしたんだ」
「エールさんは凄いですね、俺には分かんなかったですよ」
「少しコツがあるんだよ、やっぱり君は変わらないね、二ヶ月前と変わんない、何回、さん付けは嫌だよって言ったら直してくれるの?」
「ごめんなさい、なんか癖になっちゃって…エールはなんでここに居るんですか?」
「ふふっ、敬語も嫌だよフォレン君、もっとラフに話せないのかな…まぁ、いいや、私は毎晩ここに来てるんだ、ここに来ると心が落ち着くの」
すると、彼女は座ったまま少し横に移動すると俺を座らせようとしたので、それに甘えて隣に座る事にした
俺が座ると彼女は話し始める
「あの店に立って、武器を作るのは、実はすごいプレッシャーなんだ…だから無理にでも気分を上げないと負けちゃう気がして、そんな気持ちを抑えるのがここなんだ。」
彼女の言葉はいつもと違って落ち着いたどこか湿った声だった
「それにここは姉さんとの思い出の場所の一つだから…」
彼女の語尾は少しだが震えていた
「ごめんね、こんなセンチな話、聞きたくもないよね…」
「そんなことないですよ、でも、本当ここって落ち着きますね」
俺はそう言うと彼女は少し笑って答えた
「そうでしょ、やっぱり君は優しいね、さて、明日も早いからそろそろ寝ようかな、明日は頑張ってね」
彼女はそう言うと立ち上がった
「はい、頑張ります」
と答えると彼女はまた少し笑って歩いて行った
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