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嫌われ者の世界征服  作者: 芋けんぴん
レッツ、世界征服!
5/8

慕われ殿下、苦悩する

「現在、捜索範囲を広げて活動を続けてますが、未だに行方を掴むどころか、手がかりもない状態っす」

「そうか…ありがとう、ミネフ」


トージャー皇太子殿下は、俺に力なく笑いかけてから、深いため息をついた。

ここのところ、殿下は浮かない顔をしていることが多い。

学園にいた頃は、忙しかったものの、その表情が曇ることはなかった。

人より体力のあった殿下は、病気をすることもなかったし、成績も上位で、学園の生徒たちからの信頼も厚かった。

しかし、卒業パーティの日を境に、状況は一変する。

全ては、彼の元婚約者、オーリア・カインノーラの逃亡が始まりだった。

魔力も体力もないはずのオーリアは一向に見つからず、捜索は難航。

貴族たちからは、何故令嬢1人に手こずっているのかと、避難の声が寄せられている。

また、オーリアがヒエナ様に対する嫌がらせを行った、というだけで幽閉までの重い罰を下すのは、私情によるものではないのかとも言われていた。

彼が今、どんなに酷い重圧に耐えていることも知らず。


「ミネフ、引き続き捜索を続けるように、騎士団長に伝えておいてくれないか?」

「了解っす…しっかし、なんで教皇様はオーリアをご所望なんすかね?」


言いながら、チラリと殿下を見ると、彼はまたため息を吐いた。

どうやら、知らされていないようだ。


「それを教えてくだされば、私だって苦労していない…ヒエナにだって、隠し事をしなくて済むというのに」


オーリアを幽閉することは、教皇の命令だった。

この国において、王族よりも権力を持つ教皇には、殿下でさえ、逆らえない。

どんなにこちらの意に沿わなくとも。


「…ヒエナは、どうしている?」

「専属のメイドによると、まだ塞ぎ込んでいるご様子だと。妃教育はお受けになっているようですが、それ以外は部屋に籠りっきりだそうで」

「そうか…」


彼の婚約者となったヒエナ様は、学園を殿下と共に卒業した後、王宮で暮らしていた。

しかし、殿下は今、ヒエナ様に避けられている。

学園にいた頃は、殿下とヒエナ様は仲が良かった。

しかし、卒業パーティーをきっかけに、ヒエナ様は殿下への信用を無くしてしまったらしい。

ヒエナ様は、我々が思った以上に、オーリアのことを大事に想っていたようだ。

学園の頃より、ヒエナ様を想っていた殿下は、一番それに堪えているようだった。


「ミネフ、こういう時は女性に、何て言ったらいいだろうか?お前、そういうの得意だろう?」

「そういうのは自分で考えるものっすよ、殿下」


言いながら片目をつぶって見せると、殿下は、その通りだな、と言って穏やかに笑った。

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