第178話 終えた役と、次の二曲
撮影を終えた翌週の金曜日、残りの出演料十八万円が入り、前払いと合わせて三十六万円になったので、明細を確かめて返事をした。
十日分の撮影は終えたが、含まれる短い追加音声の枠は使っていない。編集で必要なところが出れば、その日に相談することになっていた。
川瀬さんからは、通して見る日の候補も来た。一か月半ほど先の木曜に完成に近いものを見せたいとあり、俺は午後を空けた。
同じ場面を角度を変えて何度も撮り、台本の全部を一本続けてやったわけではないので、つながった弟を最初から見たかった。
どこを残してもらえたかも気になり、予定へ入れてから店へ行くと、店長には撮影を終えたことを伝えた。
「お疲れさま。今度は長いんだね」
「はい。七十八分くらいの予定です」
「上映が決まったら教えて。見られる日を探すよ」
礼を言って勤務の予定も確かめた。二回の金曜は交替してもらって撮影へ行き、代わりの水曜は、その前に働いている。
これからはまた月曜と金曜へ戻り、ほかの日へ何を入れるかは決められるので、俺は映画を見る木曜だけ残しておいた。
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九日後の日曜日、工場の履歴を開くと、金曜の夜中に十基目の中枢ができていて、十三基目のプラントのあとから残した予約が終わっていた。
弟として店へ行っていた間にもキューブは増え、三段の塔は同じまま、通す元の出力が大きくなったので、俺は前の速度と比べた。
次の実績へ届く見込みも早くなっていたが、受け取れる通知はまだないので、ポイントが十のままなのを確かめた。
空いた予約を確かめて表示を閉じ、今は次の設備を並べるより、午後に植田さんと話すほうの予定を開いた。
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次の歌の会は、二か月ほど先の日曜、午後四時を候補にして、前と同じ灯り舎で考えることになった。
内容や報酬は次の打ち合わせで確かめるが、先に、自分の二曲も歌いたいと伝えると、案内にもそれを書きたいと言ってもらえた。
前には二曲目がなく、今は二曲とも家で聞ける音になっている。次に会場へ持っていく歌として、俺も題名を並べてみた。
候補の日を予定へ入れてから、夕方には家の鍵盤で『ひと駅ぶん』を弾き、小野さんに足してもらった低い音も一人で残した。
四つの音だけで始めたときより足元がはっきりしたので、最後まで歌って六時を見ると、今日は勤務へ出る日ではなかった。
弟の台本は鍵盤の横にあり、その上へほかのものを重ねずに、俺は二曲目の始まりへまた手を戻した。
次の客席で最初にどんな声を出そうか、もう少し明るいほうを聞きたくなって、今度はその声で四つの音へ続けた。




