第一話 夏への扉 後編
翌朝。
さすがに僅か一晩明けただけでは、頭脳明晰、気分爽快、がんばっていきまっしょい、とはいかなかった。
社会に出て幾星霜……、には遥かに及ばないが、鏡花は初めて『仕事に行くのが億劫』に感じた。
余人に聞かれたら羨ましがられるか顰蹙を買いそうだが、鏡花にとっては初めての感覚だった。
初めての感覚のせいか朝の準備は全くはかどらず、時計を見るととうにいつも家を出ている時間は過ぎていて、始業にギリギリ間に合うかどうか。
脱兎の如く家を飛び出して、いつもより数本遅い電車での通勤。
(通勤の時に反対方向の電車に乗りたくなる気持ち、少しだけ分かった気がしますわ……)
そんなことを考えながら、未だ本数が完全には戻っていない通勤ラッシュの電車の中で押し合いへし合い、水本駅到着時には変な姿勢でのし餅になりかけつつ、
(自社のことをこれほど恨めしく思ったことは初めてですわ。立花さんに会ったら今度こそ絶対に増結してもらいましょう……。いえ、絶対にさせますわ。採算なんて知りませんわ!)
これまた初めての感情を抱きつつ、改札口を出て職場へ向かってひた歩いていた。
とてもいつも通りとは言えない通勤でいつもの数倍疲れた状態で三階大部屋に着いて、真っ先に目が行ったのは星野の席だった。
(……やはり、いらっしゃらないのね……)
予想通りだったが、その予想通りが胸をざわつかせた。
「おはようございます。昨日は申し訳ありませんでした」
既に出勤していた総務部三課長に改めて挨拶すると、
「いえ、ああいうことはいくつになっても慣れないと思いますよ。……それよりずいぶんお疲れのようですが?」
総務課長は、鏡花が昨日のことを引き摺っていると思ったのか、心配そうに声を掛けた。
「いえ。少し家を出るのが遅くなっただけですわ。それより星野さんは……」
やはり昨日の今日ではあのダメージからは立ち直れないか、そう思って鏡花は総務課長に尋ねたが、
「……なんといいますか、星野は典型的な空元気でした。いつもより早く出勤してきたようでしたし。ひとまず今日は例のビルの窓口当番に行かせました」
「そう、でしたの。確かにこちらにいるよりは良いのかもしれませんが……」
「あくまで応急措置にしかなりませんね。ですから部長、」
鏡花は、自分のことだけを考えていられる時間が過ぎ去りつつある、と肌で感じていた。
(これが、わたくしが自分で選んだ道、でしたわね……)
心に比例して重い体を引き摺りつつ、鈍い思考を無理矢理活性化させるため、そしてひとつの考えを実行すべく休憩室に向かった。
お目当てのモノとヒトはすぐに見つかった。
「おはようございます」
その人は、鏡花が何度言っても不健康な習慣を改める気はさらさら無いようで、今日も今日とて目の下にうっすらクマを作りながらも、朝から窓際の席でカフェインをキメていた。
「……おはよう」
「タバサさんは、生き急いでいると言われたことしかなさそうですわね」
「たまにしか言われないけどね」
「そのことで名越さんとケンカをされたことは?」
「ノーコメントで」
そんなタバサの隣に、鏡花もコーヒー片手に腰掛けた。
「……お嬢様は紅茶派じゃなかったの?」
「弘法筆を択ばず、ですわ」
「よく分からないけど、言いたいことは伝わった気がする」
しばらく午前も早い内の日差しが二人を照らしていたが、不意に鏡花が切り出した。
「昨日の、『名越さんを静かにしておいてほしい』というお願いですが、承りましたわ」
その一言でタバサの手が止まった。
「けれど、わたくしが名越さんを静かにしておくためには、名越さんがまた『踏んではいけないものを踏まないよう』、注意を払う必要がありますの」
「それは……」
「わたくしだけでは限界もありましょう。ですからその道に長けているタバサさんにも、注意を払っていただきたいのですわ」
タバサも鏡花の言いたいことはすぐに分かったが、それを是とするにはいささか唐突だった。
「でも、私は」
この会社の人間じゃない。そう二の句を継ぐ前に、
「ええ。だからお願いしているのですわ。『わたくしが静かにしている代わりに、あなたも見ていなさい』と。それでも不安だというなら、わたくしを信用しなさい。……今、申し上げられるのはそれだけですわ」
コーヒーカップを口に運ぶ優雅さとはかけ離れたお願いに、タバサは拒否する声を発せずに黙っていることしかできなかった。
通勤で疲れた体が更に疲れるようなコーヒーブレイクのあと、席に戻ってPCで何か書類を作り上げた鏡花は、総務部三課長とすぐさまその場で打ち合わせをすると、社内用電動アシスト自転車、『通称:特急』を駆って、例のビルへ向かっていた。
熱が冷めないうちに。勢いを失わないうちに。心が折れないうちに。
短期決戦。やるか、やられるか。
例のビルの横手に自転車を停めると、自らが発案した三階確認窓口にいる星野の元へ急いだ。
突然現れた鏡花とその形相に驚いた様子の星野を尻目に、窓口の札を『不在にしております』に変えると、空き部屋へ文字通り星野を押し込んだ。
後ろ手に鏡花がドアを閉めると、部屋には星野と二人になる。
「なんなんですか、一体」
という抗議の声をもかき消すような、台風もかくやという勢いだった。
しかし。
「昨日といい今日といい、なんで私が考える時間を下さらないんですかっ!」
その声でしたたかに横っ面を叩かれた鏡花は、ようやく我に返った。
「……水本部長。私も会社員です。仕事の内容までは自分で選べないこと位、分かってます」
鏡花は何事か発しようとして、口を開きかけた。
「でも」
一変して静かな口調だった。
「せめて私が、私の人生をどうするか、考える時間はください」
先程までの勢いはいずこかに吹き飛んでゆき、しつこい疲労感だけが後には残った。
ようやく冷静さを取り戻した鏡花に、できることは少なかった。
「……そうですわね。考える時間は大事ですわね」
でも、せめて。
「……考える材料はお渡しさせてくださいな」
そう言って星野に一枚の紙を差し出した。
「これは……?」
「あくまで案です。総務部長として誰かだけを特別扱いはできませんので、他の方との兼ね合いも考慮した上でできることですが。星野さんがそれで良いと考えるならば、わたくしの責任で実施します」
そう言われて星野はひとまず書類に目を通した。
確かに特別扱いではなかった。
しかし、他との兼ね合いを取るというにはいささか星野に有利な条件であるようにも感じた。
(欲しいのは特別扱いじゃない。ただ、私の夢のつづきは私で決めたいだけ)
書類から目を上げると、星野は鏡花を見据えた。
鏡花の目は、初めて会った日と比べて少し淀んでいる、そう感じた。
なにが、誰が、そこまで彼女を突き動かしているのか、星野には分からなかった。
「……奇襲の次は『押しつけ』ですか」
痛かった。
鏡花も、星野も。
鏡花はおもむろに閉めたドアを開けると、
「……戻って頂いて構いませんわ」
そう言ってドア横に身を退いた。
星野は業務に戻ろうと、黙って一歩踏み出そうとして、
「ですが、昨日も言いましたが星野さんの夢を邪魔立てするようなことは、わたくしもしたくはありませんわ。むしろ応援したい。これは本心ですの」
どこか切実な響きにも聞こえた。
「ですが、星野さんの夢をわたくしに預けてほしいんです。……わたくしの身勝手に付き合ってほしいのですわ」
相反する思いがこの人を淀ませているのか。
やはり、星野には分からなかったが、一歩踏み出す前に聞いておきたかった。
「教えてください。本当にこれは私のためなんですか?水本部長のためですか?それとも会社のためなんですか?」
この人の、その本心を。
「……わたくしにも、まだ分かりませんわ」
鏡花も、今自分の手の届く範囲でできることを提示したつもりだが、それに自信があるわけではなかった。
「星野さんのためです、とだけ申し上げれば嘘になります。会社のためではないとも、わたくし自身のためではないとも……言えませんわ」
だが自信はなくとも、できることはやり切りたいし、やらなければならない。
「けれど、それらが混じり合ったものでも、星野さんの夢を遠ざけてよい理由にはなりませんの。星野さんが仕事以外の所はご自身で決める。それは当然ですわ。そして星野さんがご自身のことをご自身で決めるように、わたくしは、わたくしの下で働く人を守りたいのです。綺麗事かもしれませんが…………」
この人は崩れかけている、星野にはそう見えた。
(誰かが言ってた。自分で考えたなら何をしても良いのか?って。私が教えるのは勉強だけなの?)
星野はただ夢見るだけではいられなかった。
(……いいや違う。勉強で得たものをどう使うか、そして得たもので何をするかまで、考えられるように背中を押すのも、私の夢のつづき)
社会で色々経験した方が先生としての引き出しは多くなる。そう考えているからこそ、もし将来先生になったとき、胸を張って自分の経験を生かしたかった。
「……特別扱いは要りません。総務部付主任も、今月からの業務も、決まった以上やります。ですが、少し時間をください」
「……ええ。わかりましたわ。わたくしも星野さんの夢を応援できるよう頑張りますわ」
再び星野は業務に戻ろうと、一歩を踏み出した。
少なくとも時間はもらえた、今はそれで十分。
誰かを崩してまで、今日ここで答えを求める必要はない。
(笑われるような理想かもしれないけど、夢でメシは食えないかもしれないけど、私は最後まで諦めたくない)
それは『誰かの綺麗事』に対する、星野なりの答えだった。
「昨日は申し訳ありませんでした」
社長室に殴り込まんとする勢いで確認窓口から取って返した鏡花を待っていたのは、名越の謝罪の言葉だった。
「どうも未だに感情が先に出るのは、私の悪癖ですね。鏡花さんにも、星野さんにも、わざわざあんなこと言うべきではなかったんです。星野さんの考えも聞かず、私の経験則と手持ちの情報で頭ごなしに型にはめようとしてしまった。あれは完全に私の落ち度です。本当に申し訳ない」
鏡花を見るなり頭を下げた名越に、完全に虚を突かれていた。
「しかし、星野さんには本当に悪いことをしてしまいました。鏡花さん。星野さんの様子はどうでしたか?」
まるで昨日のことが嘘だったかのような言葉に、
(なん……なのです、この人は?)
鏡花には、その割り切り方が理解できなかった。
(昨日、あれだけ散々に言っていたのに、なぜこの人は素直に謝っているのです?)
昨日の言葉と、今日の謝罪。
名越の中では、その二つは矛盾していないらしい。
理解が追いつかなかった。
「鏡花さん、どうしました?」
「……え、あ、いえ、その。……昨日の社長は、随分と思うところがおありのようでしたのに、その……」
「……エラい変わり身の早さだと、まぁそう思うでしょうね。節操がない。昨日メッタ打ちにされた身にもなれよと」
鏡花は呆気にとられていたが、名越の言うとおりだった。
(分かっているなら、なぜ?)
少なくとも、今鏡花がこの部屋にいる理由は失われてしまった。
「……社長。ひとまず星野さんへの対応は、しばらくわたくしに任せてくださいな」
「分かりました。よろしくお願いします」
名越は、頭を下げることにまるで躊躇がなかった。
「……それだけ、ですの?」
「私がまた首を突っ込んで、余計なことをした方が困るでしょう」
そして頭を下げた後も、前へ進むことを止めたわけではなさそうだった。
あまりにも聞き分けの良い名越とのやり取りは、鏡花にとっては肩透かしでしかなかった。
やり場のない思いを抱えながら社長室を辞去した鏡花は、素直に三階大部屋に戻る気にはなれなかった。
結局、例のビルに用事があると、声だけ掛けてそのまま社外に出ていた。
概ね品行方正な人間として生きてきた鏡花にしては珍しいことだった。
(……出てきたものの、行く当てもなし。どうしたものかしら……)
鏡花の心中を察してか空模様も、どんよりとした曇り空で、いまにも雨が降り出しそうだった。
どのくらい歩いていたのだろう。
雨に降られることもなく、なにかを考えるでもなく、ただひたすら当てもなく歩いていた鏡花は、いつの間にか水本運転所の線路沿いに出ていた。
向こうには現業事務所も見えている。
幸か不幸か、朝に家を出る時のドタバタで底の平たい靴を履いていたのであまり気にならなかったが、さすがに足も痛くなってきた。
(この辺りで、帰りましょうか……)
そう思ってふと歩みを止めると、現業事務所の方から見覚えのある人影が自転車に乗ってやって来るのが見えた。
(珍しいですわね)
それは、相手も同じだったようで、
「おやぁ?こんなところで、また珍しい方とお会いしましたね」
「それはこちらのセリフですわ、小早川部長」
本社ではない場所で鏡花を見かけることが、小早川も殊の外珍しかったようで、
「いや、鏡花さんこそ。サボりですか?」
冗談のつもりだったのか、本当のことを言い当ててしまった。
「……………………」
さすがの鏡花も黙って視線を逸らしてしまった。
「図星なんですか……」
「そう仰る小早川部長は、なにかご用事で?」
とりあえず話を逸らさなければと、鏡花は小早川に話を振るが、
「用事と言えなくもないですが、どちらかというと営業ではなく、仲裁です。大変なんですよ、ウチの営業は」
何やらきな臭い話だった。
「仲裁とは、穏やかではなさそうですわね」
「いやもう、これが聞くも涙、語るも涙でしてね」
「要するにトラブル、と?」
冗談が通じない人だ、と名越のようなことを言いながら、小早川は肩をすくめた。
「簡単に言うとそうですね。復旧工事がらみの厄介な諍いですよ」
そう言うと自転車を脇に寄せて、鞄から手帳を取り出しながら、
「ウチが発注している復旧工事なんですけれど。その内の一つで業者間の支払いトラブルがあったんです。えーっと、さっきもらった現場概要がどこかに……。お、あったあった」
そう言って、鏡花に書類を差し出した。
「水本臨海鉄道鴨潟地区(7)信号通信機器室他改築工事、ですか?」
名前からして、多分建物なのだろうが、鏡花にはその名前から工事の詳細を計り知ることはできなかった。
「平たく言えば、鉄道信号用の小屋の建て替え工事です。……まぁ建て替えといっても元の建物は、地震で潰れて無くなっているんですが」
不意にやって来た災害の爪痕に、鏡花はすぐには声が出なかった。
「で、その工事を担当しているゼネコンの下についてる型枠業者が、現金100%が支払い条件なのに、後出しで出来高10%保留、なおかつ手形六割とはどういうことだ、と組に怒鳴り込んで大立ち回りしていたらしく、それを見ていたウチの社員から立花さんに、立花さんから私に連絡が入りましてね。いや、もう本当に参りましたよ…………」
小早川の話を聞いていた鏡花は、いきなり知らない業界の、知らない言葉の嵐に見舞われて目を白黒させていた。
「出来高10%保留?手形六割?組?」
「……あー……。要りますよね?説明」
鏡花は戸惑い気味に、首を縦に振った。
「要はですね、ウチは建設会社、この場合ゼネコンですね、そこに仕事を依頼しました。で、ゼネコンは、建築士が書いた図面を実際に建てられる図面として手直ししたり、建設現場の管理をしたりするのが主で、実際に建物や構造物を造るのはいろんな職人なんです。今回のトラブルの主役は型枠屋でしたが、他にも鉄筋屋、左官屋、鳶、塗装屋など、挙げればきりがないです。そういった職人たちは、ゼネコンの現場事務所を指して『組』とか言うんです。……荒くれ稼業の方じゃないですからね?」
いつしか鏡花と小早川は線路沿いを歩きながら、話していた。
「今でこそだいぶマシになったと聞きますが、建設業ってのは、独特の慣習や信用と信頼、口約束で仕事をしていることが多い。あくまで私見ですが」
小早川は今にも頭を抱えそうだったが、ふと突然、小早川はどこか懐かしそうな声になった。
「……そういえば、思い出しました。長屋さんが、たまたま飲み屋で一緒になった型枠屋のオヤジと飲んだ後に言っていたんですよ。『俺達も大概時代遅れだが、あいつらは江戸時代だ』って」
突然出てきた、長屋の話に内心鏡花も驚いた。
「……すいません。だいぶ話が逸れましたね。でも、そのくらい独特な世界なんですよ」
長屋の思い出を語った小早川が、少しバツの悪いような笑顔だったのは、少し感情的になっていたからかもしれない。
「それで、全額現金で工事代金を受け取れるつもりが、請求金額の10%を工事で何かあったときのゼネコン側の保険として留保されてたり、手形での支払い分もあって、現金で受け取れるのは請求金額の三割だったと。……大きな声では言えませんが、ウチが契約したゼネコンもその下の型枠業者も資金繰りがよろしくないようですからねぇ……」
鏡花は、もうどこからツッコめば良いか分からなかったが、その中に耳に残ったものがあった。
「信用と信頼で仕事、ですか……」
「ええ、そうです。仲間意識が強いのか、面倒くさがりなのか分かりませんがねぇ」
「それで、結局トラブルは?」
「ウチはあくまで施主ですから、施工会社間のトラブルに巻き込まれたくはないんですが……。仕方ないので、せめて10%保留は解除するよう『要請』しておきました」
「……そうでしたの」
「さすがに、他社の支払いまで口は出せませんよ。そもそも今日び、手形やら小切手なんて流行らないんですがね。ウチが手形の振り出しを止めたのもいつだったか。みんなニコニコ現金決済ですよ」
そんなことを言いながら小早川は、親指と人差し指をつなげて輪っかにした。
「……なら、わたくしの信用を紙にするなんて、古臭くて誰も受け取ってくれないわけですわね」
信用と信頼で仕事をする。
それは思いの外、鏡花に深く刺さった。
「……色々あったそうですね。深くは聞きませんが」
「……ええ、まぁ……」
風が吹けば飛んで行きそうな鏡花に小早川が掛けたのは、
「私から言えることは、信用で取引するなら不渡りだけは出さないようにしてくださいよ、ってところですね。一般論ですが手形は時間を稼げる分、現金より制約が多くて相手もリスクを背負うので、あまり歓迎されないですからね。なのに不渡りなんて起こしたら、社会的にお終いですよ」
あくまで信用を扱う者としての常識的な言葉だった。
「…………肝に銘じておきますわ」
それ以上の言葉を鏡花は持ち合わせていなかった。
鏡花はその稼いだ時間を意図せぬ形で使うことになった。
その日の夜遅く。
一本の列車が、車内での急病人救護のため遅延していた。
当該列車の担当車掌は入江だった。
走行中の車内で『人が倒れた』との連絡を受けて現場に急行した入江は、都合の悪い偶然に遭遇した。
あくまで一鉄道人としてその旅客の救護に当たっていたが、内心は穏やかではなかった。
倒れていたのは、一応面識のある人。
水本鏡花だった。




