四章 6 『宿敵・・・か?』
「コホンッ・・・とりあえず健一からのプレゼントはまたの機会に仕切り直しってことで」
「あぁ・・・すまんがそれで頼む」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
下着のせいでなんだか気まずい空気のセシリアと進藤。ここは何とかしてこの雰囲気を打破しなければ。
「・・・そ、そうだ!アイリス!今日はお土産は何か決めたのか?」
「うーん・・・悩んでるんだけどサラスさんは何が良いのかなぁ?」
「サラス?サラスへのお土産で悩んでるのか?」
「うん。だってサラスさんあそこで一人で退屈そうだし何か良い物ないかなって思ってるんだけど・・・何が良いかなぁ?」
「偉いわねアイリスちゃんは!そのサラスって人はアイリスちゃんのお友達なの?」
セシリアがアイリスに尋ねた。
「うん!最近仲良くなったの!湖の女神様なんだよ!」
「・・・え?女神・・・様?」
「あ・・・」
アイリスの言葉にキョトンとするセシリア。アイリスもセシリアの反応を見てしまったという表情をしている。
「えっと・・・アイリスちゃんは女神様とお友達なの?」
「え!?えーっと・・・それは」
セシリアに聞かれ狼狽えるアイリス。視線で進藤に助けを求めている。
まあ別に隠すようなことでもないか・・・
「あー・・・信じられないかもしれないが、アイリスの言っていることは本当だ。俺らは色々あって馬鹿でかい湖の女神と関りがあるんだ。見た目は人間と変わりないんだけど紛れもない女神だよ」
「湖の女神・・・?そういえばおとぎ話で聞いたことあるような。でも現実に女神に会ったって人は初めて見たわ」
「そうなのか?俺はあっさり対面しすぎてよくわからなかったんだが、やっぱり女神って存在は貴重なんだな」
「それはそうよ!女神様っていえばいわゆる神様なのよ!?神様に会うなんて普通経験出来ないことよ!」
進藤の理解していない感じにセシリアが興奮気味に諭す。
「で、でもサラスさんはすっごい優しい人なんだよ!アイリスの話もずっと聞いてくれるの!それにすっごい綺麗なんだよ!」
「綺麗?そんなに綺麗な女の人なの?」
「うん!セシリアさんもすっごい綺麗だけどサラスさんも凄いの!」
「へ、へぇ・・・そんなに綺麗な人と健一は知り合いなのね。そんなに綺麗な人なら一度会ってみたいわね。ねぇルイズ?」
アイリスの言葉の何かが引っかかった様子のセシリア。
「セシリアお嬢様の対抗心はどうでもいいのですが・・・女神様と会えるのなら是非お会いしたいものですね」
「ちょっとルイズ!?酷くない!?」
「うん!是非サラスさんにセシリアさんとルイズさんの事も紹介したいな!」
嬉しそうなアイリス。
「そうだな。サラスもなんだかんだ寂しがり屋みたいだしな。セシリア達が会ってくれるんならきっとあいつも喜ぶんじゃないか?二人さえ良いならいつでも紹介するよ?」
「是非紹介して!」
「よろしくお願いします」
食い気味なセシリアといつも通りなルイズ。
「良しっ!そうと決まればサクッとお土産選んでサラスの所に持って行ってやるか!」
「うん!」
こうしてひょんなことからセシリア達をサラスに紹介する流れになった。
それから進藤たちは一通り王都を散策して楽しんだ。日が沈む前にセシリア達を屋敷に送り届けた。どうやら翌日にはセシリア達も湖を訪れたいとのことなので再び会う約束をしてこの日は解散した。
「進藤お兄ちゃん、セシリアさん達もきっとサラスさんと仲良くできるよね?」
「ああ、きっと大丈夫だよ。あの二人ならサラスとも仲良くしてくれるさ」
そんな会話をしながら馬車を走らせて帰路についた。
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翌日、正午前くらいにセシリア達が進藤の家を訪れた。
「さっ!湖の女神様に会いに行きましょっ!」
「よろしくお願いします」
テンション高めのセシリアと相変わらずのルイズ、そしてアイリスを連れて湖の女神サラスに会うべく進藤は湖に向かった。
少しして湖の畔に到着した。馬車を降りるアイリス達。
「すっごい・・・こんな大きな湖があったのね」
セシリアが湖の大きさに感動している。
「ここに来るのは初めてなのか?」
「ええ。地図で見たことはあったけど、こうして実際に見るのは初めてだわ。想像以上に綺麗で大きいのね!」
「そっか。それじゃあさっそく今日の主役を呼ぶとするか」
そう言って進藤は王都で買って来たワインをいつものように湖の畔に置いた。
そして頭の中でサラスに呼びかける。
「・・・それは何をしてるの?」
「セシリアお嬢様!あれを・・・!」
進藤の行動を不思議そうに見ているセシリア。ルイズが湖の異変に気づいた。
進藤が祈りを捧げて少ししてから水面に人影が現れた。そしてそれは勢いよく湖から飛び出してきた。
「ひっさしぶりぃー!!会いたかったわよ!!」
勢いよく湖から出てきたサラスは湖の畔に立っていた進藤に抱きついた。
「・・・サラス。久しぶりの再会を喜んでもらえるのは嬉しいが、こんな一瞬でびしょ濡れにされると敵わないんだが」
サラスが飛び出してきた勢いの水とサラス自身の水滴で進藤の全身はすっかりずぶ濡れだった。
「アハハ、ごめんね。あんまり久しぶりだったから・・・ってあれ?この人達は・・・?」
進藤とアイリス以外にセシリア達の姿を確認して固まるサラスだった。




