第二話
第二話
「ベルドよ、それは真実か」
「真実です。ワシとこのバカ弟子が見ております」
「そんなことが出来るのは勇者だけだ。……ということは勇者学園で起きた事件はそやつが起こしたと考えるのが妥当か」
「ワシもそう考えております。それにあの男今までの勇者と違い、負のエネルギーを力に換えております」
「……だとするとマズイぞ。そやつが負のエネルギーに満ちた魔界に来てみろ……我より強くなる可能性がある」
「魔王様正直に申してよろしいでしょうか?」
「うむ、申してみろ」
「あの男は魔王様より確実に強くなります。ですので取り込むのが得策かと存じます」
「ベルドよ、このことは内密にしろ血の気の多い輩が手を出さぬように」
「御意に」
こんなのが門番で楽しめるのか不安なんだが……。
俺が街に入ると早速嬉しいことがあった。
「おいおいテメェ知らねぇ顔だな。俺に挨拶もねえとはお仕置きが必要だよなぁ。なぁオメェら!!」
「「はい、兄貴!!」」
「お前らは俺を楽しませてくれよ」
「楽しませてやるよクソガキ!! 気に入らねえから、テメェはそのまま死らせてやるよ!!」
「俺を失望させるなよ」
このリーダーはあの門番より手練れだな、構えを見れば分かる。
「なんだ手下の二人はハズレか」
「「んだとテメェ」」
俺が武器を構えるとリーダーの男は構えていた武器をしまった。
「テメェは俺より強い。お前ら絶対に手は出すな」
「兄貴いいんですか!!」
「兄貴がいいっつってんだいいんだよ!! ですよね兄貴」
「あぁ、それでいい。それとテメェがこれからこの街のボスだ」
「何言ってんすか兄貴!?」
「この街では力が全てお前らも分かってんだろ」
「だけどよ兄貴」
「次に口答えしてみろ殺すぞ」
「俺は街のボスには興味がない。そのままお前に任せる。その代わり強い奴を紹介してくれ」
「それぐらいなら任せろ」
「なあ車椅子に乗ったおじいさんを知らないか」
「あの方なら今魔王城にいるらしいが、実際どうか知らないぞ」
「あの方?」
「知らないのか? あの方とは先代魔王の右腕を務めたベルド様のことだ」
あのおじいさん先代魔王の右腕だったのか。
学園の魔王の話は本当だったのか……だったらやることは一つ学園の思い通りにはしない。
俺は勇者になってやるよ、だが魔界のな。
俺は人間界を滅ぼしてやる。
そのためには魔王と謁見しなければならない。
「魔王城の場所を教えてもらえるか?」
「魔王城の場所は俺にも分からない。噂でも良いんだったら伝えてやる」
そして教えられたのは歩いて十日はかかるであろう距離の火山の上だそうだ。
それまでに町を四つ通らなければならないそうだ。
「俺は魔王城までの道への第一関門と噂される町、ミルディアに向かうことにする。たしか魔王軍四天王とやらもいるんだったな、ものすごく楽しみだ」
俺がニヤけると周囲の連中が怯え始めた。
「そっ、そういえば名前聞いてなかったな。教えてくれないか」
「俺か? 俺は……そうだな(勇者Aからもじってシャウ・ユーエとでも名乗るか)シャウ・ユーエ、シャウとでも呼んでくれ」
「シャウか、分かったそう呼ばせてもらう。(おそらく偽名だな。何かあるんだろうが詮索はよすとするかな)」
そして俺は街を出てミルディアまで歩き出した。
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