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四章 7 『なんの因果か』


 「驚いたわ・・・本当に湖の中から人が・・・いや、女神様が現れるなんて」

 

 突然現れたサラスを見て驚いているセシリア。ルイズも同様に驚いていた。


 「これは一体どういう状況なの・・・?なんかすごい人が増えてるんだけど」

 

 サラスも困惑しているようだった。


 「こっちの二人はセシリアとルイズって言うんだ。サラスの話をしたら会ってみたいって言うから連れてきたんだよ」

 「へぇー・・・」


 進藤に言われてサラスがセシリア達をまじまじと観察している。


 「は、初めまして・・・セシリアよ」

 「私はルイズです」


 軽く挨拶する二人。


 「はぁ・・・君って会う度に新しい女の子が増えていくじゃない。顔に似合わずモテモテなのね?どんな方法を使ってるの?」

 「いや別にモテてるわけじゃないぞ?こっちの二人もたまたま知り合ったんだ」

 「ふぅーん・・・まあ別にどっちでも良いけどね」


 そう言ってサラスはトコトコと歩いてセシリア達の前に近寄って行った。


 「私はサラス、この湖の女神をやってるの!」

 

 この上なく自信気なサラス。高らかに自己紹介をしていた。


 「凄い・・・本当に女神様なのね」


 セシリアがサラスの存在を目の当たりにして口を開けて驚いている。


 「フッフッフッ・・・そうよ、私は女神なの!その反応は凄い嬉しいわ!この男は女神に会えたって言うのに全然感動してくれなかったんですもの」

 「それにアイリスちゃんの言ってた通り本当に綺麗だわ。まるでこの世のものとは思えないくらい・・・」

 「やだもうっ!そんなに褒められると本当に照れちゃうわ!ありがと、でもあなた達だって全然綺麗よ!」

 

 セシリアに褒められてデレデレするサラス。

 

 「はいっ!サラスお姉ちゃん!これ王都に言って来た時のお土産だよ!」

 

 アイリスがラッピングされた赤ワインの瓶をサラスに渡した。


 「アイリスちゃん!今日も相変わらず可愛いわねぇ!!それに私にお土産を買ってきてくれたの!?ありがと!大事に飲むわね!」

 「うん!」

 「せっかくアイリスが選んだんだ。いつもみたいに一気に飲み干すなよ?」

 「し、失礼ね?いつも一気に飲んだりしてないでしょ?変な事言わないでくれる?」

 

 セシリア達もいる手前か変に気丈に振舞おうとするサラス。


 「何て言うか・・・こう言っちゃいけないのかもしれないけど、女神様って言っても私達とあんまり変わらないのね?」

 

 進藤達が普通に会話するのを見て思ったのだろう。セシリアが気を使いながら言った。


 「まあ、そうかもね。今は女神なんてしてるけど元々はあなた達と同じ人間だったしね」

 「え!?元々は私達と同じ人間だったの!?」


 サラスの発言を聞いて驚くセシリア達。アイリスも同じく驚いていた。


 そういえばアイリスにもサラスの過去は話してなかったな。


 「そうよ?何?もしかして進藤からは何も聞いてなかったの?」

 「ええ。湖に女神様がいるってことしか・・・」

 「そうなんだ・・・」


 サラスが進藤の方を見る。


 「え?だって俺が勝手に色々言いふらすわけにはいかないだろ?」 

 「フフッ、ありがと。そういうところはしっかり優しいのね。でも別にそんなに気を使ってもらわなくても大丈夫よ?今のこの暮らしもそんなに嫌いじゃないもの」

 「何か事情があったのかしら・・・?」

 「まあ簡単に言えば私は元貴族の娘で色々あってこの湖で死んじゃったの。そして気づけば湖の女神として生まれ変わっちゃったのよ!」


 ケロッと経緯を話すサラス。かなり内容は省いたが概ねその通りだ。


 「そんな元々人間だった人が女神になるなんて・・・」

 

 話を聞いたセシリアは言葉にならないと言った表情を見せていた。


 「私も信じられなかったけどねー・・・でも実際女神になっちゃったわけだし。こうなったら楽しむしかないわよね」

 「そうなのね・・・失礼だけど元貴族と言ってたわね?差し支えなければ生前の名前・・・家名を聞いても良いかしら?」

 「家名?別にいいけど・・・私が女神になる前の名前はサラス・リーリッヒよ。リーリッヒ家なんて今はもうないと思うけどね」

 「リーリッヒ!?」


 サラスの言葉を聞いて驚く進藤とセシリア達。思わぬ名前がサラスから飛び出したのであった。






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